サルミメモ

月収13億の人間国宝

tvアニメ「私に天使が舞い降りた!」 全文書き起こし

tvアニメ「私に天使が舞い降りた!」

全文書き起こしです
アニメ鑑賞時や音madのお供にぜひ

1話 もにょっとした気持ち

ひなた「てぇっへっへってぇっへっへ…(階段を駆け上がる)」
みやこ「うぅ~ん…(寝返り)」
ひなた「へっへっへっへっへ(走る)」
みやこ「へへっ」
ひなた「へっへ…てぇっ!」
ひなた「(うれしそうにドアを開ける)へぇっ!」
ひなた「みゃー姉!おっはよー!」
みやこ「う゛ぉっ!」
ひなた「みゃー姉起きたかー!?」
みやこ「お…おはよう…」
ひなた「おはよう!(ここ陣内智則のオウムのオーちゃん)」
ひなた「行ってきまーす!へへっ!(ドアを閉める)」
みやこ「行ってらっしゃーい…」
母「みやこー!いつまで寝てるの!」
みやこ「むぉきた~起きたから~!」

みやこ「ふ~ふ~ん♪フレンチトースト~♪昨日の夜から漬け込んでおいたフレンチトースト~♪」
みやこ「あっ…」
母「うまかった」
みやこ「母…おっ?」
ひなた「みゃー姉のぶん!」
みやこ「ひなたぁ~!ありがとう!」

みやこ「ふっふふっふふ~ん…ほっ!(フレンチトーストをひっくり返す)」
みやこ「(恍惚の表情で香りをかぐ)へへっ」
みやこ「いっただっきま~s…甘゛っ!!!」
ひなた「ザ――――――(砂糖を入れる)」
みやこ「ひなたまた大きくなったからなぁ…採寸し直すか」
ひなた「みゃー姉ただいまーっ!」
みやこ「おっ、もうそんな時間か」
ひなた「ここがうち、入って入って!」
みやこ「お帰り、ひなた」
みやこ「みゃー姉ただいま!」
花「お邪魔します…」
みやこ「春も終わりの気配を出し始めた五月の末のこと、私に…」
みやこ「天使が舞い降りた」

花「お邪魔します」
みやこ「何、この子!?すっごい可愛い!」
花「ん?」
みやこ「と言うかなんか顔熱い…風邪でもひいたかな…でもそんないきなり…」
ひなた「みゃー姉!」
みやこ「はっ(ひなたの声で我に返る)」
ひなた「今日は友だち連れてきたぞー!」
花「うん(頷く)」
みやこ「っ…はっ…ぅ…」
ひなた「私のお姉ちゃん、みゃー姉!すごい人見知りだから初めて会う人とは目を合わせないんだ!」
花「へぇ~」
花「えっと…初めまして白咲花です。よろしくお願いします。」
みやこ「へぇえっ!…はぁああの…ほっ…星野…みやこ…です…」
ひなた「返事できてる!すごいぞみゃー姉!頑張った!」
花「顔真っ赤」
みやこ「ぇえっちょっ…ちょっとやめて…」
みやこ「と言うかいくらなんでもこんなにドキドキするなんて変だ、何なのこの…何?この辺がもにょもにょする…」
ひなた「私の部屋こっち~」
花「うん」
みやこ「とりあえず落ち着こう、落ち着け私」
みやこ「(深呼吸をする)よーし落ち着いてきたぞー、なんでこうなったか冷静に考えてみよう」
みやこ「えっと…花ちゃんを見ると…」
みやこ「もにょ…?」
みやこ「なんなのこれーっ!」
みやこ「うぅ~何これ?花ちゃん相手だとなんでかいつもより緊張する、ひなたの友達だから仲良くしておきたいのに~!」
みやこ「花ちゃん…」
みやこ「花ちゃん、絶対こういうの似合うよな~ぅへへっへへっ」
みやこ「いっそのこと私も友達になったりできないかな」
みやこ「でも、顔合わせて冷静に話せる気がしないし…」
みやこ「あっ、そうだ!顔をあわせなきゃいいんだ!」
ドラクエ風ゲーム音)
(ノック)
ひなた「ん?」
花「ん?」
ひなた「みゃー姉か?どうした、みゃー姉…」
ひなた「ぴゃっ…」
みやこ「(シューコーシューコ)」
ひなた「ぅあ…あぁっ…うぇ…」
ひなた「わぁあああっー!!!」
みやこ「う゛っ…」
みやこ「ぉ゛ぉ゛…」
ひなた「みゃー姉!みゃー姉!助けてみゃー姉!どこだー!みゃー姉―!」
みやこ「ォ゛…うぉ…ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛…(fallen leavesの皿)」
花「そこで倒れてるのがそうじゃない?」
ひなた「えっ?」
ひなた「本当だ!もう~ビビらせるなよみゃー姉!」
みやこ「ごめん…」
みやこ「えっと、何しに来たんだっけ…あっ、そうだ、花ちゃんと友だちになろうと思って!」
みやこ「はっ、花ちゃん!」
花「うん?」
みやこ「私と、友達になって…」
花「嫌です」
みやこ「えっ?」
花「嫌です」
みやこ「そっ、そこを何とか…」
花「お姉さんと友だちになる理由がないですし…」
みやこ「えっ…」
ひなた「理由ならあるぞ!花!」
みやこ「ぉ…」
花「ん?」
ひなた「みゃー姉は友だちがいないんだ!かわいそうだろ!」
みやこ「っ…!!!ちょっとひなた!」
花「えっ…そうなんですか?」
みやこ「いや、違うよ!友達いるから!」
花「そうですか…」
みやこ「いやぁあ本当、いっぱいいるから!すごい…たくさん…」
花「友達になりましょうか?」
みやこ「憐れまないで~」
ひなた「よかったな!みゃー姉!」
みやこ「う~なんか思ってたのと違う~!」
花「お姉さん」
みやこ「ん?」
花「元気出してください(手を差し伸べる)」
みやこ「あぁ…はいっ…(手を握る)」
みやこ「うぇっ…うぇへへへ…」
花「どうしたんですか?」
みやこ「花ちゃんの手、すべすべで気持ちがいいね…」
花「気持ち悪っ!」
みやこ「ち、違うよ!変な意味じゃないから!」
みやこ「あ、そうだ花ちゃん!採寸させて!」
花「いきなりなんなんですか!」
みやこ「すぐ終わるから、採寸させて!」
花「近づかないで!」
花「それ以上近づいたら、通報するから!」
みやこ「ひぃい!ちょちょっとひなた助けて…」
ひなた「みゃー姉…私の手の方がすべすべだぞ!」
みやこ「ややこしくなるから張り合わないでくれる!?」
ひなた「ほら、みゃー姉!」
みやこ「わかってるから知ってるから…それよりあそこで通報寸前の花ちゃんどうにかして~」
みやこ「ふにゅ~ふにゅ~」
ひなた「花の機嫌取るのなんて簡単だぞ!」
みやこ「本当!?どうしたらいいの?」

花「はむはむはむはむ…」
ひなた「食べ物をあげればおとなしくなる!」
みやこ「ちょろい!そして可愛い…!」
花「はむはむはむはむ…」
ひなた「こうなった花は食べ終わるまでほとんど動かない」
みやこ「わぁ~本当だ~!わ私もなでてみようかな~うぇへへへ…(手を伸ばす)」
花「(手をはじく)」
みやこ「えっ…ええ~」
花「はむはむはむ…」
ひなた「おっ、そうだ!私が花をなでるから、みゃー姉は私をなでればいい!」
みやこ「何この状況…」
花「はむはむはむ…」

みやこ「私の前に天使が舞い降りたあの日からもう一週間…」
ひなた「あーん…(咀嚼)(呑下)なんだみゃー姉!一緒にお昼寝するか!」
みやこ「もぉ~五年生にもなって~」
ひなた「えっへへへ~」
みやこ「ねえひなた」
ひなた「あ~…うん?」
みやこ「は、花ちゃん…また打ちに遊びに来ないの?」
ひなた「花?たぶん来ないぞ?この前誘ったら…」
花「お姉さん居ないなら行くけど…」
ひなた「って言われた」
みやこ「えっ…あれ、なんか物凄いショック…なんで?」
みやこ「こうなったら、もう一度うちに来てもらって今度こそ仲良く!」
ひなた「ん?みゃー姉?どうした?ん?おーい!」
みやこ「ひなた!花ちゃんにこう伝えて!」
ひなた「おっ!」
ひなた「花ー!」
花「ん?どうかしたの?」
ひなた「(息)みゃー姉が、『おいしいお菓子あげるから今度の休みうちにおいで』だって」
花「変質者の誘い方だ…」
みやこ「はっ、花ちゃんがうちに泊まりに来る!?」
ひなた「うん!」
みやこ「お泊り…」
ひなた「その方がいっぱい遊べるからな!みゃー姉が良いならだけど…」
みやこ「お母さんが良いって言ってるならいいけど…」
ひなた「やった!みゃー姉ありがとう!」
みやこ「でも初めてだね、ひなたが友だちうちに泊めたいだなんて…」
ひなた「花ならいいかな~って」
みやこ「えっ」
ひなた「みゃー姉家族以外がうちにいるの嫌がるからな」
みやこ「ぁっ…!」

みやこ「はぁ…(風呂からあがって寝転がる)」
みやこ「そういえばそうだったな…考えてみたらどうして花ちゃんと仲良くなりたいなんて思ったんだっけ…」
みやこ「どうして私はこんなに花ちゃんのことが気になるの…?」
みやこ「どうして花ちゃんにだけ…どうして…」
みやこ「んもう何このもにょっとした気持ち!…はぁ…」
みやこ「花ちゃんに着てもらえたら…いやいやそんなの無理だから!」

みやこ「はぁ…(玄関の前で不安と期待が交じった表情で立ち尽くす)」
(インターホン)
みやこ「来た!どっ、どうぞ!」
花「お邪魔します(クソダサTシャツ)」
みやこ「えっ、何この服…ダサっ!」
花「ひなたは?」
みやこ「あっ、ああ今少し出てる…すぐ帰ってくるって」
花「どうしたんですか?(怪訝な表情)」
みやこ「ひぃっ!いやその服ダサ…うぉっほん(咳込み)かっ、可愛いなぁって…」
花「ありがとうございます!ひげろーって言うんですよ!お気に入りなんです!」
みやこ「そ、そうなんだ…何そのキャラ…」
みやこ「いやそれよりあの誘い方で本当に来るなんて…」
みやこ「あのね花ちゃん、知らない人にお菓子貰ってもついていったらダメだからね、その人は危険だよ」
花「お姉さんがそれを言いますか…大丈夫です。私はそんなにバカじゃないですから」
みやこ「そっか…そうだよね…」
花「それでおいしいお菓子って何ですか?」
みやこ「プリンだけど…」
花「プリン!?(期待の表情)」
みやこ「本当に大丈夫かな…」

花「あーん…ん~(ご満悦)」
みやこ「よかった、気に入ってくれたようで…」
花「あーん…ん~(ご満悦)」
みやこ「それにしても、花ちゃんほんとうに可愛いなぁ~…」
花「あーん…ん~(ご満悦)」
ひなた「花!もう来てるのか!…ってうっわ花服ダッサ!!」
花「ださ!?」
みやこ「こらひなた!」
花「え?ひげろー…ださい…?」
ひなた「ださいな!」
花「でもお姉さんは可愛いって…」
みやこ「うっ…」
ひなた「みゃー姉が?…ないない、みゃー姉服作るのが得意だからそういうのわかるし」
花「…嘘、ついたんですか?」
みやこ「ええっ?そその…あ…か可愛いよ…」
花「嘘ついたんですね」
ひなた「そうだ!みゃー姉の作った服貰ったら?」
みやこ「ひなた!いいこと言った!」
花「いや、私はひげろーのままで…」
みやこ「待ってて!そんなクソみたいな服より可愛いの、すぐ持ってくるからー!(来るからー)(来るからー)(来るからー)」
花「くっ…クソみたいな服…?」

花「うぅ…(衣装を着せられて)」
ひなた「ぴったりだな!」
花「測ってもいないのに…この服、何?」
ひなた「みゃー姉の作る服コスプレだからな!可愛くても外に着ていけねぇ!」
花「じゃあなんで勧めてきたの…?」
花「(みやこのシャッター音)…ん?」
花「え、ちょっと、何してるの(引き)」
みやこ「あっ、花ちゃん可愛いから記念撮影を…」
花「どうして下から撮ってるの」
みやこ「そ、そっちの方がいい写真になるかなって…」
花「やめて」
みやこ「で、でも、いい写真…」
花「やめて(威圧)」
みやこ「で、でも!あと一回だけ撮らせて、お願い!」
花「わかりました、でも下からはダメです」
みやこ「うん!」
ひなた「(笑顔)」
みやこ「ふ(様々な角度から連射)」
花「え?連射!?」
花「はぁ…着替えよ…」
みやこ「えぇっ、着替えるの?じゃあ次はこっちの服に…」
花「着ない」
みやこ「なら、こっちのネコミミの服に…」
花「絶対着ない」
みやこ「もし着てくれたら、もう一個プリンあげるよ!」
花「う…」
みやこ「他のお菓子もあげるよー!」
花「うー…」
みやこ「今後もわたしの作った服着てくれるなら、花ちゃんの食べたいものなんでも好きなだけ食べさせてあげるよー!」
花「そっ、そこまで言うなら…着てあげても…いいですけど?」
みやこ「(花のコスプレ)ひゅーー!!!」
みやこ「(花のコスプレ)うぉほほほほ~」
みやこ「うん!いいよ花ちゃん!可愛い!!」
みやこ「あーはー!世界一可愛い!マジ天使!」
ひなた「みゃー姉顔すっげえ真っ赤だけど大丈夫か!」
みやこ「ええ?よくわかんないけど花ちゃん可愛いし…花ちゃんが私の作った服を着てると思うとなんかこう…興奮する!」
花「あぁ…」
ひなた「みゃー姉私は?」
みやこ「ひなたも可愛いよー」
ひなた「やったー!」
みやこ「次はひなたが花ちゃんに覆いかぶさる感じで!」
ひなた「へっ…こうか?」
みやこ「そう!」
みやこ「はぁ…はぁ…い゛い゛!」
花「何やってんだろう…私…」

(カットイン)


花「わぁ~~~~…」
ひなた「豪華だな」
みやこ「好きなだけ食べていいからね~」
ひなた・花「いただきまーす」
ひなた「あむ(咀嚼)」
花「苦労して手に入れたお菓子…はむっ…う~ん…本当においしい!きっと高いんだろうな、私のお小遣いでも少しくらいなら買えるかな…ねえひなた」
ひなた「うん?」
花「このお菓子ってどこで売ってるの?」
ひなた「うん(呑下)全部みゃー姉の手作りだぞ!」
花「は?…この人が…作った!?」
みやこ「はぁ…おっ?うん?」
花「これからもこのお菓子を食べるにはお姉さんが必要…つまり私は…」
花「ずっとお姉さんの気持ち悪い趣味に付き合わないといけないの…」
みやこ「気持ち悪い!?ちょっ、花ちゃん…今何て…」
花「い、いや、お姉さんが楽しんでいるうちはいい…もし私に飽きたら…」
みやこ「花ちゃんは飽きたからもういいや、お菓子もあげないから、もう来なくていいよ~」
花「あぁっ…う~…ふん!(机を叩く)」
花「お菓子は置いてって!」
みやこ「うわわ…」
花「お菓子だけでいいから!お姉さんはいらないので!…うぅ~」
みやこ「うっ…うぉ…はっ花ちゃんどうしたの」
花「(聞き取り不可)」
みやこ「(聞き取り不可)」
ひなた「ずるいぞ二人だけで遊んで!私も交っぜろー!うぉ~えい!~」
みやこ「(聞き取り不可)…う゛っ…」
ひなた「えい~ふふ~ひひひひ~」
花「…ん?…うん?」
ひなた「なぁなぁ~みゃー姉みゃー姉~ひひ~ふふふふふ~」
みやこ「ん゛~ん゛ん゛~ん゛~」
花「ひなた!お姉さんやばい!」

みやこ「ケホ」
ひなた「すまんみゃー姉!大丈夫か?」
みやこ「ううん!大丈夫だから」
花「病院とか行ったほうが…」
みやこ「へっ平気平気!息できなくてくるしかったけど、何でだろう、花ちゃんに抱きしめられながらだったからかな…少し良かった」
花「やっぱり病院行きましょう」

花「はむ…うんうんうん(咀嚼)」
ひなた「本当によく食べるな花は」
花「だってこのお菓子もいつまで食べられるかわからないし」
みやこ「もう花ちゃん、だからそんなに心配しなくて大丈夫だよ、私、こう思ってるんだ」
花「うん?」
みやこ「十年先、二十年先も私はきっと花ちゃんを着せ替えて楽しんでるって!へ…ハァ…ハァ…」
花「そんな気持ち悪いこと思ってたんですか」
花「二十年後ああいう服はきついと思います…はむ(咀嚼)」
みやこ「ハァ…ハァ…いやいや!花ちゃんなら大丈夫だから!」

千鶴「ただいまー」
ひなた「お母さん!おかえり!」
花「お邪魔してます」
千鶴「まぁ!あなたが花ちゃんね!いらっしゃい…ん?…はぁ…」
千鶴「ひなた、花ちゃんとお風呂入っちゃいな」
ひなた「はーい!」
花「はむ…ふんふん…(咀嚼)」
みやこ「おっ!わっ、私も一緒にははぁ…」
千鶴「みやこはそこに座りなさい」
みやこ「えっ?」
ひなた「行こう花!」
花「んっ…ん…ふん…ふん…」
ひなた「うぇ…それはおいてけ」

花「あぁ~おいしかった、いいなぁひなたは毎日あんな美味しいお菓子食べられて」
ひなた「じゃあ毎日遊びに来ればいい!」
花「毎日?」
ひなた「うん!」
花「毎日あのお菓子が食べられる!でもそのためには…」
みやこ「うへへへへへへ~」
花「…う」
ひなた「食べ過ぎたか?でも毎日あれだけ食べてたら、大きくなったら絶対太るよな~花!」
花「なっ!たっ食べた分運動するから大丈夫…のはず」
ひなた「花が食べた分運動してたらムキムキになれるな~はははっ」
花「むっ」
ひなた「大人になった時、ムキムキかぷくぷく、どっちか楽しみだな!」
花「なんてこと言うの…」
ひなた「今日のご飯はカレーだぞ~♪ふんふんふんふん…
花「私、お腹いっぱいかも…」
ひなた「…う゛ぇっ!」
花「へっ」
ひなた「みゃー姉!?」
花「お姉さん!?」
ひなた「誰にやられた!敵か!?」
花「敵?」
みやこ「敵というかボスに…」
花「ボス!?」
ひなた「お母さんか…」
みやこ「ひっ…ひぅ…ひぃっひぃっひぃっひぃ…」
千鶴「夕飯前に何菓子食わせてんだ」
みやこ「ひぃ!…ごめんなさい!」
花「あっ…うーん…」

みやこ「あー酷い目にあった…まさかあのまま三時間も放置されるなんて…」
ひなた「みゃー姉一緒に寝よ!」
みやこ「今日は花ちゃんがいるでしょー」
ひなた「だから花も一緒だぞ」
花「うぅ…」
みやこ「ううぇええ!?…はっ、はい…ゴク…(息をのむ)」

ひなた「スース―スース―(寝)」
みやこ「何この状況」
花「あの、お姉さん」
みやこ「はっ、はい」
花「お母さんに怒られたのって、私のせいですよね」
みやこ「えっ」
花「ごめんなさい」
みやこ「ちっ違うよ、私が勝手に作っただけだから、花ちゃんのせいじゃないよ、だから本当、気にしないで、ねっ?」
花「…はい」
花「…あの」
みやこ「えっ」
花「ああいう服、お姉さんは着ないんですか?」
みやこ「ああいう服?コスプレのこと?」
花「はい、ひなたや私にばっかり着せて、お姉さんも見た目はきれいだから似合うと思うけど…」
みやこ「んんっ!?…ええっと…それより…今日のお菓子、どうだった?」
花「おいしかったです」
みやこ「ん゛ん゛っ(顔を隠す)」
花「どうしたんですか?」
みやこ「不意打ちで来た、もにょ…」
花「もにょ?」
みやこ「でも嫌な感じじゃないや…うん、受け入れてみるとなんかいいかも…ん゛ん゛」
花「お姉さん!?」
ひなた「うんにゃ~…」
花「寝相悪っ」

ひなた「んっ…んふ~わぁ~~~っ…ん?」
ひなた「あっはは、みゃー姉は知ってるけど、花も寝相悪いんだな」
花「…お姉さん、よくひなたと寝てるんですよね…」
みやこ「…うん」
花「…大変ですね」
みやこ「…うん」

みやこ「今日は家に私一人!…チャンス!」
みやこ「白く…輝く…奇跡の…花!ホワイトリリィ!!!!(決め)」
みやこ「む~ふ~私かこういう服を着るのはちょっと恥ずかしいんだけど、やっぱりやめられないんだよね~ふふん…もしこんな姿誰かに見られたら、もう私生きていけな…」
みやこ「…んっ?…んんんんんんんんんんんん?…(震え)」
みやこ「何で?隣は空き家のはず…どこから見られた…?キメ台詞のとこまで見られてたらもう私生きていけない!」
ノア「(窓を開ける)白く輝く奇跡の花 ホワイトリリィ!」
みやこ「あぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

みやこ「ん~ふふ~花ちゃん可愛かったな~今度はどんな服着てもらおうかな~ああいうのとか、こういうのもいいな~ふふふふ~」
花「次回『サイキョーにカワイイ』お楽しみに…」

2話 サイキョーにカワイイ

みやこ「はぁ~~…もうなんていうか」
花「あの、」
みやこ「うん?」
花「ああいう服、お姉さんは着ないんですか?」
みやこ「ああいう服、コスプレのこと?」
花「はい、ひなたや私にばっかり着せて、お姉さん、見た目はきれいだから似合うと思うけど…」
みやこ「うぇえっ!?ん~っと、それより、今日のお菓子どうだった?」
みやこ「って、ごまかしたのに…」
ノア「白く、輝く、奇跡の花!ホワイトリリィ!」
みやこ「あぁああああ!!!!!!」
みやこ「あぁあぁあぁあぁ…死にたい…」
ひなた「へっへっへっへっへ…」
みやこ「一人でこっそりコスプレを楽しんでるなんてことが花ちゃんにばれたら…」
ひなた「みゃー姉!たっだいまー!!!」
みやこ「お帰り…ひなた…」
花「お邪魔します、お姉さん」
みやこ「ひぃいっ!いらっしゃい、ハナちゃん…ん?」
花「…」
ひなた「…(笑顔)」
ノア「…(無言で見つめる)」
みやこ「…ん?」
ノア「こーんにーちは~っ…えへっ」
みやこ「あああ…ああぁ…あ、あ、あぁああ…」
ひなた「あのなあのな!すっごいんだぞみゃー姉!ノアは今日転校してきたんだけど、びっくりなのがなんと!うちの隣に引っ越してきたんだってー!」
みやこ「そ、そうだったんだ…」
ひなた「うぉー!すごいすごい!やったやったー!」
ノア「姫坂乃愛っていうの~これからよろしくねっ、ミャーさん!えへっ」
みやこ「まさか、私を笑いに…!?」
花「それでお姉さん、今日の分は?」
ノア「今日のぶん?」
ひなた「みゃー姉が作った服を花が着る代わりに、お菓子をあげてるんだぞ」
ノア「作った服~…」
みやこ「んんんん…んんんん…」
ノア「(見つめる)」
みやこ「ん…んん゛っ…」
ノア「(見つめる)」
みやこ「ん゛っんん゛~」
ノア「良い趣味だねっ!」
みやこ「ぷはぁっ!」
花「でも、作るだけでお姉さん着ないよね」
みやこ「へぇあっ!?」
ひなた「そういや私もみゃー姉が着てるの見たことない」
みやこ「あぁっ!」
ノア「へぇ~~」
みやこ「へっ…」
ノア「そうなんだ~~」
みやこ「ひぃいいぃい!…あぁ…あぁああぁ…」
ノア「どんな服か見たいな~」
ひなた「みゃー姉今日はどれだ?」
みやこ「えっ?あぁ、それそれ!」
ノア「ん?」
花「これ…」
ひなた「ホワイトリリィだ!可愛いぞ~!」
花「ちょっと恥ずかしい…」
ノア「今日は着ないの?」
みやこ「ひぃ!いっ、いやぁ…」
ノア「冗談!ヒミツなんでしょ、内緒にしておくね」
みやこ「ノアちゃん、天使…!」
ノア「そのかわりに、私の言うこと何でも聞いてくれるよね」
みやこ「悪魔っ…!なっ、なんでもって…」
ノア「白く、輝く、奇跡の花!ホワイトリリィ!」
ひなた「うぉ~っ!すっげぇ~!」
ノア「ふっふ~ん、どう?カワイイでしょ!」
みやこ「うっ…うん!すごく可愛いね!」
ノア「サイキョーにカワイイアタシが、サイキョーにカワイイ服着たら無敵だもんね~!」
みやこ「何言ってんだこの子…」
みやこ「よかった…どんなこと言われるかと思ってたけど、コスプレしたいだけみたい…」
花「はうはう…ふぁう(咀嚼)」
花「あんな恥ずかしい恰好せずにお菓子食べられてラッキー!」
みやこ「花ちゃんも後で着てね!」
花「ふぁうん…ん゛っ!?」
ひなた「すんげぇな!本物みたいにかわいいぞ!」
ノア「ふふ~ん、でしょ~!ミャーさんとハナちゃんも、正直にほめてくれていいよ!」
みやこ「う~ん、可愛いね!」
花「かわいいかわいい」
ノア「ふっふふ~ん!でっしょ~!」
ひなた「うぉお~おぉ~うぉおぉおおお~お~」
みやこ「あぁ!そろそろ服返してもらってもいい?」
ノア「オッケー!」
みやこ「あぁはあ~ああ~っいいよいいよぉ~ったまらな~い!っはははぁ~ははは~ぁありがとう!ぁありがとほ~う!っひゅ~!可愛いよ!花ちゃん!っっはぁ!左手そのままで目線を右手に…!」
ノア「あっあっ…あ゛…あ゛…あ゛…あっあっあ゛…あ゛っあ゛あ…」
みやこ「っそう!いいよいいよ~最強にかわいいよ!っほほー!(歓喜)」
ノア「アタシの時と反応違くない?」
みやこ「いぃ~(歓喜)」
ノア「はむ…ん?何これおいしい」
ノア「う~んむ…」
花「下からはダメって言いましたよね?」
みやこ「はぁ~…あっ、ああ、ごめん…」
花「はぁ…」
みやこ「じゃあ、今度は右手を上げて決めポーズで」
花「んん~…」
みやこ「ううん!っいいよぉ~っかわいいよぉ~っ花ちゃ~ん!」
ノア「あ゛あ゛あ゛あ゛」
みやこ「っはははは~かぁ!っはぁ…っははぁ…」
ノア「ミャーさん!アタシとハナちゃんどっちがカワイイ?」
みやこ「花ちゃんっ…」
ノア「即答!!?」
ノア「ハナちゃんとアタシでそんなに違いがあるの?もしかしてアタシってそんなにカワイくない?パパもママも友達も、お世辞で言ってたのかも…」
ひなた「やっぱり花も可愛いな~」
ノア「はっ!やっぱり!」
ひなた「でもノアのほうが似合ってて可愛かったな」
ノア「おっ!」
ひなた「ノアのほうが似合ってて可愛かったな」
ノア「ほほ~///」
ひなた「可愛かったな」
ノア「ほ~///」
ひなた「可愛かったな」
ノア「でっしょ~!!!」
ノア「あっ、そうだ!みんなでコスプレ勝負よ!」
みやこ「勝負?」
ノア「アタシのほうがハナちゃんよりカワイイってこと、ミャーさんに教えてあげるっ!」
花「お姉さん、ちょっと」
みやこ「ん?うん、うん…わかった。」
ひなた「なんだ?」
ノア「ん?」
みやこ「わ、わぁー…やっぱりノアちゃんがいちばんかわいいなー」
花「私の負けね」
ひなた「おっ、よかったな~ノア」
ノア「あ゛っ!もう~!なんなの~!も~~~!ん~ん~」
ひなた「なんだ?おどってんのか?」
ノア「むぅ~~う~う~う~」
みやこ「そういえば、いろいろあったせいでノアちゃんのことちゃんと見れてなかったけど…可愛い…」
ノア「あっ!今アタシ見てカワイイって言ったでしょ!」
みやこ「あぁっ…うん…」
ノア「ハナちゃんよりカワイイでしょ!」
みやこ「えっ?花ちゃんのほうが可愛いと思う」
ノア「んもぉ~~~お~お~」
ノア「はい!アタシがサイキョーにカワイイってことを教えてあげるためのコスプレ勝負よ!」
ひなた「わぁ~!」
花「わー」
みやこ「わ~…」
ノア「ルールは簡単だよ!ミャーさんが作った服を着て、ミャーさんが点数をつける!」
ひなた「面白そうだな!」
みやこ「てっ点数つけるとか、そういうのはちょっと…」
花「めんどくさいからやりたくない」
ノア「それじゃあ!コスプレ勝負はじめっ!」
みやこ「聞いてる?」
ノア「1番、アタシ!」
ノア「うっふふん、ふふっ…えへっ」
ノア「どう?カワイイでしょ!」
ひなた「わぁあ~あ~わぁ~…」
みやこ「本当に可愛いねノアちゃん、本物のアイドルみたい」
ノア「ふっふ~ん、そうでしょ~!点数はモチロン100点だよね!」
みやこ「う~ん…、98点かな」
ノア「あと2点は??」
みやこ「いや~、一番に100点はダメかなっ~て…」
ノア「そんなテレビみたいな気遣いいらないから!」
ノア「2番、ハナちゃん!」
花「…」
ノア「何その服!下から上までミャーさんのジャージじゃない!やる気あるの!」
花「ない」
ノア「まあでもこれでアタシの勝ちは確実!ミャーさん、点数は?」
みやこ「(8)…」
ノア「8点!やっとわかったのね!アタシがサイキョーにカワイイって!」
みやこ「あっ…ごめん…」
ノア「ん?」
みやこ「っはぁ…無限!」
ノア「∞!?」
みやこ「はっ、花ちゃんがさっきまで私が着てた服を着てる店に無限の可能性を感じる!」
ノア「…」
花「…」
ノア「3番…ヒナタちゃん!」
花「あっ!」
ノア「えっ?」
みやこ「おぉ~」
花「わぁ~ひげろーだ~!」
ノア「何あのキモイの…」
みやこ「ひげろー、花ちゃんが好きなキャラ、作ったのすっかり忘れてた!」
ノア「あんなキモイの好きなの…?」
みやこ「あんなキモいの好きなんだって」
花「わぁ~へへ~~」
ノア「ちゃんとした服着たのアタシだけじゃん…あんなのに点数も何も…」
みやこ「(100)…」
ノア「なんで!?」
みやこ「花ちゃんが喜んでるから…」
ノア「ヒナタちゃんの点数は!?」
花「ふふふ…」
みやこ「はい、チーズ!」
ノア「なんでアタシが最下位?やっぱりアタシってカワイくないんだ、そうだったんだ…」
ひなた「私はノアが一番かわいいと思ったぞ」
ノア「えっ!?…ねっ、ねぇ…ヒナタちゃんはほんとにそう思った?」
ひなた「んんぅ…ん…おう!ノアが一番かわいい!」
ノア「(トゥンク)…あっ、ありがとう!」
ひなた「おう!ノアもかぶるか?」
ノア「それは嫌」
ひなた「ん~いいよ~いいよその表情、こっちから!ああこっちの角度も!いいねぇ~最高だよ花ちゃ~~~ん!」
花「ひげろー、着てみたい…」
ノア「最後にミャーさん!これに着替えてきて!」
みやこ「えっ?うっわわたし審査員じゃ!?」
ノア「言ったでしょ~みんなでコスプレ勝負だって」
みやこ「嵌められた…無理無理無理無理無理むりむりむりむり無理!私は無理っ~ぃ~…ん~」
ノア「それ、ハナちゃんとヒナタちゃんを見ても言える?」
みやこ「え?」
花「お姉さんのコスプレ…!」
ひなた「みゃー姉が着るのか…!」
みやこ「っぐぅ!」
ノア「ふふ~ん」
みやこ「わ、わかったよ…」
ノア「4番、ミャーさん!」
みやこ「よりによってこの衣装…///?まさか、最初から私を馬鹿にするつもりで…?」
ひなた「みゃー姉かわいいな!」
花「うんうん」
ノア「ふふ~ん」
みやこ「そ、そういうお世辞いいから!自分でも似合ってないのわかってるし!」
花「かわいいですよ」
ひなた「そうだぞ!ノアよりかわいいぞ!」
ノア「ふっふふ~ん…えっ!?」
花「ひなた、それ貸して」
ひなた「ん?いいぞ」
花「んっ…どう?」
ひなた「わっはっはっは!」
みやこ「内緒にしてくれるって言ったのに~」
ノア「昨日のことはナイショにしたよ!」
みやこ「そこはありがとう…」
ノア「でも一人で着るより、みんなで着たほうが楽しかったでしょ?」
みやこ「あっ…うん…ノアちゃんってなんていうか」
ノア「なぁに?カワイイ?」
みやこ「うん!可愛いね」
ノア「でっしょ~!やっぱりアタシがサイキョーね!」
ひなた「やっぱり最強はみゃー姉だな!」
ノア「え゛っ!?!?」



みやこ「ふぁ~…ああ…寝すぎた~…お昼まで寝てるとなんか損した気分になるの、なんでだろう…」
ノア「ヒナタちゃん、もう諦めなよ~」
ひなた「くっそ~…」
みやこ「うん?」
ひなた「うぐぐぅ~」
みやこ「ひなた?」
ひなた「おうみゃー姉!起きたのか?…へっ」
みやこ「何やってるの…?」
ひなた「鬼ごっこ!」
みやこ「家の中で…?」
ひなた「うん!」
みやこ「そとでやりなよ…」
花「お姉さん、今まで寝てたので知らないと思いますけど今日雨降ってます」
みやこ「あぁ…そうなんだ…」
花「はい」
ノア「それでね、私がオニで、ハナちゃんを捕まえて、ヒナタちゃんを追い詰めたんだけど…」
ひなた「そう簡単につかまるわけにはいかないからな」
ひなた「へっへっへっへっへ…」
みやこ「それで壁上ったの…」
ひなた「おう!」
みやこ「いや、諦めなよ…だいたい家の中で鬼ごっこなんかしてたらうちの鬼に怒られるよ~」
ひなた「今いないから大丈夫!」
みやこ「いや、そういうことじゃなくて…」
ひなた「みゃー姉も一緒に鬼ごっこやろ!」
みやこ「やんないよ…」
ひなた「じゃあドッヂボールでもいいぞ!」
みやこ「家の中で?」
ひなた「じゃあ馬飛び!」
みやこ「ふすまとか破っちゃいそうだな」
ひなた「じゃあ…かくれんぼは?」
みやこ「まあ、かくれんぼなら…」
ひなた「よーし!かくれんぼだ!」
みやこ「あっ…」
ひなた「じゃーんけーんぽい!」
ノア「じゃーんけーんぽい!」
ひなた「ノアがオニだな!」
ノア「ちぇー」
みやこ「結局やる羽目に…」
ノア「アタシも隠れる方がよかったな」
ひなた「おっ?おあ!」
みやこ「えっ」
みやこ「ノアちゃん、なにこれ?」
ノア「う~ん!」
みやこ「ん?」
ノア「アタシが歌ってる間に隠れてね!(BGM:アタシ?カワイイ?宣言!!!)」
みやこ「えっ?歌うの?」
ノア「まわれ もっともっとメリーゴーラウンド アタシが世界でいちばん!So キュート キュート 可愛いn」
ひなた「みゃー姉!花!隠れるんだ!」
花「ん~」
みやこ「え?ああ…え?うん…」
ノア「ランランランランラランラン♪ランランランランララン Love me do!!」
みやこ「この年でかくれんぼって」
ノア「ランランラン♪ランラランラン♪ランランランララーン♪」
みやこ「あっ、すぐ見つかりそうだけどまいっか」
ノア「ランランラーン♪」
みやこ「あっ、終わった、一曲歌いきった…あう」
ノア「みんなー!ありがとー!アンコール!アンコール!もう~しょうがないなぁ~!」
みやこ「なにその小芝居」
ノア「(ひとりアンコール)」
みやこ「え~…」
みやこ「ぉおっ…」
花「あっ…お、お姉さん、ここに隠れてたんですか」
みやこ「う…うん」
花「すみません、私もここいいですか?」
みやこ「えっ?いっ…いいけど」
花「ありがとうございます」
みやこ「ずっ…ずいぶんぎりぎりまで隠れるとこ探してたんだね」
花「いえ、トイレに行ってました」
みやこ「自由…」
ノア「まわれ もっともっとメリーゴーラウンド アタシが世界でいちばん!So キュート キュート 可愛いだもん 誰か気づいて!ランランランランラランラン♪ランランランランララン ランランラ~ン♪」
ノア「みんなー!ありがとーう!」
ノア「よーし、頑張って探すぞー!」
ノア「ふんふんふん…ん~は~」
ノア「う~ん…」
ひなた「うう…ノア…」
ノア「はっ?」
ひなた「うう…」
ノア「あっ!!ヒナタちゃん!大丈夫!?」
ひなた「っ…さっきみたいに天井にいればバレないと思ったから隠れてたんだ」
ノア「ヒナタちゃんのその常に全力なところ、アタシ、好きだよ」
ひなた「でも、ノアの歌終わるの待ってたら腕が動かなくなったんだ!折れたのかもしれん!っ、ぶうぇ~ん」
ノア「大丈夫折れてないよ、ごめんね長くて」
ひなた「おっ、ノアがさすってくれたから復活した!」
ひなた「私も一緒に捜すぞ!」
ノア「おー!」
ひなた「みゃー姉と花はどこに隠れてるんだろう?」
ノア「ふんふんふ~んアタシに任せて!このスマホでハナちゃんに電話すれば一発で場所が分かる!」
ひなた「おおっ!天才か!」
みやこ「どうしたの?」
花「いえ、ノアならスマホ鳴らすとかしそうなので電源切ってます、お姉さんも切っておいてください」
みやこ「スマホ…そういえばどこに行ったんだろう?」
花「え?あっ…めったに鳴らないんですね」
みやこ「花ちゃん?」
ノア「どっちもならな~い…」
ひなた「次は私に任せろ、ノア!」
ノア「ヒナタちゃん!」
ひなた「これでにおいに釣られて花が出てくる」
ノア「いくらなんでもこれで出てきたらバカだと思う」
花「ははは…あはあは~」
みやこ「ダ、ダメだよ花ちゃん!」
花「あっ」
花「すんすん」
みやこ「え?」
花「すんすん…すん」
みやこ「えっあっ…うぅ痛っ…うううう…何?」
花「すんすん、お姉さん、甘いにおいする」
みやこ「うぐ…ぐ…あっああケーキ作ったから」
花「ふーん…いいにおいですね」
花「いいにおいですね…ですね…」
みやこ「はああああああっ!!!花ちゃんが!花ちゃんがあああ!!!」
花「はあ~…くんくん…すんすん…すー…」
みやこ「(緊張)」
花「お姉さん、ものすごいドキドキしてますね。かくれんぼでそんなに緊張しなくても」
みやこ「そう、だね…かくれんぼは関係ないです」
花「おいしそうなにおい…」
みやこ「んんー!もう無理!」
花「お姉さん!?」
みやこ「はぁ…はぁ…あっ…これ、お母さんにバレたら…ん?」
千鶴「ふん」
みやこ「お…お母さん?」
ひなた「あぁ~…」
ノア「…」
みやこ「おかえり~…」
千鶴「あんたはいいトシして何やってんの!」
みやこ「ああっ!」
みやこ「鬼に見つかったので、かくれんぼは終了です」
みやこ「はぁ~…」
ひなた「みゃー姉!一緒に入るぞっ!」
みやこ「うわっ、ちょっとひなた」
ひなた「にぇへへ~みゃー姉ごめんな、またお母さんに怒られて」
みやこ「あはは、平気平気。まあ、ふすま破っちゃったのはまずかったかな」
ひなた「でも、今日楽しかったな!」
みやこ「私も楽しかったよ。ノアちゃんいい子だね」
ひなた「おっ!だろ?よかったな!隣に越してきたのがノアで」
ノア「ランラランランランララーンラーン♪フンフフフフフフンフフンフン♪」
ひなた「ん?」
ノア「フンフフンフンフンフーフーン♪」
ひなた「へへっ」
みやこ「ふふっ、ノアちゃんもお風呂かな?」
ひなた「明日もノアと花、遊びに来るぞ」
ノア「ラランランラーララーララララン♪」
ノア「今日こそ教えてあげる!」
みやこ「ん?」
ひなた「ん?」
花「ん?」
ノア「サイキョーにカワイイのはアタシだってことを!」
ノア「…というわけでドーン!」
ひなた「ん?」
ノア「サイキョーにカワイイアタシを撮ろう!」
ひなた「おお~」
ノア「みんながアタシを撮って、サイキョーにカワイイ1枚を撮れた人の勝ち!」
ひなた「今回は花と勝負とかしないんだな」
ノア「アタシ…気づいたの…アタシがサイキョーにカワイイのはもう決まってるわけだけだから、アタシが超えるべきは今の私!」
みやこ「バトル漫画みたいなこと言いだした!」
ノア「それにミャーさんの審査だとハナちゃんが勝つに決まってるし!」
ひなた「それな!」
みやこ「いや~…」
ノア「それじゃあ、スタート!」
ノア「1番、ハナちゃん!」
ノア「どういうポーズにする?何でもするよ!」
花「ああ…ちょっとじっとしてて」
ノア「ん?」
花「はいオッケー」
ノア「いくらなんでも適当すぎない?ちゃんとカワイく撮ってよ!」
花「大丈夫大丈夫」
ノア「何が大丈夫なの?ちゃんとカワイく撮って!」
花「ノアならどんな写真でもカワイイから大丈夫だよ」
ノア「まあねーーー!」
ノア「2番、ミャーさん!」
ノア「ハナちゃんを撮るときみたいにアタシを撮って!」
みやこ「えーと、じゃあ…もうちょっとうつむき加減で」
ノア「ふん…」
みやこ「そう、それでカーテンをつかんで」
ノア「えへ…」
みやこ「そうそう、はーい、それじゃあ撮るよ~」
ノア「って違うでしょーが!!ハナちゃん撮るときのミャーさんはもっとキモいでしょー!」
みやこ「へへへへ~…」
みやこ「えっ!?」
ノア「3番、ヒナタちゃん!」
ひなた「任せろノア、カワイイの撮ってやるからな」
ノア「ヒナタちゃん…ヒナタちゃんだけだよ!本気で撮ろうとしてくれてるの!」
ひなた「この衣装を着れば、最高の一枚が撮れるぞ」
ノア「わーなんだろなんだろ!カーワイイの!」
ひなた「はい!大好きなみゃー姉がいつも着てるやつだ」
ノア「…」
みやこ「どうしよう?ノアちゃん落ち込んじゃった」
花「とりあえず持ち上げてみましょう。いつもならそれで元気になりますし。まずはひなたがノアを持ち上げて元気づけてくれる?」
ひなた「わかった!」
ひなた「うぉー!おおぉー!」
ノア「えっ!なになに?」
花「持ち上げるの意味が違う」
みやこ「持ち上げるの意味が違う」
ひなた「うおおー!」
ノア「いきなり何?ヒナタちゃん!」
ひなた「元気出たか?ノア!」
ノア「も~こんなので元気にならないよ~」
ひなた「じゃあこうか?…楽しいな!」
ノア「あはははっヒナタちゃんすごいあはは…」
みやこ「あっ…」
花「どうしたんですか?」
みやこ「いや…今がサイキョーにカワイイかもって」

みやこ「か~か~」
ひなた「いってきまーす!」
ひなた「フンフンフンフンフン♪フンフンフンフンフン♪」
ひなた「おはようございます!」
花「おはようございます!」
ノア「おはようございます!」
保護者「はい、おはよう」
ひなた「おっ夏音!小依!おはよう!」
かのん「ん?」
こより「ん」
みやこ「うんうんカワイイね~ノアちゃん最高~」
ノア「でっしょー!…ってミャーさん何見てるの?」
みやこ「花ちゃん…マジ天使!」
ノア「あっ!もーーー!!」
ノア「次回、『刷り込み』見てよね!」

3話 刷り込み

山中先生「今日は、班のみんなでオリジナルのすごろくを作ります。話し合って、ひとつのテーマを決めてから作ってください」
ひなた「すごろくか~面白そうだな!」
山中先生「じゃあ、あとは学級委員さん、よろしくね」
こより「はい!じゃあこれから画用紙を配るわ」
かのん「マジックやはさみは前に置いてあるから、各班で持ってってね」
こより「分からないことがあったら、学級委員の私たちを頼るのよ!」
ひなた「はい!かのん!テーマって何でもいいのか?」
かのん「うん!いいよ~」
こより「えっ…」
クラスメイトA「夏音ちゃん!」
クラスメイトB「夏音!」
クラスメイトC「夏音ちゃん!」
クラスメイト「…おしえておしえて」
こより「ああっ!何でかのばっかり!私も頼ってよ!」
花「小依、テーマって例えばどういうの?」
こより「例えば?えっと…」
かのん「ぽしょぽしょ、ぽしょぽしょぽしょぽしょ…」
こより「ん?うんうん…自分の好きなものや身近な人をテーマにすると作りやすいと思うよ!」
ノア「コヨリちゃんはそれで満足なの…?」
ひなた「身近な人…」
花「すごろくのテーマ何にする?」
ノア「はい!アタシのカワイさ!」
花「却下。座って」
ノア「すん…」
ひなた「はい!」
ノア「ん?」
花「ん?」
ひなた「みゃー姉!」
ノア「え?」
花「は?」
みやこ「かー…かー…かー…かはー(寝息)」

ひなた「テーマはみゃー姉で決まりだな!」
花「それ、どうやってすごろくにするの?」
ひなた「分かんない」
ノア「う~ん」
ひなた「分かんないけど、みゃー姉のすごいすごろくにしたい!」
ノア「ん~…」
花「う~ん…」
かのん「みゃー姉さんって、いつもひなたちゃんが話してるお姉さんだよね?」
ひなた「おう!そうだぞ」
こより「優しくて頭がよくて、きれいですてきなお姉さんなんでしょ?」
花「え?」
ノア「ん~」
ひなた「そうだぞ!みゃー姉はすごいんだぞ!」
かのん・こより「わぁ~!すごい!」
かのん「すごろくできたら見せてね!」
ひなた「おう!」
ノア「…いいの?」
花「…いいんじゃない?」
こより「作り方で何か分からないことがあったら、なんでも聞いていいわよ!私が教えてあげる!」
クラスメイトA「夏音ちゃん!」
クラスメイトB「夏音!」
クラスメイトC「夏音ちゃん!」
こより「もう~!だから私を頼ってってば~!ねぇ!きいてよ~!」
ノア「ふんふんふんふんふ~ん…ミャーさんすごろく、こんな感じでどう?」
ひなた「うお~」
花「これ…」
ひなた「いい!いいぞノア!」
ノア「えへへへ~」
ひなた「みゃー姉をテーマにしてすごろくを作った!」
みやこ「…どういうこと?」
花「まずこのすごろくは、私たち3人でやります」
ひなた「じゃ~ん!」
ノア「じゃ~ん!」
花「はむ…お姉さんはそこで見ていてください」
ノア「アタシたちは順番にサイコロを振って、出た分だけ進むの!」
ひなた「そんで、止まったところになんかやること書いてあるから、それをみゃー姉がやる!」
みやこ「私が!?そこは止まった人がやればよくない?」
ひなた「でもこれ、みゃー姉のために作ったから」
ノア「ミャーさんがやらないと、意味がないよ!」
みやこ「いや、でも…はっ!これは!」
みやこ「こっ…こここここここ…ここに花ちゃんが止まったら…」
ひなた「いいからやってーよー!みゃー姉!」
ノア「そうだそうだ~」
ひなた「みゃー姉やって~みゃー姉やって~」
ノア「やって~やってよ~やってやって~」
花「でも、お姉さんがやりたくないなら仕方ないし、正直私もやりたくない。やっぱやめよう…」
みやこ「やろうかみんな!」
ノア「やったー!」
ひなた「やったー!」
花「…」
ひなた「それじゃあ、私、ノア、花の順番な」
ノア「まっかせてー!」
みやこ「まかせて?」
花「うん。まあ、やってみる」
ひなた「いっくぞ~…ほい!」
サイコロ「5」
ひなた「いち、に、さん、し、ご!『笑顔であいさつ 』はい、みゃー姉!」
みやこ「どんな無茶なことやらされるのかと思ったけど、笑顔であいさつなんてやっぱり子供だな」
ノア・ひなた「わぁ~」
みやこ「って、あれ?」
ノア「わははぁ~」
ひなた「わぁ~はわぁ~」
みやこ「こん…こんに…こん…」
みやこ「これ思ったより恥ずかしいな!」
ノア・ひなた「わぁ~」
みやこ「あれ?『笑顔であいさつ』なんて、そんな小学生でも簡単なこと、いくら私でもそれくらい…」
みやこ「小学生の時の通知表に『あいさつができない子』って書かれてたな…」
みやこ「でももう私も大人!しかも相手は 見知らぬ人とかクラスメイトじゃなくて花ちゃんたち!それなら私でもできる!」
みやこ「ああっ…ちょっ、ちょっとあんまり見ないで。注目されるとちょっと…」
みやこ「こんな…あいさつすら私はまともに…私は… 私は…ううぅ…う…」
ノア「ミャーさんダメそうだから次行くね!ていっ!」
ノア「いち、にぃ、さん!『相手を褒める』!」
ノア「ミャーさん!褒めていいよ!」
みやこ「あーうん。カワイイカワイイ」
ノア「もっとちゃんと目を見て言って!
みやこ「うぉ…ち…ちょっ…近い近い」
ノア「いって!」
みやこ「カワイイ!カワイイから手離して!」
ノア「百回カワイイって言うまで離さない!」
みやこ「めんどくさい彼女みたいなこと言いだした…」
ノア「ほら~あと96回!」
みやこ「うっ…ううう…え~…ん~」
ひなた「みゃー姉、やっぱダメそう。次いこう」
「ん」
サイコロ「6」
花「いち、に、さん、よん、ご、ろく…あっ…『ハグする』」
ノア「にゅ~~」
みやこ「えっ!?」
ノア「にゃっ!」
みやこ「ま…まままま…まさか本当に花ちゃんが出すなんてラッキー!こっ…これで…花ちゃんと…はっ…ハハハはっ…ははハァ…」
花「うわあ…」
みやこ「ハッハハァ…ハァ…はっハァ…」
花「なんか身の危険感じるからやめていい?」
ひなた「よしよし、よーしよし」
みやこ「はっはぁ…ハァ…」
花「お姉さん、1回離れて」
みやこ「ハァ…大丈夫だからぁ…優しくするからぁぁ…ハァ…ハァ…」
花「いいから離れて」
みやこ「ああ…私に全部任せて花ちゃん…ハァ…ッハァ…」
花「離れてって言ってるでしょ!」
みやこ「ああっ…」
花「ああ…」
花「ああっ、すみません、つい…でもやめてください」
みやこ「これはこれで… へへっ」
ひなた「次はまた私だな」
みやこ「ああ…ちょっ、ちょっと待って」
ノア「ん?」
花「ん?」
ひなた「なんだ?」
みやこ「このすごろくなんかおかしくない?何で私だけこんなことやるの?」
花「えっ?だってこのすごろく、お姉さんの人見知りを直すために作ったすごろくだから」
みやこ「え?」
ひなた「うお~」
花「これ…」
ひなた「いい!いいぞノア!」
ノア「えへへへ~」
ひなた「これをみゃー姉にやってもらうんだな」
ノア「そう!ミャーさんにはこういうのがいいかなって」
ひなた「そうだな!みゃー姉がこういうのできるようになったらいいな」
花「もうこれ『お姉さん更生すごろく』でいいんじゃない?」
ひなた「それいいな!そうしよう!」
みやこ「…」
ひなた「先生から『大変よくできました』もらったぞ!ほめて!」
みやこ「それを学校の授業で作ったの?」
花「ひなたがどうしてもって言うから作ったんです。どうですか?人見知り直りそうですか?」
みやこ「いや、何かもうそれどころじゃないっていうか…何てことをしてくれてるの!先生に何て思われたか…」
花「そんなこと気にするより、妹にこんなの作らせたことを気にしてください」
みやこ「それを言われたらぐうの音も出ないな」
みやこ「ん~……ふっ…よし!」
ひなた・花・ノア「ん?」
みやこ「ひなた、お姉ちゃん頑張るよ!ひなたが心配しなくて済むように、頑張るから!」
ひなた「みゃー姉!」
ノア「うん!」
みやこ「明日から!」
花「う~わ…」
みやこ「今日も何だかやる気出ないから、明日から頑張ろう」


ひなた「みゃー姉!今日一緒に寝ていい?」
みやこ「今日はダメ~」
ひなた「ぶ~なんで?」
みやこ「明日花ちゃんたち来るんでしょ?だからこれ仕上げたいの。」
ひなた「むぅ~」
みやこ「今日は遅くまで起きてるから先に寝な」
ひなた「…」
みやこ「…何?」
ひなた「何でもない」
みやこ「…っん?」
クラスメイト「(声)」
ひなた「いったぞ~!」
花「はーい」
こより「はっ!」
かのん「はい」
こより「それ!」
かのん「はい」
こより「とお!」
かのん「はぁ!」
こより「とりゃ!」
かのん「はーい!」
ひなた「昨日さあ、みゃー姉が一緒に寝てくれなかったんだ~」
ノア「毎日ミャーさんと寝てるの?」
ひなた「そうじゃないけど…」
花「毎日だったら、お姉さん体もたないと思う…はっ…」
ノア「ヒナタちゃんはホントにミャーさん好きだねっ!」
ひなた「おう!みゃー姉が一番好き!…へっ!」
花「…んっ!どうしてそんなに好きなの?あんなんなのに…」
みやこ「ぬぇへへへへ…」
ひなた「どうして?」
ノア「えいっ!」
ひなた「分かんない…分かんないけど、みゃー姉が一番好き!」
花「いつからそんなお姉ちゃん子なの?」
ひなた「えっ?いつから?…分かんないけど、ずーっとみゃー姉が一番好き!」
花「こういうの『刷り込み』っていうんだっけ?」
ノア「今日のお菓子、なんだと思う?」
花「チョコ系がいいな~」
ノア「アタシはクッキーとかがいいかな~?」
花「じゃあチョコクッキーで」
ノア「いいね!」
花「いいね」
ノア「ヒナタちゃーん、帰るよー!」
ひなた「ん?おーう!」
みやこ「さてさて~今日のお菓子は何にするかな~あっ…」
千鶴「食いすぎ注意」
みやこ「母…ん~板チョコ君か…」
ひなた「おっ!止まれ!」
ノア「ん…」
ひなた「花!ノア!」
花「ん?」
ノア「…ん?」
ひなた「影の外は、ウイルスが蔓延している…出たら、即死だぞ!」
花「いきなり何言ってるの?」
ひなた「影以外に足をつかずに帰る遊びだ!」
ノア「楽しそう!」
花「何それ?」
ひなた「日向はウイルスで…あっ!日向は、ひなたウイルスがまん延してて即死だ!影の中だとおとなしくなる」
ノア「ダジャレ?」
ひなたウィルス「わーみゃー」
花「ひなたがウイルスの発生源みたいになってるけど…それにその設定だと、影自体から出れないし」
ひなた「え?…じゃあ…影の外はお花畑だから、踏んじゃダメ!」
ノア・花「メルヘン!」
ノア「う~ん、でもここから始めても、向こうにはいけないよ!」
ひなた「私に任せろ!…へっへっ…」
ノア・花「ん?」
ひなた「へっへっへっへっ…っていっ!」
ノア・花「えっ!」
花「ちょっと!何投げてるの?」
ひなた「影がないなら作ればいい」
ノア「そっか!ランドセルを置いて影にするんだ!ヒナタちゃんすご~い!」
ひなた「あ~…」
花「あ~…」
ノア「あ~…」
ひなた「とうっ!…へっ…影できたぞー!」
ノア「おっけー!…とう!」
花「んっ」
みやこ「フフンフンフンフンフフ~ン♪ふっ…へへん、みんな喜ぶかな~」
ひなた「よし!次はこの道を…」
ノア「また影が全然ないね」
花「私が影を作るから」
ひなた「えっ、それだと花が…」
花「私のことは気にしないでいいから」
ひなた「花…えへっ…」
花「ふふふふっ…」
ノア「ハナちゃん、もしかして上手いことこの遊びから逃げようとしてる?」
花「うぅっ…」
みやこ「フンフフンフンフッフッフッフ~ンフフフフ♪ほっ!あとは任せた!次は~最後の仕上げ~フフフ~ン♪」
ノア「ハナちゃんが影にならなくても、その辺にいる人にお願いすればいいんでしょ!」
ノア「アタシに任せて!この超カワイイアタシが、お願いすれば簡単だから!」
ノア「お姉さんお姉さん!」
女性「ん?私?…うわ、可愛い子」
ノア「…えっと、あの~…アタシの影になってくれませんか?」
女性「…影!?」
ノア「一緒にここを渡ってくれればいいですから!」
ひなた「お願いします!」
花「すみません…」
女性「わ…分かったわ」
4人「(道を渡る)」
ひなた「やったー!」
ノア・ひなた・花「ありがとうございました!」
女性「ああ…もういいのね、じゃあ、フフ」
ひなた「へへっ」
ノア「どう?アタシのカワイさのおかげで渡れたでしょ!」
花「そうね」
ノア「ふふ~ん」
ひなた「ここまで来たらうちまでもう少しだな」
トラック「ヴン…」
花「あっひなた、そこダメ…」
ひなた「ん?」
トラック「ブルルル…」
ひなた「えっ!うわぁ!おっおっお!おっお…うおぉおおおおおー!」
花「ひなた追いかけないで、危ない!」
ノア「ヒナタちゃ~ん!」
みやこ「それで追いかけてったせいで、こんなに疲れてるんだ」
花「はい」
みやこ「ひなた~、花ちゃんも言ってたように車のそば走るなんて危ないこと、二度とやっちゃダメだからね」
ひなた「う~…ごめんなさい」
ノア「ヒナタちゃんをおとなしくさせられるのはミャーさんだけだね」
花「大人しく…ひなたウイルス…」
ひなたウイルス「はあ~落ち着く~」
花・ノア「あっ、日陰者だからだ!」
みやこ「あっ、もしかして私のこと?」
ひなた「みゃー姉、みゃー姉~にひひひ~ふふ~みゃー姉~へっへへふふ~」
花「それでお姉さん今日のお菓子は何ですか?」
みやこ「作ってあるよ~あっ!新しい服もできてるよ~」
ノア「やったー!今日はどんなのだろー!ワクワク!」
ひなた「うぇっ…むぅ~…」
花「はむはむはむはむはむはむはむはむはむはむはむはむ…」
ノア「やったー!チョコクッキー、そして…?」
みやこ「今日はこれ着てね!」
ノア「はいはいはいは~い!それアタシが着る!カワイイアタシが着てあげるー!」
みやこ「大丈夫!ノアちゃんにも作ってあるから」
ノア「やった~!…お~お~~~…へへ~ん…」
ひなた「あっ!みゃー姉!私のは?私のは?」
みやこ「あーごめんね、ひなたのは時間足りなくて作れなかった。また今度ね」
ひなた「えっ」
みやこ「(撮影)」
ノア「えへへ~ん…へへへっ…ふ~ん…う~…」
みやこ「いいね2人とも!似合ってるよカワイイ~!ははぁ!」
ノア「でっしょー!」
みやこ「花ちゃん、こっち向いて!」
ひなた「みゃー姉!私もなんか着るか?」
みやこ「ノアちゃんはそのままで」
ひなた「なあ…みゃー姉私は~?」
みやこ「いいよ~そう!その顔~」
ノア「えへ!」
花「…」
みやこ「ひなたちょっといい?」
ひなた「ん?何だ?みゃー姉」
みやこ「光欲しいからカーテン開けてきて」
ひなた「えっ…あぁ…むう…」
花「…」
みやこ「2人ともカワイイよ~」
ノア「ふふ~ん」
ひなた「むう…ふん…」
みやこ「いいねいいね~ふふふ…アハハ…は…ん?ひなた?」
ひなた「みゃー姉の、アホー!」
みやこ「なにーっ!」
ひなた「はぁっはぁっはぁっ…」
みやこ「こら何するの!」
ひなた「みゃー姉の社会不適合者!」
みやこ「どこで覚えたのそんな言葉…もう~…なんなのいきなり…」
ノア「どうしたの?」
花「はぁ…お姉さんはバカですね」
みやこ「えっ何?花ちゃん」
ノア「えっとぉ?穀潰し?」
みやこ「もしかして私のことそんなふうに思ってるの?」
みやこ「はぁ…んん…」
花「…今日はもう帰ります」
みやこ「うん…」
ノア「ふんふんふ~んふふんふんふ~んふふんふんふんふんふんふ~ん♪」
花「クッキーお土産にしてもいいですか?」
みやこ「あっ、はい…」
ノア・花「お邪魔しました!」
みやこ「ひなた~」
ひなた「うっ…」
みやこ「ひなた~、何ですねてるの?」
ひなた「んっ!」
みやこ「うーん…しかたないな」
ひなた「んん~むぅ~ん~…」
みやこ「どうしてすねてるか教えてくれたら、今日は一緒に寝てあげようかな~」
ひなた「ううっ」
みやこ「さらに一緒にお風呂に入ってあげようかな~」
ひなた「…ほんと?」
みやこ「ふふっ」
ひなた「ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ…」
みやこ「はぁ~…それで~、ひなたはどうしてすねてるの?」
ひなた「ん…みゃー姉が花とノアにばっかり構って、私に構ってくれない…今日だって私だけ服なかった」
みやこ「確かに今日のはよくなかったな、でも、花ちゃんたち帰った後とかいない時とか、結構遊んであげてるはずなんだけど…」
ひなた「みゃー姉!みゃー姉!みゃー姉!みゃー姉のアホー!」
みやこ「何で今日はこんなに…」
ひなた「…」
みやこ「ん~…ひなた」
ひなた「ん?」
みやこ「おいで」
ひなた「なに?」
みやこ「(抱く)」
ひなた「あぁ…」
ひなた(乳児)「(泣声)」
千鶴「ほーらひなた、よーしよし」
みやこ(幼少期)「お母さん私にもだっこさせて!」
千鶴「大丈夫か?」
みやこ「うん!ひなた、お姉ちゃんとこおいで~」
ひなた(乳児)「…」
千鶴「お?」
みやこ(幼少期)「お姉ちゃんだよ~ひなた~」
ひなた(乳児)「へっへへっへへへ…」
みやこ「ふふふ」
ひなた(乳児)「へっへっ…」
みやこ(幼少期)「ん?」
ひなた(乳児)「みゃーみゃー」
みやこ(幼少期)「っ!ひなた~」
ひなた(乳児)「みゃー!」
みやこ「生まれた時からひなたはずっとこうだったな…」
みやこ「ひなた、今日はごめんね」
ひなた「うん。今日は一緒に寝てもいいんだよね?」
みやこ「うん」
ひなた「へへっ」
みやこ「ふふっ」
ひなた「みゃー姉!寝る時間まで遊ぼう!」
みやこ「いいよ、何して遊ぶ?」
ひなた「なんか体動かしたい気分!うずうずする!」
みやこ「いいけど、外に出るのはダメだからね」
ひなた「うぅ~」
みやこ「家でできる遊びにして」
ひなた「あっ、そうだ!プロレスしようプロレス!」
みやこ「プ…プロレスはちょっと…」
ひなた「うぬぅ~…ボクシングでもいいぞ!しゅっ!しゅっ!」
みやこ「私のことボコボコにしようとしてない?もしかしてまだ怒ってる?」
ひなた「みゃー姉と寝るの久しぶり~」
みやこ「いや3日に1回くらい寝てあげてるでしょう…」
ひなた「だはぁっ!ん~私は毎日がいいな~」
みやこ「ひなたはお姉ちゃんを殺す気?」
ひなた「みゃー姉一緒に寝よう!」
みやこ「はいはい」
ひなた「みゃー姉一緒に寝よう!」
みやこ「また?」
ひなた「みゃー姉!」
みやこ「うっ…」
ひなた「みゃー姉…」
みやこ「ううっ…ひなた…あぁ…」
花「じゃあお姉さんと仲直りしたんだ」
ひなた「おう!毎日一緒にお風呂入って毎日一緒に寝てるぞ」
花「あ~む…はむ…お姉さんお疲れさまです…」
ひなた「うん、う~ん…うん…」
花「でも、お姉ちゃんがいるのはいいな。私一人っ子だし」
ひなた「えっ!あ…うう…みゃ…みゃー姉は、私のお姉ちゃんだけど」
花「はむ…うん」
ひなた「すっ…少しだけなら花に貸してあげてもいいぞ」
花「いらない」
みやこ「ノアちゃん来たよ~」
ノア「見て見て!パパに、サイッキョーにカワイイ水着買ってもらったのー!カワイイでしょー!」
花「あむ…モグ…」
ひなた「お~!」
ひなた「みゃー姉!一緒にお風呂入ろう!一緒に寝よう!明日も明後日も、ずーっと一緒に寝よう!」
みやこ「ひなた…ちょっちょっと…」
ひなた「次回『ちょっとお話よろしいですか?』みゃー姉!一緒に見よう!」

4話 ちょっとお話よろしいですか?

セミ「ミ~ンミンミンミ~ミ~ンミンミン…」
ひなた「夏休みだ~!…ん?花、水着それしかなかったのか?」
花「え?うん、興味ないし」
ノア「え~、カワイくな~い!」
花・ひなた「うん?」
ノア「やっぱり夏休みといえば、こ・う・い・う、水着だよね~…って、どうしてもう着替えたの?プールに行くんじゃないの?」
みやこ「(空気を入れる)」
ノア「…ん?」
みやこ「ふぅ~…あっ…あ~っ、ちょっと待ってね、今用意してるから」
ノア「ビニールプール…」
ひなた「あははは、私もやる!」
ノア「あっ…」
水「(溜まる)」
ノア「はぁ…プールに行くっていうから楽しみにしてたのに、新しい水着も買ってもらったのに~」
ひなた「みゃー姉がプールとか行けないからな、夏休みのプールは いつもこれだ」
ノア「何でもミャーさんに合わせればいいってものじゃないと思うなアタシ…ねえハナちゃん」
花「ズズズズ…」
みやこ「はい!今日は冷た~い白クマさんだよっ!」
花「うむ。はむっ…ん~」
みやこ「ふふふっ」
ノア「めちゃくちゃ満喫してる…ひゃあ!あっ…」
ひなた「ふっふふ~…」
ノア「やったな~!それっ!」
ひなた「ふっ!」
ノア「やっ!」
ひなた「あははは!え~いっ~!」
ノア「ひゃ~!」
ひなた「あはっー!」
ノア「そ~れ!あーはっ!ははっ!」
ひなた「わーっ!」
「それそれっ!あっ!」
ひなた「うぉりゃ~っ!」
ノア「あっはははは、いっくよ~!それ!あははは!」
ノア「まあ、いっか!(心の声)」

ひなた「ほれほれ~」
ノア「あん!」
ひなた「とりゃ~!」
ノア「もぉ~怒ったかんね~!」
ひなた「おっ、ん?」
みやこ「あんなに文句言ってたのに、もう忘れて楽しんでる」
花「はむ…ふんふん…」
ひなた「バケツは卑怯だぞ!」
ノア「てりゃー!…あっ」
みやこ「あ~もうびしゃびしゃ…」
花「あああああぁああああぁ…」
ひなた「すまん!みゃー姉、花…」
ノア「えっと、ホントにごめんね」
花「だ…大丈夫」
みやこ「私着替えてくるから」
ひなた「そうだ!ついでだし、みゃー姉も水着にしたらどうだ?」
みやこ「いや~…私水着持ってないし」
ひなた「それなら心配ないぞ」
みやこ「えっ?」
ひなた「私の水着がある!」
みやこ「いろんな意味でアウトだよ」
みやこ「…」
ノア「そういえばミャーさん」
みやこ「んっ…」
ノア「アタシの水着見て言うことないの?」
みやこ「うん、すごく似合っててカワイイね」
ノア「ふふ~ん…でもハナちゃんのほうがカワイイっていうんでしょ、アタシ知ってる」
みやこ「…」
ノア「あれ?ミャーさん今日はハナちゃんに食いつかないね、水着なのに」
花「はむ…うん~」
ひなた「へへへへ…」
みやこ「あ~うん…、スク水(みず)あんまり好きじゃなかったんだよね…」
ノア「そうなんだ、あっ!それじゃあ、今日はアタシが一番カワイイ?」
みやこ「花ちゃんが一番…って言うと、ノアちゃんまたすねそうだし…」
みやこ「そうだね、ノアちゃんが一番かも」
ノア「アタシが一番カワイイ?」
みやこ「カワイイカワイイ」
ノア「ホントに?」
みやこ「ほんとほんと」
ノア「つまりミャーさんは水着姿のアタシが好きってこと?」
みやこ「その言い方は語弊があるな…」
ノア「でも今日のアタシ、ハナちゃんよりカワイイんでしょ!」
みやこ「そ…そうだよ」
ノア「ハナちゃ~ん、ミャーさんハナちゃんよりアタシのほうがカワイイだって!」
みやこ「ちょっ!?…あっ!?…」
花「へぇ~」
みやこ「いや…あっ、あっ…」
ノア「えへへ~ん」
みやこ「ちょっとノアちゃんどういうつもり?」
ノア「ミャーさん、嘘ついたでしょ」
みやこ「えっ…」
ノア「アタシ、嘘でカワイイって言われるのキライ、だからお仕置き~」
みやこ「怒ってる…」
ノア「ヒナタちゃんあそぼー!」
ひなた「おう!」
みやこ「えっ…ああえぇっ…あっ…あっ…」
花「んん…」
みやこ「ええと…え、違うんだよ!えっ…その…えっ…スクール水着が、苦手で…ええ~それで、ノアちゃんがすねないようにっていうか…」
花「はぁ…別に気にしてないですよ。というか、お姉さんが誰を可愛いと思うかなんて興味ないです」
みやこ「あっ、…だよね」
ひなた「はははは!」
ノア「あっははははは、はははは!」
花「それに 私もノアのほうが可愛いと思いますし」
みやこ「あっ、わ…私は花ちゃんが一番可愛いと思うよ!」
花「お姉さん…誰が一番とか言うのやめてください。そういうのよくないと思います」
みやこ「すみません…」
花「(腹の音)」
花「ん…」
花「…ん~…お姉さん それ貸してください」
みやこ「それ?」
花「この水着が苦手なんですよね…、これならどうですか?」
みやこ「…えええっ!?しゃっ… 写真いい?」
花「プールですし、焼きそばとかき氷でいいですよ」
ひなたひなた「よっ…ほっ…おっ…とっ…ととととどわぁあ~!」
ノア「あっはははははは!ふふふん、あっちはどうなったかな?」
みやこ「いいねいいねぇ!もう少しうつむいてぇ!目線だけこっちにぃ!次はもっと、髪をかき上げてぇっ!いいよ~花ちゃん!」
ノア「う~わ…」
みやこ「やっぱり花ちゃんが一番だね!」
ノア「うあっ!」
みやこ「うぁふっふっふ…ははっおほ~」
ノア「や~~~~~~~~~~っ!」
ひなた「おおっ!?」
みやこ「えっ?えぇっ!?うわぁああああっ!」
風呂「(カポーン)」
ノア「はぁ~気持ちいい~…プールの後のお風呂ってサイコー!」
花「ひなた遅いね、何してるんだろう?」
ひなた「私は、これを作っていたのだ!」
ノア「ええっ!?」
花「それってまさか…」
ひなた「お風呂の中で…かき氷を食べる!」
ノア「えっえっ、そんなことしていいの?」
ひなた「みゃー姉に見つかったら怒られるかもな~、だから内緒だ!にししし…」
ノア「お~…」
ひなた「いっぺんやってみたかったんだ絶対うまいと思って」
ノア「なんてダイタンな発想!」
花「ひなた悪い子」
ひなた「ふっふふふふ~…」
ノア「ひひん!」
ひなた「へへっ」
花「ふふ~」
ひなた・花・ノア「あ~~ん、んっ!うわ~~~」
ひなた「何だぁこれぇ?」
ノア「火照ったカラダに冷たい氷が!」
花「はむ…うん…うん…ん…ん…コク…はぁわ~」
ノア「禁じられた遊びって感じ!」
みやこ「ひなた~あんまり騒ぐんじゃないよ」
ひなた・花・ノア「うわっ!…わぁっ~~!!!!」
みやこ「わっ!?…何事?」
ひなた・花・ノア「ああぁ~…」

セミ「ミーン」
ひなた「てりゃーっ!」
ノア「わあっ!ヒナタちゃんすご~い!」
ひなた「だろ~おお~似てる~!…」
みやこ「なんか盛り上がってるな、そういえば夏休みの宿題するって言ってたっけ?」
ひなた「うっ、うわ~っ!」
みやこ「ん?…どうしたの、ひなた」
ノア「あっ、ホンモノだ!」
みやこ「本物?」
ひなた「うぁ~…みゃー姉…うぅ…うぅ…うっ…」
みやこ「何それ…」
みやこ「夏休みの宿題の工作?」
ねんど「ねんねんねんど」
みやこ「…はぁ~…課題は『好きなもの』ね」
みやこ「一応聞くけど、その粘土の生首は何?」
ひなた「みゃー姉!落として机の角に当たって凹んだけど」
みやこ「わあああぁ…上手にできたねえ…でも学校の宿題で私使うのやめてほしいなぁ~…」
ノア「ミャーさんクラスで人気あるから、これウケると思うよ!ねっハナちゃん」
花「うん」
みやこ「えっ、人気?なんで?」
花「クラスの尊敬してる人ランキング1位だった」
みやこ「何で?」
花「ひなたがずっとお姉さん自慢してたら、いつの間にか…」
ひなた「さっすがみゃー姉!」
花「おいしいおやつを作ってくれる、お淑やかで優しい、美人のお姉さんってことになってる」
みやこ「誰…」
ひなた「全部合ってるな!」
みやこ「1ミリも合ってないよ!私こんなだよ!いつかその子たちに会った時に、ボロカスに言われるの想像しただけでもう泣きそう…」
クラスメイトA「何この暗い人」
クラスメイトB「これがひなたちゃんのお姉ちゃん?がっかり」
花「そんなこと言う子、クラスにいませんよ」
ひなた「なあみゃー姉、これ提出していいだろ?」
みやこ「ダメ!」
ひなた「え~っ、いいだろ!みゃー姉!」
みやこ「ダメったらダメ!」
ひなた「なんで~」
ノア「ハナちゃん、それ何作ってるの?」
花「ケーキ」
ノア「えっ、それ…ケーキなの?」
花「別に下手なの分かってるから…」
ノア「大丈夫ハナちゃん、アタシに任せて!こうやってーこうして…ほら!お持ち帰りに失敗したケーキ!」
花「ぐぅ…そういうノアは何作ったの?」
ノア「アタシは~…これ!」
花「うっ…可愛い…」
ノア「でっしょ~!ふふ~ん」
ひなた「ほら見ろみゃー姉、ノアなんて自分の生首作ってるぞ」
ノア「生首」
ひなた「これも同じだからいいでしょ!」
みやこ「全然違うから…とにかく実物大とか生々しすぎるからダメ」
みやこ「ノアちゃんみたいなやつなら別に私で作ってもいいけどね…」
ひなた「よしノア、生首の作り方教えて!」
ノア「いいケド、生首っていうのやめて」
ひなた「粘土の量これくらい?」
ノア「もうちょっと少なくてもいいかも、足りなくなったら足していけるから!」
ひなた「これくらい?」
花「ん~…私もそれの作り方教えて」
ノア「えっ!?ハナちゃんもミャーさんを!?」
ひなた「うぇっ!?ライバルか!?」
花「違うから…私はこれ」
ひなた・ノア「下にまた変な服着てるー…」
ノア「ハナちゃん、その変なキャラどうして好きなの?」
花「別に…カワイイから?」
ノア「…えっ?カワイイ…?」
ノア「じゃあその…ハナちゃんの中でそれとアタシ、同じジャンル?」
花「ん~…まあ、そういうことになる」
ノア「う~ん…」
花「ノア、ここ、どうしたら…」
ノア「待って、今心の中整理してるから…うぅ…」
ひげろー「^^」
ノア「…よし!カワイイ!それカワイイ!」
ひなた「ええっ、ノアもひげろーカワイイと思うのか?私はどこがカワイイのか全然分かんないや」
ノア「あ~~…」

花「…できた?」
ひなた「おおっ?できたのか?」
花「たぶん…」
ノア「見せて見せて!」
ひなた・ノア「こわっ!」
ノア「これもカワイイ?カワイイって何?アタシはカワイイの?ホントに…」
花「帰ってきてノア、私もカワイイと思ってないから」
ノア「カワ…えっ…カワイイ…カ…ワ…」
ひなた「う~ん…そういえば、顔だけだとみゃー姉嫌がってたな…ん~…あっ!」
ひなた「みゃー姉、できたぞ!」
みやこ「お~見せて見せて」
ひなた「体もつけといた!褒めて!」
みやこ「今すぐ外して」
ノア「それじゃあまたね~」
花「ばいばい」
ひなた「おう!またな~」
みやこ「2人とも帰ったの?宿題はできた?ちゃんと体外した?」
ひなた「うん!宿題もできた!外した!」
みやこ「大きいほうの私の顔はどうしたの?」
ひなた「粘土で汚れたから手洗ってくる!」
みやこ「あっ…ちょっとひなた…ん?…はっ!」
みやこ「ひなた!!!!!」

ヒグラシ「カナカナカナカナ…」
ひなた「みゃー姉祭りだ!行こうぜ!」
みやこ「何いきなり」
ひなた「祭りやってるから行こう!」
みやこ「お祭りって…そんなの私が行くわけないじゃない。人混み苦手なの知ってるでしょ~?」
ノア「ふふ~ん、浴衣を着たカワイイアタシを見てもそんなこと言えるの?」
みやこ「お~、カワイイねその浴衣」
ノア「でっしょ~!一緒に行きたくなるわよね~!」
みやこ「それじゃあいってらっしゃい」
ノア「あれっ!ミャーさんがそう来るのは想定済み…」
ひなた「よ~しよし、ノアはカワイイぞ」
ノア「むぅう~…でも!ミャーさんは絶対お祭りに行きたくなるよ!だってハナちゃんも浴衣を着てくるから!」
みやこ「えっ!?」
ノア「ハナちゃんとの待ち合わせは、お祭りしてる所!」
ひなた「よ~しよし、よしよ~し、カワイイぞ~、よ~しよし」
ノア「さあ、ミャーさんどうするの?」
みやこ「はぁっ!」
ひなた「よ~しよしよし、よ~しよしよしよし…よ~しよしよしよ~し…よ~しよしよ~し」
ノア「ひゅふふふ~ん…えひーん…へへへっ…えへへ~ん…」
みやこ「…何あれ」
ひなた「お~花!」
ノア「おっ!」
みやこ「あっ…ああっ…!」
花「お姉さんも来たんですね」
みやこ「えっ…あっ…うん…!」
ノア「ハナちゃんカワイイ!浴衣似あうね!アタシの次に!」
ひなた「なんか大人っぽくってかっこいい!」
花「ありがとう、2人も似合ってるね」
みやこ「めっちゃ天使…」
人々「ガヤガヤ」
こより「う~むむむ…はっ!にゃあぁ~んまたたわし!」
かのん「お掃除当番の時に役に立つね」
こより「すん…」
こより「あっ」
かのん「あれ可愛い!光るブレスレットだ」
こより「よ~し、任せなさい!」
かのん「よりちゃん、頑張って!」
こより「ふっふっふ、見てなさい…!はっ!はぁっ!だぁっ!くっ…簡単そうに見えたのに…」
かのん「あ~惜しかったね」
こより「もう1回!」
かのん「えっ」
こより「はっ!ほっ!ほい~!何でぇ~!?え~~!?」
かのん「よりちゃんもういいよ、次で30本目だよ」
こより「いまさら後に引けないわ…今度こそ…!えい!」
景品「コン」
こより「終わったわ…何もかも」
かのん「私もやってみようかな、よりちゃん見てたら私もやりたくなっちゃった」
かのん「えいっ…あっ…」
こより「あっ」
かのん「あれ…2つ?」
こより「あっ、ああ、あ~…」
こより「たわししか取れなかった…」
かのん「元気出して、私うれしかったよ。よりちゃんが私のために頑張ってくれて」
かのん「ほら、1つずつ分け合いっこしよう。よりちゃんは赤いほう」
こより「かの…いいの?…あっ…」
かのん「ほら、似合ってる!」
こより「ぁっ…ふふっ!」
かのん「行こう!」
こより「うん!」

みやこ「あ~…人が増えてきた…」
ひなた「まずりんご飴食べたい!りんご飴買いに行こう!」
みやこ「えっ…」
ノア「アタシ、綿菓子がいいな!」
花「私は全部」
みやこ「あっ~と…私その辺りの人少ないところで待ってるから、行ってきていいよ」
ノア「おっけー!」
ひなた「わかった!」
男性「…うぇ~い」
ひなた「りんご飴~♪」
祭りの人々「ガヤガヤ」
子供「わー」
みやこ「あ~人多い~…やっぱりお祭りは苦手だ…でも…!今はそんなこと気にしてられる状況じゃないよねっ!何としても花ちゃんのあの姿をカメラに収めねば!」
カメラ「(シャッター音)」
みやこ「にっひひ~普段から写真撮られることをあんまり快く思ってない花ちゃんが、外で撮らせてくれるとは思えない。だから私ができることは1つ!バレないようにこっそり撮る!」
カメラ「パシャパシャパシャパシャ」
みやこ「ふひっ…ふふっ…ふひひひ~」
女性「すいません。ちょっとお話よろしいですか?」
みやこ「ん?」
婦警さん「ふふっ…」
みやこ「えっ…」
男性「どうしたの?」
女性「誰か捕まったんだって」
ノア「はむ…お?」
おじさん「何?盗撮?」
婦警さん「撮りましたよね~子供。盗撮してたんですか?」
みやこ「ち…違っ…」
婦警さん「一緒に来ていただけますか。お話は署で聞きますので」
みやこ「ん…いや…ああ…」
ひなた「…みゃー姉…」
ノア「あぁ…」
花「うわ…」
女性A「盗撮の現行犯だって」
女性B「女の子隠し撮りしてたらしいよ~」
かのん「ああ…怖いね…」
こより「さっさと行きましょ」
みやこ「うぅっ…え~っ…えっ…あ゛~っありがとうみんな~っ!…ひっ…ほ…ほんとに助かったよ…うぅ…」
ひなた「ドンマイみゃー姉」
みやこ「お外怖い~…うぅ…」
花「あの」
ひなた「お?」
花「お姉さんいいですか?」
みやこ「…何?」
花「私たちのこと盗撮してたんですか?」
みやこ「はっ…おっ…お祭りの風景をね、撮ってたら…たまたまみんなが、写ってしまって…いや…ほんと偶然…」
花「ウソ下手ですか」
ノア「でもぉ、カワイイアタシの浴衣姿を撮りたくなっちゃうのは仕方ないと思う!盗撮はいけないことだけど、ミャーさんを許してあげよ!」
ひなた「花ばっか撮ってるなみゃー姉、いつもどおりだな!あっノア半分しか写ってない」
ノア「むむぅ~…ミャーさんのアホんだれー!子供好きー!」
花「うぅ!」
みやこ「おぉ…」
ひなた「うわあ!浴衣で走ると危ないぞ~!」
みやこ「あ~…やっちゃったかな…あっ」
みやこ「…私今花ちゃんと2人きりだ。何だかんだで、花ちゃんと2人きりになるの、久しぶり…」
花「(手を握る)」
みやこ「はっ!」
花「お姉さん、あの…私の写真撮ったんですよね」
みやこ「えっ…あっ…う、うん」
花「それってつまり…お姉さんは私に……お菓子を食べさせてくれるってことですか?」
みやこ「うん?」
チョコバナナ屋の女性「…」
みやこ「あ~…いいよたんとお食べ。買ってあげる」
花「ありがとうございます、実はお小遣い使ってしまったんです」
ひなた「よ~しよし…よしよ~し…よしよ~し…よ~し…」
ノア「ふーんふーんふーんふーん…」
こより「あれ?ひなたちゃん、ノアちゃん」
ひなた「おっ?」
ノア「お?」
ひなた「お~こより!かのん!」
かのん「二人も来てたんだ」
こより「気をつけなきゃダメよ!変な人が出没してるみたいだから~」
かのん「さっきね、女の子をカメラで隠し撮りしてる人がいたらしいの」
ノア「え?それって…」
ひなた「あ~それなら心配ないぞ、もう解決したからな」
かのん「解決?」
ひなた「みゃー姉と私が、警察といろいろちゃんとやったから、大丈夫だ!」
こより「えっ!?それひなたちゃんのお姉さんが盗撮犯を捕まえたってこと?」
かのん「警察と協力して?…すごい…!」
ひなた・ノア「えっ?」
ひなた「…ん~うんまあ大体そんな感じだ!」
ノア「…違うと思うけど!?」
ひなた「みゃー姉に会ってくか?どっか近くにいるはずだぞ」
かのん「う~ん…会いたいけど…」
こより「もう帰らないと。8時までに帰るってお母さんと約束しちゃったから」
ひなた「そっか!じゃあそのうちな」
こより「それじゃあ!」
かのん「また学校で」
ひなた「お~う!」
ノア「う~ん…」
みやこ「あっいたいた」
ノア「…ん?」
ひなた「お~!みゃー姉!」
ノア「ミャーさん、ハナちゃん、あのね、えーっと…」
みやこ「ああぁ…さっきはごめんねノアちゃん、おわびに今日はおごってあげるよ」
ノア「えっオゴリ!?」
ひなた「お~!マジか!」
ノア「アタシあのヒモ引っ張るやつやってみたーい!あとヤキソバも食べたい!」
ひなた「私、射的と金魚すくいと、型抜きとあとあと~えっ~とぉ…」
花「全部」
みやこ「えっ?…あぁ…あ…いいよ」
花「わぁ!」
ノア「やったぁ!」
花「うん」
ノア「あはは!」
ひなた「あっはは!」
ノア「ヒモのやつやってみたかったんだ~」
ひなた「ゴーゴー!」
ノア「楽しみ~」
ひなた「イェーイ!」
みやこ「いいんだ!みんなが笑顔ならそれで」
花・ひなた・ノア「(盛り上がっている)」

かのん「ひなたちゃんのお姉さんってホントにすごいね、悪者を捕まえちゃうなんて」
こより「会ってみたいわ」
かのん「私も!会ってみたい!すごいよね~」
こより「美人で」
かのん「うん」
こより「頭もよくて」
かのん「うんうん、それにすごく強いんだね~」
こより「ね~!」
かのん「格闘技とかやってるのかな…」

ひなた「花、またひげろー作ってんのか?」
花「水着ひげろーと浴衣ひげろー。カワイイ!」
ノア「カワイイ?カワイイって何?」
ひなた「次回『いいから私にまかせなさい!』ノア、戻ってこ~い」
ノア「カ…カワ…カワイイの?アタシはカワイイの…?」

5話 いいから私にまかせなさい!

アブラセミ「ジジジジジ…」
ミンミンゼミ「ミーンミン…」
山中先生「皆さん!レシピをよく見て、分量を間違えないようにしましょうね」
クラスのみんな「は~い」
ノア「クッキーだって~ヒナタちゃん作れる?」
ひなた「みゃー姉が作るの手伝ったことはあるけど、ひとりで作ったことはないな」
花「味見は任せて!」
ノア「働いて」
ひなた「んまあ何とかなるだろ、たぶん!」
こより「大丈夫よ!」
ひなた「お?」
ノア「ん?」
花「ん?」
こより「私に任せなさい!」
かのん「ノシ」

ひなた「お~!こよりとかのん、同じ班だな。よろしくな!」
かのん「よろしくね~」
こより「ふっ…私がこの班のリーダーになったからには、最高のクッキーを約束するわ!」ノア「いつの間にリーダーに…」
花「最高のクッキー…」
ノア「コヨリちゃん、お菓子作り得意なんだ」
こより「任せなさい!お菓子なんて作ったことないけど!」
花・ひなた・ノア「えっ」
かのん「よりちゃん、勢いでしゃべっちゃダメだよ~」
こより「かの?」
かのん「よりちゃんがごめんね、でも、私はクッキー作れるから、お菓子作りは少し自信あるんだ」
花「へえ~自信あるんだ」
こより「ほんとにできるのよ!」
ひなた「お~」
こより「ほんとにほんとよ!」
ひなた「お~!」
花「言っておくけど…私はお菓子にはうるさいから」
ノア「何そのめんどくさそうなキャラ…」
ひなた「かのんがいて助かったな~」
かのん「えへへっ、まかせて~」
花「手つきがなかなか…」
ノア「偉そう…」
ひなた「ほんとにお菓子作り得意なんだな」
かのん「ありがとう」
こより「ううっ…私だってできるわよ!ほら、砂糖入れるんでしょ!」
かのん「それ塩だねぇ」
花「お菓子作りの邪魔しないで」
こより「ひいぃいっ!…」
こより「なんでよ!かのばっかずるいずるい!私も頼って褒めてちやほやして~!」
花「えぇ…」
ひなた「はは…」
こより「~っえっ」
かのん「ほら、よりちゃん、服汚れちゃうから起きて、一緒にクッキー作ろう」
こより「や~だ!かのがいるとみんなかのしか頼らないし、それにかのはひとりでも作れるでしょ!」
かのん「そんなことないよ~、よりちゃんがいないと、私困るな~」
こより「んっ…ん…それじゃあ仕方ないからやってあげてもいいけど」
かのん「ありがとう」
こより「いい?私がみんなのやること言うから、そのとおりにやるのよ!」
こより「かのとひなたちゃんは、このまま生地を作って」
ひなた「分かった」
こより「花ちゃんとノアちゃんは…えっと…」
かのん「ふっ…ぽしょぽしょぽしょ…ぽしょしょしょしょしょしょ…」
こより「ふんふんふん…花ちゃんとノアちゃんは、オーブンシートと型抜きを用意して、生地ができたら好きな形を抜いて並べて!」
ノア「いつものことだけど…コヨリちゃんはそれで満足なの?」
こより「私は手が足りなそうなほうを手伝うから、分かんないとことか、私を頼るのよ!」
かのん「よりちゃん、頑張って~」
ひなた「お~、頼むな~こより」
こより「小依さんに、まっかせなさーい!」
ひなた「う~ん?かのん、混ぜるのこんな感じでいいか?」
かのん「ん…うん、完璧」
花「う~ん…夏音、オーブンシートって1枚でいいの?」
かのん「うん、いいよ」
ノア「カノンちゃ~ん、これは?」
ひなた「かのん、ここのとこだけど…」
花「夏音、こっちは…」
こより「…」
こより「…むう…」
かのん「ごめんね、よりちゃん」
こより「かのとはもう一緒にやんないから」
かのん「そんなぁ~」
こより「私、花ちゃんと別のクッキー作るから!」
花「えぇっ!?私?何で?」
こより「花ちゃん、私より下手そうだから。頼ってくれそう!」
花「う~ん…」
花「小麦粉にバター卵の黄身は入れたからあとは砂糖を…」
こより「砂糖取ってきた!あっ…ああぁ~…」
花「あぁっ…ああぁ…」
こより「ご…ごめん。あっでも砂糖いっぱいのほうが甘くておいしいかも!」
花「甘く…なるほど!」
オーブン「チーン」
こより・かのん「できた!」
ノア「はぁ~~~」
花「はゎ~」
5人「ああ…」
花「へえ~そっちのなかなかおいしそう」
ひなた「花たちの、見た目からひどいな」
花「食べてみていい?」
かのん「どうぞ~」
花「いただきま~す、はむ…んっ!おいしい!」
かのん「やった~」
花「…でも、まだまだお姉さんのクッキーには及ばない。だけど、将来に期待して、☆3,5」
かのん「え~」
ノア「丸こげのクッキー作っておいて、どうしてそんなに上から言えるの…?」
かのん「でも、ひなたちゃんのお姉さんって、そんなにお菓子作り上手なんだ」
ひなた「んっ、今日花たちうちに遊びに来るけど、かのんたちも来るか?みゃー姉に言えば、クッキーとか作ってくれるぞ」
かのん「いいの?それじゃあお邪魔しようかな~ふふっ」
花「ん…ん…(咀嚼)」
かのん「実はね、こないだよりちゃんと、ひなたちゃんのお姉さんに会ってみたいねって話してたんだ」
ひなた「なんだ!早く言ってくれればいいのに」
花「ん…ん…(咀嚼)」
かのん「みゃーお姉さんって、スポーツも勉強もできて、友達も多くて美人でモデルもやってて…あと、格闘技の達人で、警察と一緒に悪い人を捕まえちゃうぐらいかっこいい人なんだよね?」
ノア「いつの間にか、ミャーさんのウワサがすごいことになってる…」
こより「かの、私にもちょうだい」
かのん「私のお手伝い断ったよりちゃんにはあげな~い」
こより「んむぅ…」
かのん「でも、後片づけ、手伝ってくれたら食べてもいいよ」
こより「んむ~っう…っじゃあ!こっちのクッキーと交換でどう?」
かのん「どうって言われても…」
こより「あ~むぅ…ん…うま~」
ひなた「花たちが作ったこれ、どうするんだ?」
ノア「捨てちゃうのはもったいないね~…ハナちゃんクッキー好きでしょ、食べないの?」花「ノアにはこれがクッキーに見えるの」
ノア「ゴミにしか見えない」
花「ゴミは食べないよ」
ノア「あ、そうだ!これハナちゃんの手作りだし、ミャーさんにあげたら喜ぶんじゃない?」
ひなた「おぉ~っ、そうだな!それじゃあ、みゃー姉のおみやげにするか!」
ノア「そうだね!」
かのん「それでいいの?」
花「お姉さん 大変だな~」
こより「んっしょ…っしょ…」
かのん「よりちゃん、何してるの?」
こより「じゃん!こうやってラッピングすればいい感じになるわよ!」
花「…変わらずゴミだよ」

学校「チャイム」
生徒「ばいば~い」

こより「ふゅふ~ん、噂のお姉さんがどんな人か楽しみね」
かのん「すごい人らしいもんね~」
ノア「う~ん…」
こより「聞きたいことがたくさんあるわね!」
かのん「うんうん!ふふっ…」
こより「へへっふふふ…」
ノア「ヒナタちゃん、家に連れて行って大丈夫なの?」
ひなた「何がだ?」
ノア「何がって…ミャーさん、カノンちゃんたちの中でスポーツも勉強もできて、友達も多くて、モデルもやってることになってるけど…」
ひなた「そうだな!」
ノア「うぅ…ゲンジツを見てー!」
みやこ「ああっ!待ってたよ花ちゃん!今日のコス、自信作なんだ!」
ノア「ミャーさん!タイヘンだよ!」
ノア「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
みやこ「あれ?ノアちゃんだけ?ひなたと花ちゃんは?」
ノア「あぇ~…」
みやこ「ああ…ノアちゃんの分も用意したからね」
ノア「はぁ…はぁ…はぁ…」
ノア「一人で先に帰ってきてよかった」
ノア「はぁ…はぁ…」
みやこ「えっ?」
ノア「はぁ…はぁ…はぁ…」
みやこ「ちょっと、何?」
ノア「うぇ~…へぇ…」
みやこ「その目やめて」
みやこ「ええぇ~!?私そんなイメージになってるの?」
ノア「うん、それにもうすぐここに来るって…」
みやこ「…あぁっ…ああっ…!ついにこの時が…」
クラスメイトA「え~こんなのがお姉ちゃん?」
クラスメイトB「うわぁ…想像してたのと全然違う」
ノア「そんな子クラスにいないってば…」
ノア「でも大丈夫!アタシに任せてミャーさん!」
みやこ「ノアちゃん…!」
ノア「ダメなミャーさんを、カンペキなお姉さんにしてあげる!」
みやこ「ダメな…」
ひなた「みゃー姉ただいまー!」
花・ひなた「うっ…」
みやこ「…」
花・ひなた「誰!?」
ひなた「あぁ…ああ、あ…」
花「あ~…あぁ…
みやこ「本当にこれで大丈夫なのかな?」
ノア「なんかすごそうなコスプレして、ニコニコしてたら大丈夫!」
みやこ「ってノアちゃんが言ってたから、何かそれっぽいコスしたけど…」
ひなた「どうしたんだ?パーティーか?」
みやこ「これ、死ぬほど恥ずかしい…やるんじゃなかった…」
花「あ~…」
こより「こんにちは!」
かのん「はじめまして」
ノア「これが噂の、ミャーさんだよ!」
かのん「わぁ!うわさ通りすっごい美人さん!はじめまして、小之森夏音です。いつもひなたちゃんがお姉さんのお話してて、一度会ってみたくて。だから、今日は会えてうれしいです。」
かのん「あっ、これ今日の授業で作ったクッキーです。よかったらどうぞ!」
みやこ「ううっ…」
かのん「お姉さんお菓子作りも上手なんですよね。よかったら今度いろいろ教えてください」
みやこ「この子…すごいまともな子だ」
こより「ねえねえ、お姉さんはすごい人なんでしょ!」
みやこ「うっ…ええ?」
こより「いっぱい人に頼られて、褒められてるんでしょ?」
みやこ「うぇええ…?」
こより「どうしたらそんなふうになれる?私、お姉さんみたいに、みんなに頼られる人になりたいの!」
みやこ「そんな目で見ないで…」
こより「むふー」
みやこ「心が…心が痛い…」
かのん「服も普通と違っててすごいね!モデルさんだからかな?」
こより「かっこいいわね!」
かのん「ね~」
こより「ふふふふっすごいわね!」
かのん「ね~ふふっ…」
みやこ「まあコスプレしたから普通ではない…っていうか、ウソつくのもう限界なんだけど…ノアちゃん、私はここからどうしたらいいの?」
ノア「あっ、ハナちゃん、今日の服これだって!アタシも着るからあっちで一緒に着替えよう!」

花「うん」
ひなた「トイレ行ってくる」
みやこ「ああ…」
ノア「今日のは自信あるって言ってたから楽しみ~!」
みやこ「私への興味なくしてる…」
ノア「じゃあミャーさん、着替えてくるね~」
みやこ「あっ…」
こより・かのん「…」
みやこ「ううぅ…あっ…うぅうう…あぁ…あっ!っうぅ…!…」
こより・かのん「ん?」
みやこ「ごめんなさい!」
こより・かのん「…えっ!?」
かのん「えっ、嘘?」
みやこ「は…はい…。本当は運動も苦手だし、モデルなんてやったことないし、むしろ人見知りで友だちなんてほとんどいないし…ひっ…それなのになんか知らないうちに私がすごい人ってことになってるし…ひぃっ…みんなのイメージ壊しちゃいけないと思って…ううぁ~あぁ~…(泣き声)」
かのん「お姉さん…苦手なことなのに私たちのために頑張ってくれたんですね。ありがとうございます」
みやこ「うぇ~え~…ん!?…あ…あの…夏音ちゃん…?」
かのん「確かに、お姉さんはうわさみたいにすごい人じゃないかもしれないけど…でもうわさより優しくていいお姉さんだと、私は思いますよ」
みやこ「なんか、久しぶりに人に優しくされた気がする…」
みやこ「小依ちゃんもごめんね。人から頼られるようなすごい人じゃなくて」
こより「別にいいわよ、友だちがいないなら私たちがなってあげるわ!」
みやこ「ありがとう!小依ちゃん」
こより「私もギュッとしてあげようか?」
みやこ「あぁ…いやぁ、もう大丈夫だから」
こより「遠慮しなくていいわよ!いつでも私を頼っていいからね!」
みやこ「あっ…それじゃあ!別のお願いしてもいいかな?」
こより「ああっ…!いいわよ!」
みやこ「いいよいいよぉ~っ!ほら花ちゃん顔隠さないでぇ!小依ちゃんとノアちゃんみたいにぃ!」
こより「ふふ~」
ノア「へへ~ん」
みやこ「っぁ笑って笑ってぇ~!」
みやこ「…最高!!」
かのん「ああ…」
ひなた「お~こよりもノリノリだな」
みやこ「次はひなたと夏音ちゃんお願い!」
ひなた「分かった!」
かのん「ええっ…」
かのん「んん~…んん…」
生徒「ガヤガヤ」
クラスメイト「ねえ、このプリント学級委員に渡せばいいの?」
こより「うん、そう」
クラスメイト「じゃあ…はい!」
かのん「ん~」
こより「うぇっ!…」
クラスメイト「よろしくね」
花「ねえ、このプリントなんだけど…」
こより「はい!私が集めてるわ!」
花「えっ…」
かのん「ちゅちゅ~…(牛乳)」
花「はい、夏音よろしく」
こより「ええっ!うわぁあ~!!!」
かのん「ええっ…」
花「あっ…」
こより「なんでみんなかのにばっかり頼るのよ!私だって学級委員なのに~!ん~~ん~ん~…」
かのん「仕方ないよ。だってよりちゃん前に、みんなから集めた大事なプリントなくして書き直しになったから…」
こより「あ~…みんなから頼りにされて尊敬されたい…ふぅ…」
かのん「私はよりちゃんのこと頼りにしてるし、尊敬してるよ。はい!白いとこ取れたよ」
こより「まあ…うん…かのは私がいないとダメだからね」
クラスメイトA・B・C「逆じゃないの?」
こより「そうだ!みんなに頼りにされているかのが、私を頼りにすればいいのよ!」
かのん「いつもしてるよ~」
こより「もっと分かりやすく、みんなの前で!」
かのん「それって、私は何すればいいの?」
こより「えっと…う~ん…かの、何でもできるからお世話することなくてつまんなそう…う~ん…」
ノア「人に頼らないといけない状況にしたら?」
こより「頼らないといけない状況って、どんな?」
ノア「う~ん…こないだ見たドラマで主人公の女の子が両手を怪我した友だちをお世話してあげてたけど…」
こより「それじゃあ…う~ん…こうね!誘拐した子供のお世話する感じにすれば…」
ノア「なにそのアブナイシチュエーション!」
クラスメイト「かのんちゃ~ん」
かのん「ん?」
クラスメイト「えっ!?どっ…どうしたの?
かのん「ふふっ、あっプリント?」
クラスメイト「えっ?あぁ~うん、そうだけど…」
かのん「もらうね~」
クラスメイト「えっ…う…うん」
かのん「ふふっ…」
クラスメイト「えぇ…」
かのん「ん~…うぅ…よりちゃん…」
こより「おっ」
かのん「このプリント、机の中のプリントに交ぜて。名前の順で」
こより「もう、しかたないわね~」
ノア「なんか自然とコヨリちゃんを頼ったね!」
こより「あっホントだ!そっか、人から頼られるにはこうすればよかったんだ」
ノア「このやり方で満足しないで」
チャイム「(チャイム)」
ノア「あっ、お昼休み終わっちゃった。それ、早く外さないとね」
こより「そうね…」
こより「いや待って、かのがこのままなら学級委員の仕事ができるのは私だけ…つまり…みんなが私を頼りに集まってくる!」
こより「かのはこのままでよくない?」
ノア「なんで!?」
かのん「いいよぉ~」
ノア「いいの!?」
ノア「いやダメでしょ!先生に怒られちゃうよ!ほどくからね~」
こより「ぇ…ちゃんとお世話するから!」
ノア「ペットじゃないんだから…」
ノア「んっ、あれっほどけない…コヨリちゃんこんなに強く結んだの?」
こより「えっ、そんなに強くしてないわよ!も~しかたないわね~私に任せなさ…ほんとだ…全然ほどけない…」
かのん「あ~大変だ~」
ノア「えっ、なんでヒトゴト?」
ノア「あ、そっか~実は自分でほどけるんでしょ~」
かのん「ううん、全然取れそうにないよ~」
ノア「なんで笑ってるの…?」
かのん「よりちゃんのこと信じてるから…かな?私がほんとに困ったり落ち込んだりしてる時は、よりちゃんが助けてくれるって、私知ってるから」
こより「うぅ…」
ノア「へぇ~」
かのん「それにこういうこと、よりちゃんと一緒にいるとよくあるし、慣れると楽しいよ」
ノア「カノンちゃん、うつわでっかい!」
こより「んんっ…んん~…んっ…」
かのん「幼稚園のころ、私が大好きだったキャラクターの風船が木に引っ掛かっちゃったことがあったね」
こより「うっ…ん…」
かのん「よりちゃん危ないよ~」
こより「いいから!私に任せなさい!んん~っ…んっ!ははぁ!…あぁっ!」
こより「うわあっ!」
かのん「よりちゃん!よりちゃん!」
こより「…」
かのん「あっ…」
こより「はい!かの!」
かのん「うっ…うぇええ~…」
こより「ん?」
かのん「うぇぇえ~んえ~ん…」
かのん「あの時は、よりちゃん死んじゃったかと思ったよ」
こより「結果オーライよ。風船も無事だったんだから」
かのん「ふふっ…うん」
こより「んん~…」
ノア「そろそろ先生きちゃうし、ハサミで切っちゃえば?」
こより「ダメ!それだとかのがケガしちゃうかもしれないじゃない」
かのん「あっ…」
こより「大丈夫だからね、かの!私が何とかしてあげるから、安心しなさい!
かのん「うん!信じてるよ」
ノア「なんかいいフンイキだけど、コヨリちゃんが原因ってわかってるよね?」
こより「手は後でどうにかしてあげるから、とりあえず次の授業は私の隣に来なさい!教科書とかノートとかやってあげる」
かのん「ありがとう!よりちゃん」
ノア「う~ん…」
ノア「ヒナタちゃ~ん」
ひなた「どうした、ノア?」
ノア「ちょっと縛っていい?」
ひなた「どうしたんだ!?ノア?」
山中先生「ああ…」
かのん「^^」
ひなた「^^」
山中先生「…流行ってるの?」
花「まだほどけないの?」
かのん「いろいろやってみたんだけどね」
ひなた「私のはちゃんとほどけたぞ!」
こより「心配ないわ!今日はうちもかのんちも、みんな夜まで帰ってこないけど、私がかのを世話してあげる!」
ノア「ますます心配なんじゃ…」
こより「かの、入って入って」
かのん「お邪魔しま~す」
こより「さあ!再開よ!」
かのん「おねが~い」
マジックハンド「カチカチ」
こより「暗くなってきちゃったわね…」
かのん「なかなかほどけないね~」
こより「はい!あ~ん」
かのん「あ~ん」
こより「こうすれば滑りがよくなるかも…」
かのん「あっ!ちょっと緩んできた」
こより「よ~し、一気に!」
かのん「ううっ…」
こより・かのん「せ~のっ!」
かのん「…あぁっ!」
こより「…きゃぁ!あぁっ!」
かのん「よりちゃん!」
風呂「(ダパーン)」
こより・かのん「…ぷはぁっ!…あぁ…」
かのん「くっ…ぷっ…えへへへ…」
こより「あははは…あはははは…」

みやこ「あ~…もう金曜日か…そろそろ大学の課題、提出しに行かないとな…」

こより「かの!明日も腕縛りましょ!今度は緩く縛るわ」
かのん「いいよ~次回『みゃー姉に友だちはいないぞ』」
こより「友達がいないなら、私たちがなってあげましょ!」
かのん「うん!そうだね、よりちゃん!」

6話 みゃー姉に友だちはいないぞ

花・ひなた・ノア「カチカチカチカチ…」
みやこ「お…あれ?何でこんな時間にみんないるの?学校は?」
ひなた「えっ?」
ノア「ん?」
「ん」
ひなた「今日は創立記念日でお休みだぞ」
みやこ「あぁ~そういえばそんなこと言ってたね」
ひなた「んっ…それより起きたんならみゃー姉も一緒に遊ぼ!」
みやこ「んうぅ~ん…お昼に大学行くから、それまでならいいよ」
ひなた「えぇっ?」
花「んんっ!?」
ノア「ん?」
花「大学に何しに行くんですか?」
みやこ「えっ?あ、いや…課題出しに行かないと単位やばいし…」
花「お姉さん、ニートじゃなかったんですか…?」
みやこ「大学生だよ!」
ノア「はぁ…ミャーさん、嘘はよくないと思う…」
みやこ「この春から大学生だから!信じて!」
ひなた「みゃー姉本当に大学生だったのか?行ってるとこ見たことないぞ!」
みやこ「ひなたが学校行ってる間にちゃんと行ってるから~!」
みやこ「…じゃあ、いってきます」
ひなた「みゃー姉、どこ行くんだ?」
みやこ「いや、大学だけど…」
花・ひなた・ノア「ん~…」
ひなた「あれウソじゃなかったのか!?」
花・ノア「はぁ!?」
みやこ「みんな本気でウソだと思ってたの?」
みやこ「あっ、もう行かなくちゃ」
ひなた「大学ついていっていい?」
ノア「いいね、それ!」
花「うんうん」
みやこ「やめてぇ~!」

ノア「本当だったんだね~大学生だって…」
ひなた「いっつも家にいるからウソなのかと思ってたぞ」
花「大学でも相変わらず人見知りっぽいけど…」
花「ん?…うぅっ!」
ひなた・ノア「ん?」
忍者「v」
ひなた「おぉ~~~!」
ノア「はわぁ~~~」
ひなた「にっ、忍者だ!なあ見たか?忍者だぞ忍者!忍者~」
花「あっひなた!」
ノア「ああっ!…へっ」
花「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…は…」
ノア「はっはっはっ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
ひなた「ワーッハハ~!ニンニンニンニーン!」
花・ノア「ん?」
ひなた「食らえ~クセ者~!シュシュ!シュシュシュシュシュシュ…おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ~!」
花「いつの間に…はぁ…」
ノア「はぁ~わわわ…どうするハナちゃん?」
花「うん?」
ノア「うぅっ…」
花「とりあえず、行こうか」
ノア「うっ…うんうん!コホン、んもう、しょうがないなぁヒナタちゃんは!」
忍者軍団「ノシ」
ひなた「じゃあな~」
花「ひなた」
ひなた「んぉ?」
花「勝手に1人で行かないで」
ひなた「すまん花」
ノア「あ~あ、行っちゃった…」
ひなた「ん?」
花「はぁ…これからどうするの?」
ひなた「みゃー姉を探すぞ!」
ノア「え?でも…う~ん…」
花「どうやって?」
松本「ねえあなたたち?」
花「うぅ!」
ノア「うぁ!違うの!別にアタシたち、怪しい者じゃ…!」
松本「誰かに会いに来たの?」
ひなた「みゃー姉を捜してるんだ!」
松本「そう、お姉さんを。この時間だときっと授業中だから、終わるまで私が大学の中を案内してあげましょうか」
ノア「わぁ~!」
花「いいんですか?」
松本「ええ」
ひなた「やったぞ!」
松本「うふっ」
(大学)
松本「これで大体回ったかな」
ひなた「面白かった~!」
ノア「大学ってたのしそうね!」
花「うん」
大学「(チャイム)」
松本「あっ…ごめんなさい、私行かないと。ここにいればお姉さん来ると思うから」
ノア「えっ…あ、はい…」
花「ありがとうございました」
ひなた「ありがとな~」
みやこ「あれっ?」
ひなた「ん?」
みやこ「どうしてここに?」
ひなた「みゃー姉!」
みやこ「何で…どうしてここが分かったの?」
花「親切なお姉さんが連れてきてくれたんです」
みやこ「誰?」
ノア「知らない、でもキレイな人だったよね!」
花「うん」
みやこ「きれいな人?」
教授「あら!可愛いお迎えさんねぇ」
みやこ「ん?あっ…」
ひなた「誰だ?」
みやこ「先生っ…」
ノア「こんにちは!」
先生「こんにちは。星野さん」
みやこ「えっ…」
先生「課題、とってもよかったわ」
みやこ「あっ…えっ…ああ…どっ…どうも…ふふ…」
花「…」
みやこ「はぁ~…大学行くと疲れるな~…早く帰りたい」
花「お姉さん」
みやこ「んん?」
花「今日も何か着るんですよね?」
みやこ「ああ、うん…んっ?」
カフェ「(カフェ)」
みやこ「ああ~」
ひなた「あっ、ここ有名なんだよな」
ノア「前にママときたよ!チョーおいしかった!」
花「お姉さん!私、ここのチーズケーキが食べたいです!」
花「んん~!」
みやこ「花ちゃんごめんね」
花「あ…」
みやこ「私しゃべらずに済ませられる店じゃないと無理」
花「ああ…そうですか。やっぱり無理はよくないですよね」
みやこ「えっ」
花「いいんです、今日はチーズケーキ作ってください」
みやこ「あ、あ…うう…や…やっぱり行ってもいいよ…」
花「いいんですか!でも震えてますよ。そんなに無理しなくても…」
みやこ「だっ…だだだっ…だっ大丈夫っ…たぶんっ…花ちゃんが応援してくれたらきっと大丈夫…」
花「応援…分かりました」
花「スゥ…おっ…お姉さん!頑張れ!」
みやこ「おぉ~おおおおおぉおぉおぉお~お~!」
ひなた「みゃー姉!」
みやこ「お?」
ひなた「この店、お持ち帰りできるんだって」
みやこ「うっそー!じゃあ私外で待ってるから買ってきて!はいっお金!…ああぁ~っ!」
花「…」

ノア「んふぅ~んん~」
ひなた「(食事)」
花「ん~ん~はむ…ん~ん~ん~」
みやこ「花ちゃん可愛いな~」
みやこ「久々の外…気持ちいいな~…なんかこういうのもいいかも」
みやこ「…んんっ…すぅ…」
ノア「おいしいね!さすが人気のお店!」
ひなた「みゃー姉のチーズケーキのほうがおいしいぞ!」
ノア「そうなんだ!今度作ってくれないかなぁ~」
花「んん~んん~んん~」
ノア「ミャーさんのチーズケーキ、食べてみた~い」
ひなた「作ってくれるぞ。なっ、みゃー姉」
ひなた・ノア「あっ!」
ひなた「みゃー姉!危ない!」
みやこ「あつ!」
松本「ひゃ!…ん~…」
みやこ「おっおぉおおおお~…」
松本「いった~ぁ…」
みやこ「えぇ…何?」
ひなた「ふぇ…気をつけろみゃー姉!そいつ後ろからみゃー姉のこと襲おうとしてたぞ!」
松本「えぇっ!?違う…」
ひなた・ノア「あっ!」
ノア「さっきのお姉さん!?」
松本「あぁっ…あら、奇遇ね~」
花「何でお姉さんの後ろに?」
松本「うぇっ…」
ひなた「そうだ、何でだ?」
松本「それは…私は星野さんの…友だちだから!」
ひなた「…みゃー姉に友だちはいないぞ」
みやこ「何てこと言うの!」
ノア「怪しいなあ~もしかしてアタシたちのコトつけてきたの?」
ひなた「クセ者!」
松本「えっ…えちょ…ちょっと…なに?」
ノア「わかった!これ友だち詐欺だよ!」
ひなた「サギ!?」
松本「詐欺じゃないから!もう~…なんなのこの子たち…ちゃんと言ってあげてよ星野さん」
ひなた・ノア「むぅ~~~~」
みやこ「誰…ですか?」
松本「えっ!?え、ちょっと冗談はやめてよ星野さん。高校の時同じ部活だった松本よ、松本香子」
みやこ「松本…ああっ、松本さん…」
松本「もう~やっと思い出したの?ちょっと会わなかっただけで友達の顔忘れるなんて…ひどいなあ」
みやこ「えっ?…友達?」
松本「えっ?」
みやこ「えっ?」
松本「ええっ?」
花「結局ふたりは友だちなんですか?」
松本「友だちよね?」
みやこ「ち…違うと思うけど…」
松本「ええっ!?あ…あ…あっ…!そうね、私たちは友だちなんかじゃなかったわね。ライバルだものね!」
みやこ「ひぃっ!」
松本「そう…あれは高校2年の秋。私が服作りにハマって、被服部の部活を見学しに行った時…」
みやこ「なんか始まった…」
松本「他の部員が和気藹藹と部活動をしている中、ひとりだけ真剣に服づくりに打ち込む星野さんがいたわ」
ノア「ただ単にぼっちなだけなんじゃあ…」
松本「そのクールな姿…そしてその手から生み出される美しい衣装…」
ノア「誰!?」
松本「私は憧れたわ…でも同時に嫉妬もした。同い年なのに私とこの差は何って…」
松本「だから私はあなたをライバルにしたの!髪も当時の星野さんみたいに伸ばしてるの!」
みやこ「ひえぇっ…」
松本「そしてそれからは毎日星野さんを観察してたわ。どうしたらあんなふうになれるのかって」
花「それでいつお姉さんと友だちになったんですか?」
みやこ「私、松本さんとしゃべった記憶ない…」
松本「ん?1年以上も毎日ずっと一緒にいたら、さすがにもう友だちでしょ?」
みやこ「私には一緒にいた記憶ないんですけど…」
花「あっ…なるほど。お姉さんのストーカーですね」
ひなた「ストーカー!?」
松本「だっ、誰がストーカーよ失礼な子ね!」
花「さっき大学で会ったのも、ここで会ったのも偶然ですか?」
松本「あったり前でしょ!日課の星野さんちの周りの散歩をしていたら、偶然!星野さんを見かけただけよ」
花「それは偶然と言いません」
みやこ「ええええええええええぇ…」
ひなた「やっぱりクセ者か…みゃー姉に近づくな!」
ノア「近づくな!」
松本「えっちがぅ…私は…」
花「通報しますね」
みやこ「ああああああぁあ…」
松本「あぇっ!?えっ…ぐ…今日のところはこれくらいで勘弁してあげる!でも星野さんの親友の私にこんなことして、星野さんが黙ってないからね~っ!」
みやこ「どうしよう…あの人が何言ってるのか全然分からない…」
ひなた「ふんっ!」
ノア「大丈夫?ミャーさん…」
みやこ「あっ、うん…ありがとう」
みやこ「まさか松本さんが私に憧れてたなんて…正直悪い気はしないけど…でも何て言うか、ストーキングとかされてたと思うとちょっと気持ち悪い」
花「お姉さん」
みやこ「おっ」
花「気持ちは分かります」
みやこ「ほほんとう?」
花「はい。私がお姉さんに初めて会ったころ、そんな気持ちでした」
みやこ「ええっ…えっ…えっ…」
松本「ふふっ…みんな私がもう帰ったと思ってる。まだまだ甘いわね」

みやこ「う~ん…なんか違う…」
ひなた「みゃー姉、このバット何?」
みやこ「『武装メイド』ってアニメの服だから、武器もセットの衣装なの…でもなんかイマイチメイドっぽくない気がする…」
ひなた「武器持ってるからだと思う」
みやこ「あぁいや…まぁそれはそういうものだから」
ひなた「もう脱いでいい?」
みやこ「あぁ…うん、ありがとう」
みやこ「やっぱり生地かな~でも今お金ないし、花ちゃんたち来るのってお昼だっけ?」
ひなた「そうだぞ…ぷはぁっ!ふひ~」
みやこ「ひなた邪魔」
ひなた「あ~…ここ落ち着く~」
みやこ「変なとこで落ち着かないで…服伸びる」
ひなた「むう~…んんっ…にぃにぃ…んん…だあっ早く花とノア来ないかな」
ドア「ガチャ」
みやこ「ん?」
松本「^^」
みやこ「ふぃい!?」
みやこ「なんでうちにいるの…?不法侵入…?警察に…ひ…とりあえず刺激しないようにしないと…」
ひなた「松本ぉ~!」
みやこ「待って!」
ひなた「なんでここにいるんだ!」
松本「ふっふふふ…星野さんのお母様に友達だって言ったら入れてくれたわ」
ひなた「ふぇえっ…あれっ?あの服…」
松本「そうよ、『武装メイド』の衣装。星野さんが今作ってる衣装よ~」
みやこ「どうして知ってるの!?」
松本「私の作ったこの衣装、星野さんの作ったのと比べてどうかしら?」
みやこ「すごくいい生地使ってる…正直私の作ったやつより出来いいかも…」
ひなた「みゃー姉のほうがすごいに決まってるだろ!」
みやこ「えぇっ?」
松本「当たり前でしょ!」
みやこ「えぇっ!?」
みやこ「あ、あぁぁ…ん~///」
ひなた「みゃー姉は服だけじゃなくて、お菓子も作れるんだぞ!」
松本「知ってるわ!それに可愛いし、スタイルだっていいわよね!」
ひなた「そうだ!それに優しいんだぞ!」
松本「そうよ!私の憧れの人だもの!」
ひなた「なかなか分かってるな、松本」
松本「妹さんこそ…さすがね。ふっ…また今度、星野さんについて語り合いましょ」
ひなた「おう!私はいつでもいいぞ」
みやこ「勘弁して!」
松本「それでどう?この服」
みやこ「うぅ…うん、すごくよくできてると思う」
松本「ほっ…本当に?」
みやこ「うぅぅ…うん」
松本「じゃあこれをぜひ星野さんに着てもらいたいの!」
みやこ「えっ?いっいやぁ…それは無理!」
松本「どうして?」
みやこ「だってぇ、恥ずかしいし?」
松本「やっぱり私の作った衣装なんて恥ずかしくて着れないわよね…」
みやこ「うぅそういう意味じゃないよ!」
ひなた「いつもひとりで着てるからいいだろ」
みやこ「ええっ!?知ってたの!?」
ひなた「なあみゃー姉」
みやこ「うぅ~…でも…」
松本「いいのよ…やっぱり星野さんに着てもらおうなんて大それた願いだったのよ…」
みやこ「いや…」
ひなた「なあ、いいだろ?みゃー姉」
みやこ「ああ~あぁ~…ちょっとだけなら…?」
ひなた・松本「やったー!イエーイ」
ひなた「すごく似合ってるぞみゃー姉!」
松本「はぁ~ぁ~」
みやこ「何これ…採寸もしてないのにサイズぴったり…あの時の花ちゃんの気持ちが今、よく分かった…」
松本「ううっ…」
みやこ・ひなた「ん?」
松本「うっ…」
みやこ「松本さん?」
松本「ひぅ…」
ひなた「どうした松本!?」
松本「うぅっ私、ひっ…うれしくて…っ…星野さんに認められたくて、ずっと頑張ってきたから…」
みやこ「泣くほど…そうだよね。二年くらいでここまでできるなんて、すごい頑張らないと無理だもんね」
ひなた「よかったな、松本」
松本「今っ、こうして星野さんが私の作った衣装を身に纏い、そして私の作ったものを食べ、血肉となっているなんて…」
みやこ「…血肉?」
松本「覚えてないの?あの夏の日…」
女性「ありがとやした~」
みやこ「あっ…どうも…ぁ、はい花ちゃん」
花「ありがとうございます」
みやこ「うぅ~わ…」
松本「星野さんに今までの努力が認められたようで…」
みやこ「その部分は認めてない」
松本「それでえっと…私たちってほら、もう、二年近くのつきあいになるでしょ?」
みやこ「その二年私は知らないけど…」
松本「星野さんが私のこと認めてくれたし、ちょうどいい機会だと思うの。そろそろ名前で呼び合うってどうかな?私のことは、香子って…」
みやこ「そろそろも何も…」
松本「だっ…だめかな?みやこさん!」
みやこ「あっ…まあ…別に悪い人じゃないだろうし、名前くらいいっか。えっと、こっ…香子ちゃん…」
松本「きゃぁっはー!…にゃっ!?」
みやこ「うわぁ!」
ひなた「松本~!」
ノア「ミャーさんの友達が来てるって、どんな人だろう?」
花「お姉さん、私たち以外に友だちいないんじゃなかった?」
ノア「あっ!あの人じゃない?この前のサギの人!」
花「ああ~、確か松本さん?でも違うんじゃない?あの人だったらひなたが黙ってないだろうし」
ノア「そっか~…」
花・ノア「殺っちゃってる~!!」
ノア「大丈夫だよ!私はヒナタちゃんのミカタだから!」
ひなた「ん?おう…ありがとう」
松本「うっ…うう…」
花「あ、生きてた」
ひなた「ん?」
ノア「ん?はぁ…」
みやこ「大丈夫?」
松本「えっ…ええ、全然大丈夫よ」
ノア「あっ、ミャーさん」
みやこ「おぉ…?」
ノア「おばさんが下で呼んでるよ」
みやこ「お母さんが?」
みやこ「何だろう、なんか怒られるようなことやったかな…」
エミリー「ばあ~っ!」
みやこ「ひいぃっ!…」
エミリー「…」
みやこ「はっ…」
生首「…」
みやこ「ひえっ!」
千鶴「何やってるのみやこ」
みやこ「あぁっ…知らない人増えた!」
千鶴「花ちゃんとノアちゃんのお母さんだよ。あいさつしな」
みやこ「ぅえっ!?」
春香「花の母、白咲春香です。娘がいつもお世話になっているようで」
エミリー「ノアちゃんのママ、エミリーさんですよ~」
みやこ「あっ…ども…」
みやこ「何しに来たんだろう…も…もしかして…」
春香「お菓子で釣ってうちの子にいかがわしい服着せてるんですって?」
エミリー「許せませ~ん!」
みやこ「はぁははあっ…」
春香「一度、お礼に伺いたいなって思っていたんです」
エミリー「はい!ノアちゃんといつも遊んでくれて、ありがとでぇす」
みやこ「あっ…」
春香「いつもどんなことをして遊んでいるんですか?」
みやこ「どんなこと…言えない…どうしよう、何て言おう…」
春香・エミリー「んん?」
トレイ・カップ・スプーン「カラン」
エミリー「ん?」
春香「ん?」
松本「みやこさんが作ったチーズケーキです」
みやこ「何でここにぃ!?」
春香・エミリー「わあ~!」
エミリー「ふふん」
春香「いただきます」
エミリー「いただきま~ふ」
千鶴「こんないい友達がいたなんて知らなかったよ。みやこが友達うちに連れてきたなんて初めてじゃない?」
松本「え~ぇ?そうなんですか~?光栄です~」
千鶴「これからはいつでも遊びに来てちょうだいね、香子ちゃん」
みやこ「こ…!?」
松本「はい!お母様!」
みやこ「え、えぇ…」
春香「おいしい~!」
エミリー「ノアちゃん言ってました、ミヤさんのおいしいスイーツ!それからカワイイお洋服!」
春香「可愛いお洋服?」
みやこ「あぁっ、ああああ…」
松本「みやこさんは、大学でデザインを勉強しているんです。それで、娘さんたちに試作した服のモデルになってもらっているんです!ねっ、みやこさん!」
みやこ「あっ…うん、うん」
春香「将来はデザイナーとか?」
エミリー「わあ~」
千鶴「そんな大したものじゃないですよ」
春香「いえ、いつも外ではむすっとしている花ちゃんが毎日のように遊びに行っているのは、すごく楽しいんだと思います」
エミリー「ノアちゃん、引っ越ししてすぐお友だちできたって喜んでました」
みやこ「えっ…」
春香「これからもよろしくお願いします」
エミリー「ノアちゃんのこともお願いです!ミヤさん、ふふっ」
春香「ふふふふっ」
みやこ「はぁ…はっ、はい!」
みやこ「…はっ」
松本「ふふっ」
ノア「はむ!うんふんふんふん…」
ノア「うっうん…(嚥下)」
ノア「サギじゃなくて、ほんとにミャーさんの友達だったんだ」
松本「当然よ!ねっ、みやこさん」
みやこ「うあぁっ…ええっと…」
みやこ「危ないとこはあるけど、ちょっといい人なのかな」
みやこ「う…うん」
松本「ああっ…」
ひなた「松本」
松本「ふぇ?」
ひなた「よかったな」
松本「生きててよかった~」
ノア「人見知りのミャーさんに友達がいたなんてね」
花「うぅん…うん…そういえば、私はお姉さんに初めて会った日に『友達になって』って言われた。あれ、今思うと変です」
みやこ「えぇっ!?」
花「どうして私と友達になろうと思ったんですか?」
みやこ「それは…えっと…私もどうしてか分かんないんだけど、花ちゃんを初めて見た時に…その…仲よくなりたいって思って、頑張った…から…」
花「そうですか。私は危ない人だと思いました」
みやこ「ですよね~」
春香「花ちゃん、お風呂沸いたわよ」
花「は~い」
花「はぁ~…」
ひげろー人形(みやこ)「仲よくなりたいって思って、頑張った…から…」
花「ふっ…」

エミリー「ノアちゃんの言ってたとおり、ミヤさんのお菓子おいしいですね!」
ノア「でしょ~」
エミリー「もっとお話したかったです」
ノア「あぁ~、ミャーさん人見知りだから~」
エミリー「そうなんですか?なら、もっと仲よしになります!」
エミリー「それじゃあノアちゃん、おやすみなさい」
ノア「おやすみなさい、ママ」
ノア「ひひん…ミャーさんかぁ…」
ノア「ヒナタちゃんはミャーさんが大好き、つまりアタシがミャーさんになれば…」
ノア「そしたら、ヒナタちゃんともっと仲良くなれるかな?」
ひなた「っくしゅい…」
みやこ「あっ…ほらひなた、風邪ひくよ」
ひなた「か~か~か~」
みやこ「ふふっ」
ひなた「ぶぁっくしゅ!」
ひなた「(蹴)」
みやこ「うあっ…っと…」
みやこ「ぁぁぁぁ…ああ…」
ひなた「か~か~」

松本「みやこさん、私もケーキを焼いてみたの」
みやこ「あぁ…ありがとう」
松本「私のケーキが今、みやこさんの血肉にぃ…次回、『みゃー姉が何いってるかわかんない』はぁあああ…みやこさ~ん」
みやこ「は、ははは…」

7話 みゃー姉が何いってるかわかんない

時計「ピピピピ…ピピピピ…」
みやこ「ふわぁ~あ~」
みやこ「朝から大学とか、だる…」
ひなた「おっはよう!みゃー姉!うぇへい~」
みやこ「へっ?うわっ!ぐはっ…う…」
ひなた「ふっふふふふふ~ん~ふ~ふ~ん~ふ~ん…ひひ~ひ~…」
みやこ「ひなた、危ないから急に抱きつくのはおやめ」
ひなた「う、ごめん、みゃー姉」
みやこ「はぁ…ひなたは朝から元気だね」
ひなた「おう!」
みやこ「…ん?ひなた、おでこ出して」
ひなた「ん?はい」
みやこ「…」
ひなた「ヘヘ~」
みやこ「はぁ…」
ひなた「うぁっ!みゃー姉、おでこ冷たいぞ!病気か!?」
みやこ「んん…病気なのはひなただよ~」

千鶴「ん~…風邪みたいだな~。元気そうだし大丈夫だと思うけど、念のため学校休んで様子見ようか」
ひなた「わぁ~!今日休みになった!みゃー姉、遊ぼ!」
みやこ「熱での休みなんだから寝てなさいよ。それに私は大学行くから家にいないよ」
ひなた「むう~…みゃー姉いないなら家にいても仕方ないから、学校行くことにする!」
千鶴「熱あるから休めって言ってるの」
ひなた「うぅ…ぉっ…」
千鶴「ん~…はぁ…」
ひなた「うぅ…」
千鶴「私は仕事休んでひなた見てるから、みやこは早く大学行きな」
みやこ「みゃー姉…」
みやこ「ん…」
ひなた「いってらっしゃい、早く帰ってきてね…」
みやこ「…はぁ…仕方ないな…すぅ~…今日の授業必修じゃないから、私が休んでひなた見ておくよ」
千鶴「えっ?」
ひなた「ほんとか!?やった~!」
千鶴「あっ…」
ひなた「へへへ~」
みやこ「あぁっ…」
ひなた「ふふ~ん!ふ~んふ~ん…ひひ~へへっ…ふ~ん…」
みやこ「ほら、部屋戻るよ」
ひなた「は~~い!」
千鶴「姉妹仲いいのは喜ばしいことだけど、母親としては少し寂しい」
ひなた「ふ~んひひ~ふんふ~ん…ひひ~ふ~んふん~ひひ~」
みやこ「熱出して学校休んでるのに、なんかうれしそうだねぇ…あっ、学校休めるのはうれしいか」
ひなた「…だって今日はみゃー姉独り占めできるんだぞ!うれしいに決まってる!」
みやこ「あぁ…」
ひなた「それで何して遊ぶ?」
みやこ「いや寝なさいよ。熱あるんだから」
ひなた「何言ってんだ!みゃー姉独り占めできるのに、寝てる場合じゃねえ!」
みやこ「いいから寝ろ」
ひなた「か~…す~…か~…」
みやこ「やっと寝た」
ひなた「んぁ~みゃー姉…」
みやこ「ん?」
ひなた「へ~う~へへへ~…」
みやこ「まったく…可愛い顔して、ふっ…それにしても、風邪ひいてると寝相がおとなしくなるのは何でだろう?」
ひなた「すー…すー…」
みやこ「本能で体休めてるのかな~?」
ひなた「すー…すー…」
ひなた「…う~んににに…はっ!」
ひなた「みゃー姉遊ぼう!」
みやこ「ん、わっ…」
ひなた「へへへ~へへ~」
みやこ「寝てなきゃダメでしょ」
体温計「ピピ…(36.8℃)」
みやこ「って熱ほとんど下がってるし…」
ひなたの腹「ぐぐ…」
ひなた「おっ…みゃー姉!おなかすいた!」
みやこ「本能のままか」
みやこ「はい、お食べ」
ひなた「あ~ん」
みやこ「んもう~しょうがないなあ、今日だけだよ~」
ひなた「ぁうん!ぁうん!」
みやこ「はい、あ~ん」
ひなた「んむっ!んっ!ぶゎぁあっつ!!!」
みやこ「あっごめん、冷ますの忘れてた…」
ひなた「ふぅっ…っはっはっはっへぇ……はっんはっ…」
階段「だっだっだっ…」
ひなた「うん?」
ノア「へっ…ヒナタちゃん!大丈夫!?」
ひなた「おう!もう熱もほとんど下がって、元気だぞ!」
ノア「良かった~」
ノア「もぉ~心配したよ~」
ひなた「ふっふっふ~わぁ~」
かのん「大勢ですみません」
みやこ「大丈夫大丈夫」
花「これプリント。それと、給食で出たゼリー」
ひなた「ありがとう!ヘヘ~」
こより「あとネギが風邪にいいらしいけど、コンビニに売ってなかったから…代わりにねぎま買ってきたわ!」
ひなた「おお~!」
みやこ「はぁ…」
ひなた「はう!んっく…ん…」
ノア「ミャーさんがずっと見ててくれたんだって?ヒナタちゃんにはミャーさんが一番の薬だもんね!」
ひなた「おう!それに、ノアたちも来てくれたからな!薬も二倍でもう完璧だ!」
ノア「…そっか!」
かのん「^^」
こより「…」
花「ひなたいないと、ノアもしょんぼりして元気なくなるから、明日は来てね」
ノア「ああっ!それ内緒にしてって言ったのに~」
ひなた「えへへへ~ふふっ」
ノア「もう~ハナちゃ~ん…ん~~///」
千鶴「賑やかね~」
みやこ「ん?お母さん!帰ってくるの早いね」
千鶴「ああ…ふっふ~、ずいぶんよくなったみたいね」
みやこ「もう熱も下がったから、あとはおとなしくしてるだけで大丈夫だと思う」
千鶴「そっか~、しっかり看病してくれたんだね。」
みやこ「ん…」
千鶴「偉い偉い」
みやこ「んっ…!?うわあっ!ちょ…や、やめてよ、子供じゃないんだから」
千鶴「あんた褒められる機会少ないんだから、こういう時は褒めさせなさいよ」
みやこ「んん…」
千鶴「^^」
みやこ「…」
千鶴「みんな、お見舞いありがとう。でもうつったらいけないから、また明日学校でね」
ひなた「んんっ!」
ノア「はーい!」
かのん「はい」
こより「😊」
花「…(頷く)」
ノア「ヒナタちゃんまたねー!」
ひなた「うん」
こより「お大事に」
花「また明日」
かのん「お邪魔しました」
ノア「へへっ…あぅ…(花に押される」
みやこ「ふぅ…」
千鶴「^^」
千鶴「みんな気をつけて帰るんだよ」
花・ノア・こより・かのん「はーい!」
ひなた「…みゃー姉…」
みやこ「うん?」
ひなた「私、ずっと一緒にいたから、みゃー姉うつっちゃってるかも」
みやこ「人にうつすと治るって言うね」
ひなた「あっ…私の熱が下がったのって、もしかして…」
みやこ「私にうつしてひなたが元気になるならいいよ」
ひなた「みゃー姉…」
みやこ「それに風邪ひいたらお母さんに怒られずに学校休めるからね」
ひなた「わぁ…そっか!」
みやこ「うん」
時計「ピピピピ…ピピピピ…」
鳥「チュン…」
みやこ「ふぁ~あぁ~」
ひなた「みゃー姉!」
みやこ「うわぁ、あっ!?」
ひなた「おっはよ~う!」
みやこ「いったぁ…」
ひなた「うぇっへ~ぃ!」
みやこ「うっ…はぁ…」
ひなた「ふふふ~ふふ~ふふ~ん…」
みやこ「だからぁ…急に飛びつくのはやめなさいって~…」
ひなた「あっ、ごめんみゃー姉」
みやこ「んもうっ…ほんとに…ひなたは朝から元気だね」
ひなた「おう!」

携帯「ピロリロン」
みやこ「ああ、今日私の誕生日だ」
ひなた「はっ…うぇっ!…あ…ああ…あぐ…あ…」
花「へえ~おめでとうございます…あっ」
ノア「おっ、そうなの?じゃあパーティーしよ!パーティー!」
ひなた「わ…私が…みゃー姉の誕生日…わ…わ忘れ…ああ…」
みやこ「ひなた、どうしたの?」
ひなた「わた…ヒッ…私が花たちと遊ぶのに夢中になって…誕生日忘れてたせいで…ヒッヒッ…みゃー姉の誕生日が~」
花・ノア・みやこ「…」
ひなた「私が忘れたらみゃー姉誰にも祝ってもらえないのに…そんなのあんまりだ~ひぐ…ひっぐ…ひぐ…」
みやこ「ひなたって無意識に私を傷つけてくるよね」
ひなた「あっそうだ、誕生日プレゼント!みゃー姉の欲しいもの、なんでもあげるぞ!」
みやこ「ん~別に欲しいものなんてないしいいよ。祝ってくれるだけで十分だよ」
ひなた「なんでもいいんだぞ」
みやこ「なんでもは用意できないでしょ」
ひなた「ん~…」
ノア「アタシたちで用意できて、ミャーさんの好きなものって言ったら…」
ノア・ひなた「あっ」
花「え?」
みやこ「へっ?」
ひなた「たのむ花!一日だけでいいから!」
みやこ「ほんとに?花ちゃんもらえるの?」
花「嫌!」
みやこ「はぁ~…」
ひなた「あぁ~…」
ノア「はぁ~…いいじゃんちょっとくらいなら」
花「いい?お菓子の代わりにあんないかがわしい服着せてくるんだよ」
みやこ「いかがわしい…?」
花「そんなお姉さんに私を差し出すとどうなると思う」
ノア「ん~?」
ひなた「ん~…わからん」
花「お姉さんが刑務所に入る」
みやこ「ええっ!?花ちゃんの私のイメージ…」
ひなた「みゃー姉、捕まるのか?」
みやこ「えぇっ?」
ノア「ハナちゃんに何する気?」
みやこ「ぬれぎぬだ!いくらなんでもそんなことにならないよ!」
花「本当ですか?今までやってきたこと考えて、そんなことないって言えますか?」
みやこ「言え…うぁっ…あっ…言える…よ…?」
花「今の間はなんですか…」
ひなた「…」
ノア「…」
花「というか、そもそも私だけって不公平だと思う」
ひなた「ん~、それもそうだな」
花「うん」
ひなた「それじゃあ、私たちも同じことやるか」
ノア「そうだね!ハナちゃんだけにやらせるの違うよね!」
花「えっ?」
ひなた「そうだ!せっかくだからちゃんと形にしてプレゼントしないか?肩たたき券みたいに」
花「ちょっ…ちょっと…」
ノア「それたのしそう!作ろう作ろう!」
ひなた「よし作るぞ、花、ノア!」
ノア「おー!」
ひなた「おーう!」
花「もしかして私もやることになった感じ?」
ひなた「はい、みゃー姉!」
花「はぁ…」
ひなた「『なんでもやる券』3人分!」
みやこ「わぁ~ありがとう、すっごい嬉しいよ」
ひなた・ノア「えへへ!イェーイ!」
みやこ「こっ…これがあればなんでも…コスプレ…はいつもやってもらってるし…いやいや待って、絶対着てくれなさそうなあの服とか…はぁ…でもどうせなら、普段できないような思い切ったことしたいなぁ…」
ひなた・ノア「イェーイ!」
ひなた「ひひ~ひひひ~ういうい~うい~はは~」
ノア「へへ~ひゅひゅ~んへへ~ひゃあ!へへ~」
花「なんでもいいですが、ひなたを悲しませるようなことしないでくださいね」
みやこ「はっ!?ももも~…もちろん分かってるよ!ま、まあこれは、また今度何か思いついた時に使うとして…」
ひなた・ノア「イェーイ!」
ひなた「ひひ~うっは~ふっふ~い~ふふ」
ノア「へへ~ひゃあ!ふふふ~」
花「なんか弱み握られたみたいで嫌だな…」
みやこ「そうだ、プレゼントもらったお礼ってわけじゃないけど、誕生日だしケーキでも作ろうか」
花「はぁっ!?」
ひなた「マジか!」
ノア「あっ!やったぁ!」
花「ケーキ…!」
みやこ「みんなも手伝ってね」
花・ひなた・ノア「はーい!」
花「頑張ります!ケーキ♪ケーキ♪」
みやこ「ああっ、花ちゃんは見てるだけでいいから」
花「えっ?」
ひなた「ここは私たちの出番だ」
ノア「ハナちゃん料理苦手だもんね!」
花「ん~…」
みやこ「それじゃあひなたは、ノアちゃんと生クリーム作っておいて」
ひなた「まっかせろ!」
ノア「ヒナタちゃん作り方わかるんだ!すご~い!」
ひなた「砂糖はこのぐらいで…」
みやこ「んん…」
花「へへ~…」
みやこ「っていうか、花ちゃんめっちゃ見てくる…」
花「へっへへ~…」
みやこ「えっと~…花ちゃん?」
花「ん?」
みやこ「あんまり見られてると、ちょっとやりにくいからっ…」
花「あ…分かりました。1時間くらい出かけてきます」
みやこ「えっ?い、いやぁ、そこまでは言ってないよ」
花「いえ、用事思い出したので、ついでに済ませてきます」
みやこ「あっ…んん…」
みやこ「これで完成っと…」
ひなた・ノア「イェーイ!」
みやこ「わぁ!…」
ひなた「洗い物しよ!」
ノア「おー!」
みやこ「ん…花ちゃん遅いな…用事って何だろう?」
花「ヘ~…」
みやこ「花ちゃん!?いつの間に戻って…」
花「お姉さん!手に持ってるそれ、もらってもいいですか?」
みやこ「それは越えちゃいけない一線だよ。花ちゃん」
ノア「へっへへゅ~ん」
ひなた「というわけでみゃー姉」
ノア「お誕生日おめでとう!」
みやこ「えぇっ?なんでメイド?」
ノア「サービス!撮影もオーケーだよ!」
みやこ「へ~…」
花「私は着ませんよ」
みやこ「ああ…」
ノア「なんでも券を使うと、アタシとデートできるよ!」
みやこ「あ、結構です」
ノア「ぬわぁ!!!!」
花「あっそうだ。これプレゼントです」
みやこ「えぇっ!?プレゼント!?」
ノア「う~…うぅ…」
花「ケーキできるの待ってる時に買ってきました」
みやこ「用事って、これのことだったの?」
花「はい」
みやこ「花ちゃんが、私のために買ってくれたもの…やばい、すごいうれしい。ありがとう花ちゃん!」
花「じゃあプレゼントあげたので、なんでも券返してください」
みやこ「えっ?ん~待って待って、なんで?」
花「だってあれ、プレゼントの代わりに用意したものですよ。ちゃんとしたプレゼントあげたんだから、返してください」
みやこ「えっ…ええ~やだ~!どっちも欲しい!どうにかしてどっちも手に入れたい~っ…はっ!」
みやこ「花ちゃんこれいくらした?」
花「はい?」
みやこ「三倍…いや、言い値で買い取るよ!」
花「最低ですか」
みやこ「はっ…ああぁ~…」
花「はぁ~…冗談ですよ。普通にあげます」
みやこ「えぇ?…ほっ、本当!?」
花「はい。それは…おいしいお菓子のお礼とか…そんな感じですから!」
みやこ「ああっ…はっはぁっ…!」
ひなた「ん~…」
ノア「ハナちゃんてさぁ」
花「なに」
ノア「なんだかんだ言いながら、ミャーさんのコト、好きだよね!」
花「は?」
ひなた「む!みゃー姉のこと一番好きなのは、私だからな!」
みやこ「んん…///」
ノア「ヘアピン!ハナちゃんが選んだにしては、普通にカワイイね!」
みやこ「ね、びっくり」
ひなた「だな!」
花「ちょっと」
ノア「あっ、そうだ!せっかくかわいいヘアピン貰ったんだから、服もカワイイのにしよ!」
ひなた「おう!」
みやこ「えっ…いやぁ、いいよ私はこのままで…」
ノア「ダメだよ、ジャージとかせっかくのかわいいヘアピンが台無しでしょ」
みやこ「えっ…ごめん」
松本「ふふふ、サプライズで誕生日祝い、しかもメイド姿でなんて、みやこさん驚くだろうな~…はっ!」
みやこ「んんん…///」
ひなた・ノア「カーワイイ―!」
松本「被ったぁ!」
みやこ「何!?泥棒!?」
松本「たはぁ…」


ひなた「ふっひぃん…」
みやこ「…」
ひなた「んっにににに…」
みやこ「おっおおおっ…」
みやこ「最近ひなたがどこへ行くのにもくっついてくる…」
みやこ「あのさ…窮屈じゃない?」
ひなた「全然大丈夫だぁ…」
みやこ「いやいやいやいやいや…トイレの中はさすがに来ないで!」
ひなた「んんっににに…にに…にににに…いや~だ~ぁ~!」
みやこ「ヤバいから!そろそろ限界だから!」
ひなた「ん~!ふん!ふ~ん!ん~にぃ~…」
みやこ「一体なんなの最近のひなた~…何がしたいの~?」
ひなた「気にしないでくれ」
みやこ「気にするよ…」
ノア「たしかに最近ヒナタちゃん、いつもよりミャーさんにべったりだよね」
花「うん、べったりなのは前からだけど、今はひどくなってる」
ひなた「にひ~ひ~みゃ~ね~…ふふふ~ふふ~ふ~ん…」
花「学校も終わったらすぐ帰るし、休みの日も家以外じゃ遊びたくないって言うし」
みやこ「ほら~花ちゃんたちもこう言ってるし、ワケを話して、ひなた。それによっては私も協力するから」
ひなた「う~ん…今は…今は!みゃー姉強化期間なんだ!」
みやこ「…何て?」
みやこ「ええっと…つまり、私の誕生日忘れてたのがショックだったから、その強化期間とやらに入ったの?」
ひなた「うん!へっへ~」
みやこ「うおっ…」
ひなた「へ~ふ~ん…みゃー姉…ひひ~…ひひ~…ふ~ふふ~…ひひ~…」
みやこ「えっと…このままじゃ私が1人になれる時間が…それにひなたがこのまま私につきあって、ずっと家にいるようになったら、ひなたまで私みたいになっちゃうかも…もしそんなことになっちゃったら…私がお母さんに殺される!」
みやこ「うわっははぁ!」
ひなた「うおっ!」
みやこ「ひなたっ!私の命が惜しかったら今すぐやめてぇ!」
ひなた「命!?」
花・ノア「はぁ…!?」
みやこ「私のために、その強化期間ってのやめてくれない?」
ひなた「えっ?やだ」
みやこ「いやぁ…ほら、ひなたのためでもあるんだから、お願い?」
ひなた「やっ!」
みやこ「あっあぁ…私のこと好きなら、ずっと一緒じゃなくて、すこーし離れて…ねっ?」
ひなた「みゃー姉が何言ってるか分かんない!好きだからずっと一緒にいたいんでしょ!」
みやこ「ダメだ…理屈が通じない…」
みやこ「はぁ~…仕方ない!この手はあんまり使いたくなかったけど…」
ひなた「わっ!そっ…それは!」
みやこ「ひなたは明日から五日間、私と距離を置くように!」
ひなた「あぁぁぁ…」
ひなた「みっ、みゃー姉待って!それ以外なら何でもするから~!」
みやこ「ダメ!いい機会だから少しはお姉ちゃん離れもして!」
ひなた「みゃー姉~えぇ~…」
ノア「こういうの、恋愛ドラマで見たことある!」
花「あぁ…」

生徒「わぁ~」
ひなた「ぁぁ~…ぁ~…」
ノア「どうしたのヒナタちゃん、大丈夫?」
ひなた「今日から五日間、みゃー姉とお風呂に入ったり…一緒に寝ちゃダメだって…」
花「あぁ~…」
花「よかったですねお姉さん」
ひなた「あぁ…」
ノア「大丈夫~ヒナタちゃ~ん」
生徒「わ~…」
ひなた「なあみゃー姉、ちゃんと聞いてるか~?」
ノア「ヒナタちゃんが、なんかヘンなのと喋ってる…!」
ひなた「うっへへ、へへ…へひゃひゃ…へへ…」
雨「サー」
ひなた「あぁ~あぁぁぁぁぁ…」
ノア「たいへん!ヒナタちゃんがへにょへにょしてる!」
ノア「元気出して!ほら、ミャーさんだよ!」
ひなた「うひゃ~うぇぁうぇぁうぇうぇ…(ボーアの理論)」
ノア「なんて言ってるの~…」
花「お姉さん、ひなたがもう限界です」
ノア「アタシもう見てられない!」
みやこ「あ~やっぱり…そろそろだと思った。でもここでやめたら結局また元通りになるだけだから…はいこれ」
花・ノア「ん?」
みやこ「星野みやこ変身セット作っておいたから」
ノア「む?」
花「ん?」
みやこ「私のコスプレして、ひなたの相手してあげて」
花「正気ですか?」
ノア「う~ん…」
ノア「ヒナタちゃ~ん」
ひなた「ん…んん…」
ノア「あと二日、アタシがミャーさんの代わりになるから、頑張ろう!」
ノア「にゅふふ~ん」
花「やっぱりダメなんじゃない…」
ノア「んぇ…」
ひなた「あっ!みゃー姉!」
花「いいんだ…」
ノア「んぉ?」
ひなた「みゃー姉!」
ノア「うわぁ」
ひなた「みゃー姉!みゃー姉!ん~ひひひ~」
ノア「う、ん…、ヒナタちゃん…うわぁ!」
花「大丈夫?」
ひなた「みゃ~姉~!ふ~んふ~…ふ~んふ~…ふふふ~」
ノア「ヒナタちゃんがすごいベタベタしてくる…これ…いい!」
ひなた「ん~へへへ~あぁあはぁ…」
ノア「わしゃわしゃわしゃ…わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ~」
ノア「んひぃひぃ~ん…あ~ん!」
ひなた「はむ!」
花「ちょっと甘やかし過ぎじゃない?」
ノア「えぇ~そう~?」
ひなた「ふんふんふん…」
ノア「うぇへっへっへっへっへっへへ、へへっ…」
花「なんか気持ち悪い時のお姉さんみたいになってる…」
みやこ「えぇっ!?」
花「今日の17時まででいいんですよね?」
みやこ「えっ?あぁ~、そうだね」
ひなた「へへ~…」
ノア「にゅふふふ~ん」
ノア「ヒナタちゃんはもうアタシにべったり~17時になってもアタシから離れないよ~」
ノア「にゅっふふふふふふふ~ん」
花「3…2…1…17時」
ひなた「ゎあっ!」
ノア「ぁ、あぁん…」
ひなた「ゃあゃははははっ!」
ノア「あぁっ…」
ひなた「みゃー姉~!」
みやこ「うぅわっ!あぁっ!おぉ…」
ひなた「っ!みゃー姉!みゃー姉!本物のみゃー姉だ~!」
ノア「うぅ…」
ひなた「ふ~ふふ~う~ふふ~ひひ~う~う~ひひ~う~ひ~ふ~…う~ん…」
ノア「わかってた、アタシはしょせんミャーさんの代わりだって」
ノア「アタシ、わかってた…」
ひなた「ん!ノア、今日までありがとな」
ノア「いいよいいよ、アタシ大したことしてないし」
ノア「ミャーさんのコスプレしてヒナタちゃんを慰めるなんて誰でもできるし…」
花「誰でもはできないと思う」
ひなた「何言ってんだ?誰でもいいわけじゃないぞ!」
ノア「ん?」
ひなた「みゃー姉の代わりできたのは、みゃー姉と同じくらい好きな、ノアだからだぞ」
ノア「…あっ…ああぁ…うん…ありがとう…」
みやこ「うんうん!これでひなたも少しは私から離れても大丈夫だね」
ひなた「みゃー姉!!」
みやこ「うぉおぅ!」
ノア「ああぁぅ…」
みやこ「うぉっほ…」
ひなた「みゃー姉!みゃー姉!」
みやこ「ちょっ…と…ひなたぁ…う…あっあぁはは…」
ひなた「みゃー姉!ん~ににに~」
みやこ「うぅ…うぅ~ひぃ…」
ノア「…なんかもう、この光景落ち着くね!」
花「そだね」
ひなた「ににににに…にぃ!ふ~…」
みやこ「なんか!ひなたの甘え方ひどくなってるんだけどっぉお!ノアちゃん何してたのぉ?おぉ~…ぉ…」
ひなた「みゃー姉~ふふふ~…」

犬「スンスン…スンスン…」
友奈「みゃーこ、みゃーこ」
犬のみやこ「ワン!」
友奈「みゃーこ!」
犬のみやこ「へっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっ…」
友奈「ヘヘヘ…ばーん!」
みやこ「へっへっへっワウ!ワゥーン…」

みやこ「誕生日お祝いしてくれてありがとね。ひなたの誕生日には何が欲しい?」
ひなた「みゃー姉!」
みやこ「う~ん…次回『知らないほうが幸せなことってあるよ』なんでもやる券でもいい?」

8話 知らないほうが幸せなことってあるよ

みやこ「ふっふふんふっふーふっふーふっふーんふんふっふ~」
みやこ「よっ…はっはっはっ!とう!…んー…やっ!うぉ~ぁははー!ぅ~っし!ふ~ん…♪」
千鶴「はぁ…」
みやこの「ふんふんふんふんふんふん…ん?」
千鶴「…」
みやこ「…何?」
千鶴「はぁ~…」
みやこ「えぇ…なんなの?」
千鶴「いい年した娘が、せっかくの休日に家でゴロゴロと…ひなたはお使いに行ってくれてるのに…はぁ…」
みやこ「べっ、別にいいでしょ…」
千鶴「それにそのジャージ!高校の時のでしょ。いいかげんに着るのやめな」
みやこ「楽だから着てるの!家の中だけだから別にいいでしょ、もぉ…」
千鶴「私服も高校の時からずっと変わってないでしょ」
みやこ「何で説教モードなの~?めんどくさいな~」
千鶴「服に頓着しないかと思えば、夜な夜な自分で作った変な服着てニヤニヤしてるし」
みやこ「へへへへ…」
みやこ「なっ…なぜそれを?いぃっ…いつ見たの!?」
ひなた「ただいま~!お母さん、卵と牛乳買ってきた!」
千鶴「は~い、ありがとう!ひなたはみやこよりしっかりしてて頼りになるわね~」
みやこ「そんなおつかいくらいで…」
千鶴「それじゃあみやこ、夕方クリーニング取りに行ってきて」
みやこ「コンビニみたいに黙って済ませられる店じゃないと無理」
千鶴「情けないこと偉そうに言うな!」
みやこ「む~…」
千鶴「あ~あもう手に負えない」
ひなた「んぉ?」
千鶴「みやこのことはひなたに任せようかな」
ひなた「任せて!大人になったら、みゃー姉は私が面倒見るから!」
千鶴「今のは冗談だから自分のために生きなさい。とりあえず、見た目だけでもちゃんとしな。ほら、お金出したげるからちゃんとした店で服買ってきな」
みやこ「えっ…やだ」
千鶴「『えっ…やだ』じゃない」
みやこ「だってぇ、服屋って店員が話しかけてくるんだもん!やだやだ!絶対やだ!」
千鶴「そんなまた子供みたいな…そんなんであんた将来どうするの」
みやこ「…ひなたが面倒見てくれるらしいし」
みやこ・ひなた「ね~」
千鶴「はぁ…」
みやこ・ひなた「ん…」
ひなた「うぇっ!」
千鶴「もし本気で言ってるならこっち来い」
みやこ「冗談ですごめんなさい」
みやこ「はぁ~…服屋で服買ってこいとか、むちゃを言う…ん?」
ひなた「みゃー姉、一緒に行くぞ!」
みやこ「ひなた!」

花「はむ!ふふふん…」
春香「花ちゃん」
花「ん?…ん~…ぬゎに?」
春香「おばあちゃんからりんごが送られてきたから、お昼食べたら星野さんのおうちに持っていって」
花「えぇ~…」
春香「星野さんのおうちには、いつもお世話になってるでしょ」
花「あっ!そうだ!お姉さんにアップルパイ作ってもらおう!」
春香「こらこら、お世話になってるお礼」
花「は~い…」
多摩センター「ガヤガヤ」
タイトーステーション多摩センター店「ガヤガヤ」
みやこ「…来てしまった…店員が来たら、ひなた助けてね」
ひなた「分かった!」
みやこ「でも、できるだけバレないように…」
店員「…!」
みやこ「あっ…」
店員「いらっしゃいませ~」
みやこ「ひいぃっ!」
店員「何かお探しですか?」
みやこ「あっ…えっ…」
ひなた「みゃー姉!ここは私に任せて逃げろ~!」
店員「あら、ジュニア服はこっちよ」
ひなた「わっ、あっ…」
ひなた「うぅうわ~みゃー姉~…う~」
みやこ「ひ…ひなた~!」
みやこ「ああ…ひなたが…あぁ…」
店員「いらっしゃいやせ~」
みやこ「あっ」
店員「何かお探しですか~?」
みやこ「ひいぃぃいぃっ!」
店員「お客様こういうのお似合いだと思いますよ~」
みやこ「ははぁ…ぁぁ…え…えぇ…」
ひなた「みゃー姉から離れて!みゃー姉は人見知りだから、話しかけないで!」
みやこ「ひなたぁ~!」
みやこ「ああ~ぁぁ…恥ずかしい…二度とあのお店に行けない~…」
ひなた「ごめんなさい…」
みやこ「ぁっ」
ひなた「ん?」
みやこ「ひなたは私のためにしてくれたんでしょ?ありがとね」
ひなた「ぅヘヘ~…」
みやこ「それにどっちにしてもあんな恐ろしい店には二度と行く気ないし、だから別にいい」ひなた「そっか」
ひなた「えへ」
みやこ「ふふ」
みやこ「ぅう~ん、でもどうしよう…服は買わないとお母さんに怒られるし…」
みやこ「そうだ、生地買って自分で作ればいいんだ。それで余った生地で花ちゃんのコスも作れば…一石二鳥だ!」
ひなた「ん?」
千鶴「あの子まさか服じゃなくて生地買って帰ってこないだろうね~」
チャイム「ピーンポーン」
千鶴「ん?」
花「こんにちは」
千鶴「あら~花ちゃん!いらっしゃい」
花「これ、お母さんがお世話になってるお礼に持っていけって」
千鶴「お~、おいしそうなりんご!わざわざありがとね」
花「いえ。あの、ひなたちゃんいますか?」
千鶴「あぁ~、ごめんね。今日ひなたとみやこ出かけてて」
花「えっ!?お姉さんが休日に家にいないなんて…ウソ…ですよね?」
千鶴「それがホントなんだよね~」
千鶴「あの子、よその子にまで…」
花「お姉さんが休日に家にいないなんて、そんなことが…アップルパイはまた今度…」
ノア「あれっ、ハナちゃん!」
花「ん?」
ノア「へっ、ハナちゃんもヒナタちゃんちにあそびにきたの?」
花「ちょっと違うけど、今日はひなた出かけてるって」
ノア「へぇ~そうなんだ」
花「あと、お姉さんも出かけてるって」
ノア「んぉ?」
ノア「むすー!いやいやーそれはウソでしょー!騙されないよ!」
花「そう思うよね…」
ノア「え?」
ノア「あっ…」
花「あ」
ひなた「(写真)」
ひなた「みゃー姉と買い物に来てる!」
ノア「えっ!?ヒナタちゃんミャーさんとお買い物デートだって!」
ノア「ホントだったんだ、出かけてるって…」
花「みたいね」
ノア「う~ん…いいないいなーアタシもお洋服見に行きたーい」
ノア「あっ、ねえハナちゃん、アタシたちもお買い物デートしよ!」
花「う~ん…いいけど…暇だし」
ノア「わーい!やっとハナちゃんにまともな服選んであげれる!」
花「やっぱり帰る」

ひなた「へっ…ふんふんへっふ~んふん…ふんふん~ふんふん」
みやこ「ふ~んふ~ん♪」
みやこ「服屋に行かなくてよくて、生地までタダで手に入った!いいことずくめだ~」
みやこ「あっ、そうだ!お金も余ったし、こっそり遊んでいこうか」
ひなた「えぇっ!?うわ~ゎ~!いいのか?みゃー姉!」
みやこ「いいよ~、でもお母さんには内緒ね」
ひなた「ほんとに!?ほんとにいいのか?」
みやこ「ほんとだってば」
ひなた「ぃやった~!!!!」
みやこ「こ…ここまで喜ばれると何か怖いな…」
ひなた「ぅうぇ~~~い!」
みやこ「そんなに喜んで、ひなたはどこか遊びに行きたいところでもあるの?」
ひなた「えっとな~、えっとな~…ない!みゃー姉が一緒ならどこでもいい!」
みやこ「あっ…ふふっ、それじゃあ!」
クレーン「グォーン」
みやこ「…」
ひなた「頑張れみゃー姉、もうちょっとだ!」
みやこ「うっ…」
ひなた「ああぁ~」
みやこ「うん!可愛いよ」
ひなた「ほんとか?」
みやこ「うん」
ひなた「やった~!」
みやこ「うぉお…」
ひなた「へっへ~い!一緒に写真撮ろ!」
みやこ「うん」
ひなた「あ~ん…うんうん…おいしい!おいしいぞみゃー姉」
みやこ「よかったね」
ひなた「みゃー姉も一口」
みやこ「ん?…あぁ…あむ…ん、ん…」
ひなた「へへへ…」
みやこ「ふふ…」
ひなた「みゃー姉次はどこ行く?」
みやこ「う~ん、ちょっと本屋さん覗きたいな」
ひなた「おう!本屋さん行くぞ!」
みやこ「ふふっ」

ノア「ミャーさんがおでかけなんて、ほんと信じられない」
花「ひなたが一緒じゃなかったら来てない思う」
ノア「だよね~」
ノア「ところでハナちゃんのそういう服って、どこで買ってきてるの?」
花「う~ん、お母さんが買ってきてるからよく知らないけど」
ノア「ママが…そっか、ハナちゃんのシュミってママ譲りなんだ」
ノア「ドンマイ!」
花「なにが?」
ノア「あっ、ここちょっと見てみない?」
花「いいけど」
ノア「あ~…」
店員「いらっしゃいませ~何かお探しですか?」
ノア「今日は見るだけなので…ありがとうございます!」
店員「おっ…!あ、あぁ…ゆっくり見ていってくださいね。ジュニア服は向こうにあるので」
ノア「はーい!」
花「ノア、買い物慣れてるね。よく来るの?」
ノア「もっちろん!だってお洋服は、カワイイアタシをもっとカワイくしてくれるでしょ!だからお買い物大好き!」
花「へ~」
店員「ありやとうございました~」
ノア「ここはちょっとハナちゃんのイメージと違うみたい」
花「そう」
ノア「そういえば今まで、ハナちゃんとこうやって遊んだことなかったね」
花「そういえばそうかも、ほとんどひなたの家であそ…ン!」
ノア「ん?どうしたのハナちゃん?」
花「あ、足…」
ノア「足?」
犬のみやこ「クゥ~ン…クゥ~ン…クン…クゥ~ン…」
ノア「あ~!ワンちゃんだ~!かわいい~!」
犬のみやこ「クンクゥ~ンクゥ…」
ノア「ねえハナちゃん!かわ…ん?」
花「んんん~ん~…んん~ん~ん~…」
犬のみやこ「ヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッ…」
ノア「どうしたの、ハナちゃん?」

犬のみやこ「ワッ!ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ…」
ノア「なんでこんなところにワンちゃんが、迷子かなあ?」
犬のみやこ「ゥワンッ!ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ…」
ノア「ん?あっはは、この子の名前ミヤコだって~」
花「はぁ~…すぅ…はぁ~…すぅ…」
ノア「ねえ見て見てハナちゃん、この子ミャーさんと同じ名前!」
花「うっ!」
犬のみやこ「ワン!」
花「にゃーーーーーっ!」
ノア「ん?ワンちゃん苦手なの…?」
犬のみやこ「ワゥ…」
花「べっ、別に…そうでもないけど…ひっ!」
ノア「苦手なんだ…」
犬のみやこ「クゥ~ン…」
花「ニ、ニガテ…チガウ…」
ノア「いや、嘘でしょ…ほら!」
犬のみやこ「クゥン…」
花「んっ!」
犬のみやこ「ワゥッハッハッハッハッハッ…」
花「んんんんん…」
犬のみやこ「ワゥッハッハッハッハッハッ…」
ノア「ほらほら!」
花「ちょっ…やめ…」
ノア「ほら~!」
犬のみやこ「ワフハッハッハッ…」
花「やめなさい!」
ノア「んぁ…」
ノア「なんでワンちゃん苦手なの?」
花「別に苦手じゃないけど…犬に噛まれたら死ぬ」
ノア「死なないよ~」
犬のみやこ「クゥ~ン…」
ノア「このミャーさん迷子だろうから、飼い主さん探してあげないとね」
花「飼い主殺して逃げだしたのかもしれない」
ノア「ハナちゃんとワンちゃんの間に、いったい何があったの…」
犬のみやこ「ワン!ワンワン!ワン!アン!ワン!クゥ~ン…」
花「ひぃっ!」
ノア「なんでかめちゃくちゃハナちゃんになついてるね~ミヤコって名前だからかなぁ?」
花「いいいいいから早く助けて!」
ノア「んも~こんなにカワイイのに~」
犬のみやこ「ワウ!」
ノア「何が怖いの?」
犬のみやこ「ワウ!」
花「っひぃ!」
ノア「大丈夫だって」
花「…ひぃっ!」
ノア「ほら~」
花「いいかげんにしなさい!人の嫌がることするなって、学校で教わったでしょ!」
ノア「んぁ…えっと、ご…ごめんなさい…」
犬のみやこ「ワゥ…」
ノア「でも、ほんとにこのミャーさんおとなしいから大丈夫だよ!」
ノア「それにハナちゃんになついてるし、せっかくだから少しなでてみない?カワイイよ!」
犬のみやこ「クゥ~ン…」
花「んっ…うう…うううううう…」
犬のみやこ「ワフ~ン」
花「ああ…」
ノア「ねっ!カワイイでしょ!」
花「まあまあ…」
ノア「もぉ…すなおじゃないなぁ…」
犬のみやこ「ワゥ!…ワン!」
花「ひっ!」
犬のみやこ「ワン!ワンワン!ワン!」
ノア「あぁ…」
犬のみやこ「ヘッヘッヘッヘッワン!ワン!ワンワン!ワン!」
松本「あっ、いた~!みやこ~!」
犬のみやこ「ヘッヘッヘッヘックゥ~ン…クゥ~ン、クゥ~ン…」
松本「あ~よしよ~し…」
ノア「あっ、あの人…」
松本「もう~捜したんだから~」
ノア「マツモトさんだ」
花「ん~…」
犬のみやこ「ワゥ…ハッハッハッハッハッハッハッハッ…」
松本「すみませんうちの子が…あっ、あなたたちみやこさんの」
ノア「はい!」
花「人が死にますよ!」
松本「は?」
ノア「死なないよ…」
犬のみやこ「ハッハッハッハッハッハッハッハッ…」
松本「予防接種に連れてきたんだけど、逃げ出してしまって…ありがとう、捕まえてくれて」
花「気を付けてくださいね」
松本「ごめんなさい」
ノア「まぁまぁハナちゃん…」
ノア「見つかってよかったわね!」
松本「それがよくないの…妹が迷子になってて」
花・ノア「ん?」
松本「こんな子見かけなかった?」
ノア「ん~…見てないけど…」
花「…(首振り)」
松本「そう…まだ小さいから心配で」
ノア「アタシたちも一緒に探す!ねっ!」
花「いいけど…」
松本「えっ、いいの?ありがとう!」
犬のみやこ「クゥ~ン…」
ノア「じゃあ手分けして探そ!」

ひなた「おぉっ!」
こより「次どこ行きたい?」
かのん「…」
ひなた「かのんとこよりだ!みゃー姉、ちょっと行ってくる!」
みやこ「うん。ここで待ってるね」
ひなた「かの~ん!こより~」
みやこ「…おっ、今月号出てたのか。買っていこうかな~…うおおぉおと!」
友奈「みゃーこ!」
みやこ「おぉぉぉ…もうなに?ひなた?」
友奈「ほ… ほんものだ~」
みやこ「誰!?」
みやこ「えっと…どうしたの?ひとり?お母さんは?」
友奈「みゃーこ、まいご。おねえもまいご」
みやこ「迷子か…お名前は何ていうの?」
友奈「ゆう」
みやこ「ゆうちゃんね」
友奈「みゃーこはみゃーこ?」
みやこ「うん?私はみやこだけど、なんで名前知ってるの?」
友奈「みゃーこ!お手!」
みやこ「突然なに?」
ひなた「みゃー姉~!ふたりともどっか行っちゃ…うぅ!誰だそいつ!?」
友奈「あぅ…」
みやこ「あ~この子は…」
友奈「みゃーこ…」
みやこ「ん?」
ひなた「うっ!…みゃー姉、まさか外で、隠し妹作ってたのか!?」
みやこ「隠し妹って何…」
ひなた「も、もしかして…花も隠し妹だったのか…」
花「みやこお姉ちゃん」
ひなた「まさか…ノアも…」
ノア「実はギリの…ね?」
ひなた「うわぁあぁあああ!」
みやこ「ちょっと、ひなた?」
ひなた「はっ!ということは、私は、この子のお姉ちゃん?」
みやこ「違うよ」
友奈「ゆうのおねえちゃん?」
ひなた「っ!そうだぞ、ひな姉だぞ」
友奈「ひなおねえちゃん?」
ひなた「うわっ…おっ、おお…みゃー姉、妹って超可愛いな!」
みやこ「自分のこと言ってる?まあ可愛いけど」
友奈「みゃーこ!おて!」
みやこ「ん?また?」
友奈「おて!」
みやこ「はい」
友奈「おかわり!」
ノア「ん…」
みやこ「はいはい」
友奈「まて!…よーし!…おて!」
みやこ「はい」
友奈「おかわり!」
みやこ「はいー」
ノア「あ!ミャーさんだ!…と、もしかしてあの子がマツモトさんの妹?」
花「そうかも…」
花・ノア「ん~…」
花「ぷ」
ノア「へへっ」
友奈「バーン!」
みやこ「え?なあに、それ?」
友奈「ばーん!」
みやこ「んん~…?」
松本「あっ!ゆう!」
ひなた「お?」
みやこ「ん?」
友奈「おねえ!」
犬のみやこ「ヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッ…」
みやこ「松本さん?」
ひなた「松本~!」
友奈「おねえ~!」
松本「ゆう~!よかった~」
ひなた「へへ~…」
みやこ「ふふ」
犬のみやこ「ワゥ…ヘッヘッ…ゥワウヘッヘッ…」
ノア「マツモトさん、やさしいお姉ちゃんだね」
花「うん」
ひなた「うっ!この子、松本の妹なのか…?」
友奈「へへへへ~おて!おて!」
犬のみやこ「クゥ~ン…」
松本「そうよ?」
ひなた「つまり松本も私のお姉ちゃんだった…?」
友奈「よぉ~し…おて!」
犬のみやこ「ワン!」
友奈「おかわり!」
犬のみやこ「ワン!」
みやこ「何言ってるの?」
犬のみやこ「ワン!」
松本「私がひなたちゃんのお姉ちゃん?それってつまり…私知らないうちにみやこさんと家族に!?」
みやこ「え?」
松本「まあっ!うれしい」
みやこ「う…うん…」
犬のみやこ「ヘッヘッヘッヘッ…ワウ!ヘッヘッヘッヘッ…」
ノア「あのワンちゃんがミヤコって名前だってことをミャーさんに…」
花「んん!…🤫」
ノア「ん?」
花「知らないほうが幸せなことってあるよ」
ノア「んぉ~…そうだね!」
みやこ「そういえば、その子、私のこと知ってたんだけど…名前とか顔とか…」
松本「あ~、私の持ってる写真で、みやこさんの顔見てるから」
みやこ「写真で?あ~…卒業アルバムとかかな」
友奈「おねえ、みゃーこのしゃしんいっぱいもってる」
みやこ「えっ、いっぱい?」
友奈「みゃーこが、ホワイトリリィになってるやつとか」
みやこ「ん…?えっ?ホワ…えっ?なっ…えぇっ!?いっ…ぃいつ撮ったの!?」
松本「うふっ」
みやこ「あぁ…ああ…」
ノア「見つかってよかったね!」
ひなた「おう!」
みやこ「花ちゃんとノアちゃんも来てたんだ」
松本「一緒にゆうのこと捜してくれたの」
みやこ「そうなんだ」
松本「ほらゆう、お姉ちゃんたちにお礼は?」
友奈「お姉ちゃん…あーと…」
花・ノア「はわゎ…!」
ひなた「くぅゎ~!か~わいいな~!」
友奈「ひなおねえちゃん!」
ひなた「くう~ぅ~!」
犬のみやこ「ワン!」
ノア「カワイイ…ミャーさんのハナちゃんに対する気持ちが少しわかったかも…」
花「うん。…ん?」
松本「それじゃあ、私たちはこれで」
友奈「バイバイ!」
犬のみやこ「ワン!」
ひなた「おーう!」
ノア「バイバーイ!」
花「👋😶」
みやこ「👋🙂」
みやこ「私たちも帰ろうか」
ひなた「え~まだ遊びたい!花とノアにも会えたし…」
みやこ「分かるけど、お母さん待ってるから…そろそろ帰らないと怒られるよ」
ひなた「かまわん!」
みやこ「かまって…それに怒られるの私だけだから」
ひなた「マジでか!なら早く帰ろう」
ノア「アタシたち、まだ来たばっかりだから、もうちょっとあそんでくね!」
ひなた「おう!」
ひなた「じゃあ花、ノア、またな!」
ノア「あっ、帰る前に…はいっ!」
ノア「ミャーさんお手」
みやこ「えっ?」
ノア「お手!」
みやこ「あぁ…見てたんだ…はい…ふふ」
ノア「えへへ…おかわり!」
みやこ「うぅ…はいはい」
花「おお…えらい」
ノア「バーン!」
みやこ「え?」
ひなた「や~~ら~~れ~~た~~…」
みやこ「えっ…ひなた!何やってんの、平気?」
ひなた「平気だぞ、みゃー姉」
みやこ「うん…」
ノア「ヒナタちゃーんミャーさん、またねー!」
みやこ「またね~」
ひなた「またな~」
みやこ「なんでみんな私にお手させたがるんだろう?」
花「ふふふ…」
ノア「えっへへ…服、見に行く?」
花「いいけど…」
花「私が犬苦手なの内緒にしてね」
ノア「え、どうして?」
花「人に苦手なこととか知られるの、あんまり好きじゃないから」
ノア「え~、そういうの見せてったほうがカワイイよ!」
花「私は別に可愛く見られたいわけじゃないし」
ノア「そっか~…それじゃあ…」
ノア「アタシとハナちゃんだけの、ヒミツってことね!」
花「うん、そういうこと」
みやこ「今日は楽しかった?」
ひなた「超楽しかった!花とノアにも会えたし、妹にも会えた!」
みやこ「うん。これからは、時々こうやって遊ぼうか」
ひなた「えぇっ!みゃー姉!大好きー!」
みやこ「あぁ…はいはい。私も、ひなた大好きだよ」
千鶴「ふぅ…」
みやこ「うっ…うぅ…」
ひなた「うぅぅ…」
千鶴「どうして生地買ってくるの、服買ってきなって言ったでしょ!」
みやこ「結局怒られた…」

友奈「みゃーこ、バーンちてくれなかった!おてと、おかわりはちてくれた!」
松本「よかったわね」
友奈「にゅふん…」
松本「でも、あんなところで出会うなんて…やっぱり私たち、運命なのかしら。ふふっ…ひひん…ひひひひひ…」
友奈「ん?」
松本「ふふっフフヒヒヒヒ…」
友奈「おねえ?」
千鶴「う~ん、ここも片付けないとな~…ん?」
千鶴「ん…あ~アルバム。こんなとこに…」
千鶴「ん~…あ…あっ…ふふっ…」

友奈「みゃーこ!おしゃんぽ!」
みやこ「わ…私と?分かった。行こっか、お散歩」
友奈「バーン!」
犬のみやこ「アン!」
みやこ「な…なに?」
友奈「次回『私が寝るまでいてくださいね』みてね!」

9話 私が寝るまでいてくださいね

ノア「じゃ~ん!ママが映画のチケットくれたから、みんなで行こ!期限が明日までなの~」
みやこ「ああぁ、私明日は大学の課題やらないといけないから…ごめんね」
花「私もおばあちゃんち行くから行けない」
ノア「ええええぇ~…」
ひなた「私は行けるぞ!二人で行くか!」
ノア「ええっ!?」
ノア「ヒナタちゃんとアタシの二人…それって…」
ひなた「へへ~」
ノア「…デート!?」

目覚まし「meow…meow…meow…meow…meow…meow…」
ノア「うんん~~ふぃっ~…」
ノア「うん~ふん…」
ひなた「ノア、おまたせ~」
ノア「あっ、ヒナタちゃん」
ひなた「おぉ~!今日の服かわいいな!」
ノア「あっ、ありがとう…えへへへ…」
ひなた「ん?なんかノア、元気ないな。やっぱ今日やめとくか?」
ノア「えぇっ?そんなことないよ?ほら、元気元気!」
ひなた「じゃあ行くか!」
ノア「うん!行こう行こう!」
ひなた「そういや今日は何見るんだ?」
ノア「行ってから決めようかなって、ヒナタちゃんは何か見たいのある?」
ひなた「そうだな~…『ホワイトリリィ』!みゃー姉が見たいって言ってた!」
ノア「ミャーさん大人なのに…ミャーさんらしいけど」
ひなた「だから見て内容教えてやるんだ!」
ノア「それたぶん怒られるよ」
ノア「次の回は13時からだって」
ひなた「少し時間あるな、先にお昼食べに行くか」
ノア「あっ!おっ…お昼ごはん作ってきたんだけど…食べる?」
ひなた「自分で作ったのか~!?すごいな!食べる食べる!」
ノア「えへへ…」
ノア「簡単なサンドイッチだけど…」
ノア「えっ!?なんで…?あっ!アタシのバカ!」
ひなた「あむ…」
ノア「こっ…こんなぐちゃぐちゃじゃ食べれないね…やっぱり、どこかへ食べに行こうか」
ひなた「うん、んまい!もう一個、たべてもいいか?」
ノア「もぉ~ヒナタちゃん、そういうとこだよ~…」
ひなた「ん?」
ひなた「ごちそうさま、作るの時間かかったろ」
ノア「えっ?ううん、全然、こんなのすぐだよ」
ひなた「そうなのか?すごいな、ノア」
ノア「ほんとはすっごく時間かかった…」
ノア「あぁ~もう間に合わない~!うぅ…」
エミリー「^^」
ノア「すっごく大変だったけど…」
ひなた「はぁ~うまかったな~」
ノア「へへっ…」
ひなた「そろそろ中入るか?」
ノア「そうだね!」
ひなた「真ん中のいい席取れたな」
ノア「うん!」
ノア「入り口でもらったこの光おもちゃ、何だろう」
ひなた「おっ、始まるぞ」
ノア「うん…」
悪役「😁」
ホワイトリリィ「っ…くっ…」
悪役「😁」
マスコット「リリィ!よけて!」
ホワイトリリィ「っ!…たぁーっ!」
ホワイトリリィ「あっ…ぁあぁーっ!」
ノア「ふわぁ…早起きしたから眠たい…うぅん…うん…」
ホワイトリリィ「っ…攻撃が効かないなんて!あっはっ…っく、ぐぅっ…うっ…」
子供たち「頑張れー!」
ひなた「頑張れー!」
ノア「はっ」
ホワイトリリィ「みんな!ホワイトリリィを応援して!」
ノア「あれ?いつの間にか寝ちゃってた…」
子供たち「(声援)」
ひなた「うおー!いけー!頑張れー頑張れ!うぉーいっけー!」
ノア「ていうか何かうるさ…」
ひなた「うぉー!頑張れー!」
ノア「うぁっ!…」
ひなた「いっけー!ボディだ!ボディを狙えー!」
ノア「凄い…うぅん…」
ひなた「そうだ!そこだ!いっけー!」
破壊音「破壊音」
歓声「歓声」
人々「ガヤガヤ」
ひなた「最後凄かったな!」
ノア「うん、すごかったね!…ヒナタちゃんが…」
ノア「それで、この後どうしよっか」
ひなた「そうだな、とりあえず…なんかのど乾いた」
ノア「だろうね…」
ひなた「ちゅ~(吸う音)」
ひなた「はぁ~…ノアはこの後行きたいとこあるのか」
ノア「ヒナタちゃんがいいならお買い物行きたいな~、お洋服とかアクセサリーとか!」
ひなた「おう!いいぞ!」
ノア「あっ!これカワイイ!」
ノア「うぅぅ~ん…はぁ…」
ひなた「買わないのか?」
ノア「もうあんまりお小遣いないから、今は我慢!」
ひなた「『オシャレは我慢』ってやつだな!」
ノア「違うと思う」
ノア「行こう!」
ひなた「いいのか?」
ノア「うん!…」
ノア「おお!」
ひなた「どうした?…ひげろーグッズだ」
ノア「アタシがあんまり知らないだけで、もしかしてこのキャラ、人気あるの?」
ひなた「無いんだけど、なんでか熱狂的なファンが多いらしい」
ノア「あぁ…ハナちゃんみたいな…」
ひなた「花におみやげ買ってってやるか」
ノア「いいなあ…」
ひなた「えっ、もしかしてノアもこれ欲しいのか」
ノア「それはいらない」
ひなた「そっか?じゃあ買ってくるから、どっか見てていいぞ」
ノア「うん!それじゃあ、あっちのお店見てるね」
ひなた「おう!」
ノア「…」
ノア「ヒナタちゃんからのプレゼントかぁ…」
ひなた「おまたせーノア!」
ノア「あっ!おかえり」
ひなた「はい、これ!」
ノア「なに?」
ひなた「サンドイッチと映画のお礼だ」
ノア「えっ!?開けていい?」
ひなた「おう!さっきノアが欲しがってたやつだぞ」
ノア「それってまさか…!」
ひげろーグッズ「…」
ノア「うわぁ~…うれしいなぁ…」
ひなた「うぁっ、それ花のやつだ、ノアのはこっち」
ノア「おぉっ…」
ノア「えへっ…」
ひなた「んっ?どうした、それじゃなかったか?ほかのに変えてもらってくるか?」
ノア「ううん、これがいい…ありがとう、ヒナタちゃん、すっごく嬉しい!」
ひなた「そうか、よかった!」
ノア「…」
ひなた「ん?」
ノア「ねえ、カワイイ?」
ひなた「おう!かわいいぞ!」
ノア「えへへへっ!ありがとう!」

花「わぁ~ひげろーだ!ありがとう、嬉しい!」
ひなた・ノア「へへっ…」
みやこ「おやつできたよ~」
ひなた「おう!」
ノア「やったぁ!」
花「今日のお菓子は何ですか?」
ひなた「あ~むっ…うんうん…」
花「…(咀嚼)」
みやこ「今日はサーターアンダーギーを作ってみたよ」
ノア「アタシ、これ始めて食べたかも!」
花「はむはむ…ん…」
みやこ「ん?なにそれお母さん」
千鶴「んー、アルバム。整理しようかと思ってね」
花「あのアルバムって、お姉さんの昔の写真とかあるんですよね?ちょっと見てみたいかも」みやこ「あっ…!だっ…ダメーッ!」
花「えっ?」
みやこ「あっ…あいや…っ、子供の頃の写真見られるのって恥ずかしいから…できれば見られたくないなぁ~っていうか…」
花「そうですか。でも残念ながら、手遅れですね」
みやこ「え?」
千鶴「ほーらこれ、幼稚園の頃のみやこ」
ノア「どれ~?ミャーさんカワイイ!」
ひなた「😌」
花「ほんとだ、可愛い…」
みやこ「ああぁ~…」
千鶴「でっしょ~?このころは大人しくてかわいくて、近所でも『みやこちゃんは天使のようだね』って評判だったんだよね~、本当にもう…」
千鶴「どうしてこんなになっちゃったのか…」
みやこ「お母さん、顔に出てるよ」
ノア「あっ、この写真!」
ひなた「ん?おぉっ!私だ!」
ノア「赤ちゃんのヒナタちゃん、カワイイなぁ~」
花「あぁ…もうお姉さんに懐いてる」
千鶴「で、これが中学2年生の頃。このころのは面白いわよ~」
みやこ「うわあああぁっ!」
千鶴「お?」
みやこ「そっ…それだけはダメ~!」
千鶴「おぉっと」
ノア「ん~?」
花「ん~…目、ケガしたんですか?」
ノア「…マフラーも長い…」
千鶴「ファッションらしいわよ」
みやこ「ああああああ!!ああ~あぁ~…」
ノア「これは?」
花「あ、普通になった」
ノア「もう今のミャーさんに近いね、髪長いけど」
千鶴「い~や、このころもこの…」
みやこ「もう黙ってて!お願いだから!」
千鶴「カラーコン…」
みやこ「や゛め゛てぇえええ~っ!!…堪忍して~」
ひなた「みゃー姉大丈夫か?」
千鶴「ごめんごめん」
花「うぁっ…」
ノア「なに?」
花「いや、この写真のここ…」
ノア「うわっ、マツモトさんだ…やっぱりアブナイ人だったね…」
花「うん…」
ひなた「あっ、これ私の誕生日だ」
みやこ「あ~」
千鶴「懐かしいねえ」
花「それにしても、お姉さん、家族以外だと一人で写ってるのばっか」
ノア「そういえば…」
花・ノア「…」
ノア「ミャーさん」
みやこ「ん?」
ノア「アタシたち、友達だからね!」
みやこ「えっ?…うん、ありがとう…」
ひなた「はははっ」
ノア「えへ、えへへへ…」
ノア「でもこの中学生の制服、カワイイね」
千鶴「まだ取ってあるから着れるわよ」
ノア「着たい着たーい!」
千鶴「ふーっ…分かった。ちょっと待っててね」
みやこ「制服まだ取ってあるんだ」
千鶴「まあね。ひなたの時に使えるかもしれないし、それに制服も子供との大事な思い出だからね。簡単には捨てられないわよ」
みやこ「お母さん…」
千鶴「眼帯もマフラーも残してるわよ、将来見せてやろうと思って」
みやこ「そういうのやめてよ…」
ノア「じゃ~ん!どう、どう?」
ひなた「カワイイな、似合ってるぞ!」
ノア「えっへへ~ん、ひゅ~ん、ふ~んふ~んへへ…」
花「でもブカブカで、ちょっとだらしなく見えない?」
ノア「逆にそれがいいんだよ~」
みやこ「分かる~」
花「なんなの二人とも…」
ひなた「ふんっ!どうだ!」
ノア「ヒナタちゃんカッコカワイイ!」
花「うぅ…」
ひなた「中学生になったら、みゃー姉とおそろいの格好するんだ」
みやこ・千鶴「恥ずかしいからやめて」
ノア「はやく中学生になりたいな~」
千鶴「みんなは中学生になったら部活とかするの?」
花「部活…」
ノア「アタシは歌うたうとこ!」
花「私は…お菓子自分で作れたらいいから、そういう系がいいな」
ひなた「私はみゃー姉が入ってたとこ入る!みゃー姉は何入ってた?」
みやこ「私?私は帰宅ぶっ…」
千鶴「✋」
みやこ「りっ…陸上部…かな~」
ひなた「じゃあそれ入る!」
花「みんなバラバラだね…」
ノア「中学生になったら今みたいにいっぱい遊べなくなっちゃうね、いつか仲良しじゃなくなっちゃうのかなぁ…」
ひなた「そうなのか?」
みやこ「大丈夫だよ。ちょっとくらい遊ぶ時間が減っても、仲良しは仲良しのままだから」
ひなた「みゃー姉…」
ノア「ミャーさん…」
花「お姉さん…」
千鶴「みやこが言っても説得力がないわね、悲しいことに」
みやこ「黙ってて!」
千鶴「はいはい。これしまってこよっかな~」
ノア「制服、最後はハナちゃんだね!」
花「私は着ない…うっ」
みやこ「ははぁ~…」
花「…」
ひなた「花って制服似合うよな~」
ノア「似合ってるし、カワイイんだけど…なんだろう…普通…?」
花「普通でいいでしょ、何がダメなの?」
ノア「別にダメじゃないけど、もうちょっと何か欲しいっていうか…」
花「何それ」
みやこ「ふっふっふ~…私の出番だね?」
花「違うので下がって」
ノア「ハナちゃん、良いからミャーさんの言うとおりにして!」
花「え…」
花「これ…」
みやこ「いいよ~花ちゃん!すごくいいよ~!」
花「いや…これ余計地味になってませんか?」
みやこ「逆にそれがいいんだよっ!」
ノア「わかるー!」
花「二人ともほんとなんなの…」
みやこ「花ちゃんと同い年で、同じ中学だったら…私も友だちになれてたかなぁ…」
花「突然こんなところに呼び出してごめんね。実はね、私…あなたのことが…」
みやこ「いやこれ、なんか違う~うぅ~!」
花「ん?」
ひなた「ん」
ノア「んぉ?」


カラス「カーカーカーカー」
トランプ「パサ」
ドア「(開く音)」
花・ひなた・ノア「ん?」
みやこ「ひなた、お母さん今日遅くなるらしいから、晩ご飯私が作るけど何か食べたいものある?」
ひなた「みゃー姉のご飯だ!」
ノア「ミャーさん、普通の料理もできるんだ」
ひなた「みゃー姉のご飯は世界一だぞ!一度食べたらもうみゃー姉のご飯のことしか考えられなくなる。時々食べないと震えてくるからな」
花「それ、危ないもの入ってない?」
ノア「でも、そこまで言うなら食べてみたいかも!」
ひなた「なら、今日泊まって食べていくか?」
ノア「こんな急にいいの?」
みやこ「あ~、別にいいよ」
ひなた「花も泊まるか?」
花「泊まるのはたぶん大丈夫だけど、泊まる用意しに一回帰らないと。パジャマとかいろいろ…」
みやこ「あ~っ!花ちゃん用のパジャマとかいろいろ作ってあるから、大丈夫だよ」
花「別の意味で大丈夫じゃないんですが…」
みやこ「…あっ、はい、では…んんっ!」
花「うん、大丈夫。じゃあねお母さん」
みやこ「はぁ~っ!」
ひなた「みゃー姉、頑張った!」
ひなた「泊まっていいって?」
花「うん」
ノア「お泊まりセット持ってきた」
ひなた「よーし、これでオッケーだな」
みやこ「それじゃあみんな、何食べたい?」
ノア「オムライス!」
ひなた「カレー!」
花「アップルパイ!」
みやこ「おやつじゃなくて晩ご飯の話だよ、花ちゃん」
花「はい!この間作ってくれたアップルパイおいしかったので、晩ご飯はアップルパイでお願いします!」
みやこ「そっか~…花ちゃんは大きくなっても一人暮らししないようにね」
みやこ「みんなの意見をまとめてカレーオムライスにしたよ」
花「あぁ…」
みやこ「カレーには花ちゃんのリクエストの、リンゴが入ってるから甘くておいしいよ」
花「わぁ!」
花・ひなた・ノア「いっただっきまーす!」
花・ひなた・ノア「はむ…ふんふんふん…」
ノア「わぁ!おいしい!ミャーさんほんとにお料理も上手なんだね!」
花「はむんむんむんむ…はむんむんむんむ…(咀嚼)」
ひなた「なっ!世界一だろ?」
花「はむんむんむ…」
ノア「ミャーさんはいいお嫁さんになれるね!」
ひなた「うぇっ!?」
みやこ「えぇっ、そうかなぁ~?」
ひなた「バン!」
ノア「うぉ!」
ひなた「みゃー姉は嫁にやらんぞ!むぅ!」
ノア「なんで親目線なの…?」
ノア「オムライスおいしかったね~」
花「うん」
みやこ「お風呂沸いたから入っちゃって」
ひなた「はーい」
花・ノア「う~ん…」
ノア「なんか今日のミャーさんしっかりしてるね!」
ひなた「お母さんが家にいない時はいつもあんな感じだぞ!そういう時は家事も全部みゃー姉がやってる」
ノア「へぇ~偉いね、意外!」
花「うん」
ひなた「お小遣い貰えるんだって」
花「感心して損した」
ノア「あっはははぇ…うわっ」
ひなた「命中!」
ノア「んもう!ヒナタちゃんったら!えい!」
ひなた「うおぉ!えい!」
ノア「あぁん!」
ノア「やったな~えい!」
ひなた「うぉお~!」
花「お姉さん、意外と偉いのかも…」
ひなた「えい!」
花「うっ!うう…」
ひなた「ひっひひ…」
ノア「うぉ…」
花「もう…やめて」
ひなた・ノア「あははは、ははは…」
ノア「ミャーさんの作ったハナちゃんのパジャマ、カワイイ!」
ひなた「似合ってるぞ」
花「そう?」
みやこ「うんうん!すごく似合ってる!」
花「はぁ…」
ノア「ねえみんな、夜だしせっかくだからぁ、ホラー見よう!これ持ってきたの!」
花「えっ!?」
みやこ「ノアちゃんがホラーって意外」
ノア「まだまだ甘いねミャーさん、ホラーはね、カワイイ服と同じなの!」
みやこ「うん?」
ノア「ホラー見て怖がってるといつもよりカワイく見えるんだよ!」
みやこ「その考えがもう可愛くないよね」
花「ねえ、本当に見るの?」
ノア「うん!」
西宝「西宝…SIRENT」
ノア「ほら、始まるよ!」
ひなた「お~う」
ゾンビ「うぉぉぉぉ!」
ノア「きゃーっ!」
花「うぅぅぅ…」
みやこ「もしかしてホラー苦手?」
花「いえ別に…ホラーとか子供っぽいから興味ないだけです。そもそもあんなの作り物だし、幽霊とかいるわけない。もしいるとしたら、もう発見されて…今頃はどういうものか解明されて…」
ゾンビ「ウォォォ…」
花「きゃぁ…」
みやこ「おぁっ、ノアちゃんが言ってたのはこういうことね!可愛い…」
少女「誰か…誰かいますか?」
花「ううう…」
みやこ「あっ…あぁ…」
警官ゾンビ「うぉおおおお!」
少女「きゃぁあああ!」
花「うぅぅ…!」
みやこ「あぁっはぁ!」
花「…はぁ…」
みやこ「わっ!」
花「ひゃあぁぁ!」
花「うっ…」
みやこ「…」
ひなた・ノア「…」
花「ううぁ…うっうぅぅ…」
みやこ「ご、ごめんね…出来心で…」
ゾンビ「うぉぉおぉ…」
花「きゃぁぁあ!」
みやこ「わぁっ!」
みやこ「ああああ…!何ぃ!?」
花「あぁっ!」
みやこ「ぁっはは…はぁ…はぁ…」
花「す…すみません、いきなり…」
みやこ「…はぁ…はぁ…きっ…気にしないで…むしろごちそうさまです」
花「うわぁ…」
花「ん~…っ…さっきのホラー思い出して眠れない…うっ…ト…トイレ行きたくなってきちゃった…」
花「ふ…二人とも起きてる?」
ひなた「か~…」
ノア「う、う、う、う…う」
花「うわ…ひどい」
みやこ「さっきのでまた花ちゃんに引かれたかな…せっかく最近仲よくなれたんだから、嫌われないように気をつけないと…」
ドア「ギギギ…」
みやこ「ん?」
花「…」
みやこ「うぅぅわぁっ!」
花「あの…」
みやこ「あっ?」
花「お姉さん?」
みやこ「びっくりした!どうしたの花ちゃん」
花「その…トイレ…二人とも寝ちゃってて」
みやこ「あぁ~ホラー見たから」
花「ちっ、違います!もともと夜に一人でトイレに行けないだけで、ホラーが怖いとかそういうんじゃないですからっ!」
みやこ「落ち着いて花ちゃん、いいよ」
花「あぁ…」
みやこ「じゃあ、行こう」
花「お、終わるまでここにいてくださいね」
みやこ「大丈夫だよ、待ってるから」
花「絶対ですよ!」
みやこ「なんだったら私が手伝ってあげようか?」
花「…ううぅ…」
みやこ「本気で引いた顔やめて、冗談だから」
花「日頃の行いをよく考えてから言ってください」
みやこ「あぁ…す、すみません」
みやこ「それじゃあ、おやすみ」
花「あっ…」
みやこ「ん?」
花「あの…」
花「私が寝るまでいてくださいね」
みやこ「はいはい。なんかこういうの、少し懐かしいな」
花「懐かしい?」
ひなたの「す~ひ~す~す~す~ひ~す~」
みやこ「ひなたが小さい頃、私と一緒じゃなきゃ眠れないってよく泣いてね、こんなふうに寝るまでそばにいたんだ」
花「なんか、今のひなたとあんまり変わらないですね」
みやこ「困ったことにね~」
花「でもいいですね。私一人っ子だから姉妹のそういうの、少し憧れます」
みやこ「じゃあ、私のことをお姉ちゃんと思っていいよ」
花「は?」
みやこ「あぁ…あ、いや、花ちゃんがそれで安心して眠れるなら、いいかなって」
花「そうですね。それじゃあ寝るまでそばにいてね」
みやこ「へ?」
花「みやこお姉ちゃん」
みやこ「ああっははぁっ!」
ひなた「か~…す~か~…」
みやこ「おねえ…ちゃん…みやこ…お姉ちゃん…」

松本「もうすぐみやこさんと私の記念日…」
松本「一針一針…心を込めた私からのプレゼント!おほっ…おほほ…うへへ…うへひゃはっはっは…うへひゃはははは…っへへ…ぐふふ…」
友奈「あぁ…」

ノア「ヒナタちゃん!明日のお弁当何がいい?」
ひなた「なんでもいいぞ!ノアの作るものはなんでもうまいからな」
ノア「だからそういうとこだよ~」
ひなた「次回『また余計なこと言っちゃった』お楽しみに!」

10話 また余計なこと言っちゃった

ノア「うぅ~ん…」
花「ん?どうしたの?」
ひなた「おっ、そうきたか」
ノア「髪がいいカンジにならなくて…」
花「やってあげようか?」
ノア「いいの?」
花「ふんふんふ~ん♪できた!」
花「ふふん!」
ひなた「はは…」
ノア「そういえばハナちゃん、ぶきっちょなんだった…」

ノア「ヒナタちゃん、髪、できる?」
花「え?」
ひなた「できるけど、みゃー姉のほうがうまいぞ」
ノア「そっか…ミャーさん器用だもんね」
花「ん?」
ドア「コンコン」
みやこ「はーい、どうぞ~」
ドア「ガチャ」
みやこ「はーいどうぞ~」
ノア「ミャーさん、髪やって」
みやこ「んー?いいよ~…うわっ!ノアちゃんどうしたのその頭!?」
ノア「え~…」
みやこ「こんな…ひどい…ひどすぎる」
花「…」
みやこ「それで、どんな風にする?いつもと同じ?」
ノア「ミャーさんにおまかせ!」
みやこ「ん~ノアちゃんが気に入りそうな髪形…じゃあ…」
みやこ「…よし、できた!これでどう?」
ノア「わぁ~!」
ノア「さっすが!すごーい!」
みやこ「ありがとう」
ノア「さっすがアタシ!超カワイイもう、どうしよ~」
みやこ「ん…はは…」
ひなた「うおーノア、ふわふわだ~」
ノア「どう?カワイイ?」
ひなた「超カワイイ!」
ノア「やったぁ!」
ひなた「みゃー姉、私も髪やって」
みやこ「別にいいけど、どんなの?」
ひなた「みゃー姉はどんなのが好き?」
みやこ「う~ん…坊主?」
ノア「あぅ?」
ひなた「じゃあそれで」
ノア「あう!?」
ひなた「えへへっ…へへ~みゃー姉!ありがとう!」
ノア「よかった~坊主じゃなくて」
みやこ「さすがに冗談だよ」
ひなた「私はみゃー姉が好きなら坊主でもいいぞ」
みやこ「お姉ちゃん時々ひなたの愛が怖い時あるよ。女の子なんだから髪は大切にね」
みやこ「それじゃあ、私部屋に戻るね」
花「え…」
みやこ「えっ?」
花「あぁ…えっと、わ…私も、その…」
みやこ「あっ!かわぁぁ…」
みやこ「というか、花ちゃんが私に髪を触らせてくれるなんて…ちょっとは私のこと、よく思ってくれてるのかな」
みやこ「どんなふうにする?」
花「私もお姉さんにお任せします」
みやこ「分かった、任せて!」
みやこ「きれいな髪だな、サラサラだし…それに、なんか…」
みやこ「…」
花「まだ始めないんですか?」
みやこ「ひぃっ!?え?あいやえ、えと…ど…どんなふうにするかまだ考えてて…」
みやこ「何してるの私!どんな感じがいいとかない?」
花「うーん…せっかくなので、自分じゃできないようなのとか」
みやこ「うん!分かった」
みやこ「…はい完成」
花「ふふふっ」
花「ありがとうございます、お姉さん!」
ノア「ハナちゃんもカワイイ~」
ひなた「さっすがみゃー姉」
ノア「だね!」
花「やりますね!」
ノア「なんで上からなの?」
花「別に…」
ひなた「花、照れてるのか?」
花「違うから…」
みやこ「はぁ…なんであんなことしちゃったんだろう」
ひなた・ノア「(抱きつく」」
みやこ「あっ…」
ノア「へへっ…」
ひなた「へへ…」
ノア「それじゃあ次はミャーさんの番だね!」
ひなた「だな!」
みやこ「え?」
花「こないだ私があげたプレゼント、覚えてます?」
みやこ「えっ、あのヘアピン?」
花「せっかくあげたのに全然使ってくれないじゃないですか」
みやこ「あっいや、使うのがもったいないから、大事にしまってあるだけで…たまに出して眺めてるんだ」
花「いや…眺めてちゃ意味ないでしょ…私お姉さんの前髪気になってたんです。だからヘアピンをあげたんですよ?」
みやこ「ええっ…」
花「ふふふ…」
みやこ「…!」
花「やっぱり!目、出したほうがかわいいですよ」
みやこ「えっ…!いやっ…ぅぅ私、目を合わすの苦手だからっ…ちょっと無理っていうか…」
花「私たちでもですか?」
みやこ「え?分かんないけど…とりあえず花ちゃんは無理、かな…」
花「えっ」
ひなた「私は大丈夫だよなっ?みゃー姉」
みやこ「ああ~うん、ひなたはさすがに…」
ノア「じゃあアタシは?ミャーさん」
みやこ「ちょっと恥ずかしいけど、大丈夫かな」
ノア「へへへ~ん」
花「えっ…お姉さん、私は?」
みやこ「花ちゃんは…やっぱりちょっと…」
花「もういいです!ひなた!ノア!お姉さん押さえてて、私が髪やる!」
花「んんっ」
みやこ「え?あぁっちょっ…」
花「んんん~…」
みやこ「ちょっと…花ちゃん近い!」
花「黙っててください。目が合うのが嫌なら、目をつぶればいいじゃないですか」
みやこ「はっ、はいぃ…」
みやこ「でも、なんで花ちゃんだけ無理なんだろう?そういえば初めて会った時もそうだった。花ちゃんのことを考えたら、もにょっとして…」
花「できました」
みやこ「あ…っ…」
髪「^^」
みやこ「ん?なっ…ええっ…!?」
ひなた「ひでえ…」
ノア「ヒドい…」
花「…ふぅ~…上手くできた」
ノア「さ、さすがにワザとだよね…?」
花「ん、何が?」
ノア「えっ…」

みやこ「ふ~んふんふっふっふっふ~んふ~ん…んん~っ…もう!なんで?なんで着けると恥ずかしくなっちゃうの?」
みやこ「はぁ~…」
松本「それ、花ちゃんって子にもらったやつ?」
みやこ「うん…」
松本「みやこさんって、あの子のこと特別扱いしてるわよね、どうして?」
みやこ「どっ、どうしてって、それは…ん?」
みやこ「えっ!?どっ…どうしてここにいるの!?」
松本「みやこさんがいるから?」
みやこ「ん?ん、そういうことじゃなくて…っていうか、どうやって入ったの?」
松本「えっ…窓から」
みやこ「通報!通報しなきゃ!ぁぁぁぁ…」
松本「冗談冗談!普通に玄関から入ったから安心して」
みやこ「っ安心できる要素ないんだけどぉ!?」
松本「ちゃんとお母様に入れてもらったわよ~」
みやこ「後でちゃんとお母さんに言っておこう…」
みやこ「それで、何しに来たの?」
松本「ええっ?!みやこさん、今日のこと忘れちゃったの?」
みやこ「えっ?…なんか約束してたっけ?」
松本「今日で丁度、みやこさんと私が出会って二年目じゃない!」
みやこ「あ~、私の知らないやつか」
松本「でね、記念日だから、プレゼント用意したの~」
みやこ「え?」
松本「じゃ~ん!洋服一式!」
みやこ「重い…」
松本「これね、全部私がみやこさんに合わせて作った手作りなのよ~!」
みやこ「…」
松本「私だと思って着てね!」
みやこ「なんかもう…なんかもう、いろいろ重い…」
みやこ「あ…ありがとう…でも私、何も用意してないや」
松本「あっ、私が勝手にやっただけだから気にしないで~。あー、でもみやこさんがそこまで言うなら…」
みやこ「何も言ってないけど…」
松本「この間作ってた、みやこさんの変身セット…私も欲しいなぁ~…なんて」
みやこ「何でそのこと知ってるの?…とか、そういうのもう気にしないようにしよう。でも、あれはサイズが子供用だから」
松本「そっか~…なら、今着てるやつでいいわよ!」
みやこ「えっ?いいいやええと…それは困るからぁ!」
松本「大丈夫!ここに私が作ったやつがあるから!サイズも寸分違わず同じです」
みやこ「じゃあそれでよくない?」
松本「なんと~今なら同じのがもう一着!」
みやこ「うん…いらない」
みやこ「い…今、こんなのしかないけど、これでいい?」
松本「わあっ!ありがとうみやこさん…一生大切にするわね」
みやこ「早めに食べてね」
松本「もっちろん!このクッキーはいわばみやこさんそのもの!一枚一枚心を込めて…いや、熱情を込めて大切にいただくわ!そして私の血肉となって一生体の中を巡り続けるのよ」
みやこ「発想がやばい…」
ドア「(開く音)」
ひなた「みゃー姉、ただいま~」
みやこ「あっ」
ひなた「おぉっ、松本!」
松本「ひなたちゃん」
松本・ひなた「いぇ~い!うぇ~い!」
ひなた「松本イェーイ!」
松本「うぇいうぇーい!」
ひなた「はっはっはっは!」
松本「イェーイ!」
ひなた「イェーイ!」
松本「イェーイ!」
ひなた「松本イェーイ!」
ノア「いつの間にあんなに仲良しに…?」
花「特殊な共通点があるからでしょ、お姉さんっていう」
花「お姉さん、顔色悪いけど大丈夫ですか?」
みやこ「あっ、うん大丈夫…あっ」
松本「みやこさんってあの子のこと、特別扱いしてるわよね」
みやこ「うぅ~…」
花「顔、気持ち悪いけど大丈夫ですか?」
みやこ「うぅ…ん?なんかニュアンス違くない?」
花「違くないですね」
みやこ「えぇっ?そ、そう?」
花「はい、大丈夫ですか?」
みやこ「あぁ…うん、大丈夫…」
松本「ねえひなたちゃん、あの二人ってどういう関係?」
ひなた「みゃー姉と花?そうだな…松本と、みゃー姉みたいな関係だな」
松本「えっ?それってつまり…心の友ってことね?」
ひなた「えっ?…そうだな!」

みやこ「朝から並ばないと買えないシュークリーム?」
花「はい。限定30個、どうしても食べてみたくて。でも朝から子供だけで行くのはダメだ、ってお母さんが…なので明日の日曜日、ついてきてくれませんか?」
みやこ「いいけど…わっ、私そんなおしゃれそうな店で、注文とかできないからね?」
花「その辺は期待してないから大丈夫です」
みやこ「並びそうだし、四人で行くとちょっと迷惑かもね。持ち帰りだし行くのは2人で十分かな。私ともう一人」
ひなた「なら、じゃんけんだな!勝ったやつがみゃー姉とお出かけできる!」
花「むぅ!絶対負けない!お姉さんと一緒に行くのは私!」
みやこ「はっ…花ちゃん!?」
花「私は絶対勝って、できたてを食べる!」
ひなた「しゃぁあああ!」
花「ふん~!」
ひなた「しゃぁあああ!」
みやこ「ですよね…」
花・ひなた・ノア「じゃんけんぽい!」
花「✊」
ノア「✌」
ひなた「✌」
ひなた「わぁああああああ!!!!!」
ひなた「私がみゃー姉と出かけたかった~!」
みやこ「うるさ…」
ひなた「ううぅ…もう1回!もう1回勝負してくれ!」
花「えぇ~…」
ひなた「一生の頼みだぁ~うぅ…うぅぅ…」
花「しょうがないなぁ、次はないからね」
ひなた「うぅぅ~…うぅぅぅぅ…」
ノア「アタシは負けでいいや、二人でやって」
花・ひなた「じゃんけんぽい!」
ひなた「ちくしょぉおおおお…うぅぅぅぅうぇぇぇ…ううぇぇぇ…」
花「それじゃあ明日はよろしくお願いします。お姉さん」
みやこ「う…うん」
ひなた「ういっぇ○×△☆♯♭●□▲★※(泣き声)」
みやこ「っていうか、花ちゃんと二人でお出かけ?」
みやこ「ふ…服って、何着てったらいいんだろう…ジャージ…はダメとして…いつも大学に着ていってる服…いや、でもこんな地味なの…」
みやこ「あっ…そういえば松本さんがくれた服…」
松本「っはっしゅん!」
松本「…はっ!今、みやこさんが私のこと考えてる気がする!」
スズメ「チュンチュンチュンチュン…チュンチチチ…」
みやこ「ごめん花ちゃん、遅れて」
花「あっ?」
みやこ「き…着替えに手間取っちゃって」
花「…何のコスプレですか?」
みやこ「ちっ、違うよ!」
花「どうしたんですか?その服」
みやこ「え?いや~まあ…」
花「私があげたヘアピン着けてくれてるんですね」
みやこ「うぅ…うん。変…かな?」
花「いえ、素敵ですよ。今日のお姉さん可愛いですね」
みやこ「ほえっ…」
花「お姉さんて、やればできるんですね」
みやこ「あぁっ…」
花「それより早く行きましょう!限定30個、無くなる前に!」
みやこ「はっ…」
花「…何ですか?」
みやこ「花ちゃん…あ、あの…手、っ手…手が…」
花「手?あぁ、すみません。さあ、行きましょう」
みやこ「あぁっ…」
みやこ「い…言わなきゃよかったぁ…」
花「この辺りのはずなんだけど…」
みやこ「手…もう一回手を…しっ…自然に…」
花「う~ん…もう少し先かな?」
みやこ「あっ?」
警察官「あなた、確か…」
みやこ「はっ…!夏祭りの時の!ちっ…ち…違います…」
花「えっ?お姉さん?どこ行くんですか?」
婦警「姉妹か」
みやこ「はぁ…はぁ…はぁ~…危なかったぁ…」
みやこ「あっ?…ってあれっ?花ちゃんがいない。もしかしてはぐれた?」
みやこ「ととと…とりあえず連絡を…」
みやこ「あっ…スマホ忘れてきた…」
みやこ「どどどどうしよう…ええと…ええっと…はっ…花ちゃん…花ちゃん…どこぉ~?」
花「はぁ…はぁ…はぁ…子供ですか?」
みやこ「あっ…!花ちゃ~ぁぁん!」
花「はぁ…」
みやこ「はぁぁ…」
花「急いで追いかけてきてよかった」
みやこ「あっ…」
花「ほら、早く行きますよ。急がないと売り切れちゃう」
みやこ「あっ…手…!」
みやこ「あっ、また余計なこと言っちゃった…」
花「また勝手にどこか行かれても困るので、このままで我慢してください」
みやこ「はっ、はい」
こより「あっ!ここのシュークリーム、すっごくおいしいんだって」
かのん「へえ~。今度買いに来よっか」
こより「あっ…あれ。お姉さんと花ちゃん」
かのん「二人きりみたい。珍しいね」
こより「私たちも入りましょ!」
かのん「よりちゃん」
こより「ん?」
かのん「やめとこうよ。せっかく二人で楽しそうなんだし、そっとしといてあげよう」
こより「う~ん…そうね。また今度にしましょ」
かのん「うん!」
花「ふっふふ~ん♪ふっふふっふふ~ん♪」
みやこ「買えてよかったね」
花「はいっ!」
みやこ「ふふっ」
花「そこで一つだけ食べていきませんか?」
みやこ「いいよぉ」
花「やったぁ!」
みやこ「こんなテンション高い花ちゃん、珍しいな」
花「お姉さん、早く!早く食べましょう!」
みやこ「なにこの可愛い生き物…」
花「いただきます」
花「はむ…ふんふんふん…」
みやこ「どうしたの?おいしくなかった?」
花「いえ、すごくおいしいです。おいしいんですけど…お姉さんのシュークリームの方が、私は好きだな…って思って」
みやこ「へぇっ!?」
みやこ「作るよっ!帰ったらたくさん作るよっ!」
花「ほんとですか?ありがとうございます。でも、いつかお姉さんのお菓子、食べられなくなる時が来るんですよね…?お姉さんが家を出て、遠くに行っちゃったりしたら…」
みやこ「ふっ…」
みやこ「花ちゃん」
花「あぁっ」
みやこ「大丈夫だよ。前にも…言ったけど、きっと二十年先も花ちゃんと私は一緒だし。それに、私はずっとあの家にいるから、いつでも来てね!」
花「それはそれでどうなんですか?自立したほうがいいと思いますよ」
みやこ「あぁっ、はい。すみません…んじゃなくて!」
みやこ「私が将来家を、出ても、出なくても、一緒…っていうか…ええと…だから…つまり…」
みやこ「私は一生!花ちゃんのためにお菓子作ってあげるからっ!」
花「一生?」
みやこ「あっ…ま゛っ…またなんか気持ち悪いこと言っちゃったね、ごめんね。今のは忘れて…」
花「はい」
みやこ「え?」
花「よろしくお願いします」
みやこ「んん~…はっ…花ちゃん…」
花「約束ですよ!お菓子一生食べ放題!」
みやこ「食べ…ほう…」
花「えぇへへへ~…ふふふふふ…ふふふふふゅ…」
みやこ「あぁはは…そういう意味ね」
花「帰りましょうお姉さん、ひなたとノアが待ってます」
みやこ「うん」
ドア「ガチャ」
松本「はあぁぁ~あぁぁぁぁ~っ!」
花「!」
ひなた・ノア「ん」
松本「みやこさんが私の作った服着てる~ぅ~!」
ひなた「みゃー姉、おかえり」
みやこ「ただいま…」
湯船「🛀」
みやこ「はぁ~…」
花「よろしくお願いします」
花「約束ですよ!お菓子一生食べ放題!」
みやこ「ふふっ…びっくりしたな~」
友奈「はーむっ…ん~…」
松本「カプ…んっあぁ…体の中にみやこさんを感じるぅ~」
友奈「はむっ…ふんふん…ん?」


こより「はい!それじゃあいよいよ、文化祭でやる劇の主役を決めるわよ!立候補した人、推薦された人は前に集まって」
かのん「当たった人が主役だよ。順番に引いてってね」
こより「一番は学級委員の私!てぇいっ!」
くじ「はずれ」
こより「そんなぁ~」
ノア「主役はカワイイアタシで決まり!クジも味方してくれるはず!」
ノア「えぇいっ!」
くじ「はずれ」
ノア「そんなぁ~」
ノア「ヒナタちゃーん、外れちゃった~」
ノア「アタシが主役やりたかったのに~」
ひなた「一緒に姉妹の役に立候補するか?」
ノア「あっ…うん、そうする!」
モブA「あぁっ、外れちゃったぁ…」
モブB「残念」
花「あっ」
くじ「あたり!」
かのん「はーい、劇の主役は、花ちゃんに決定!」
花「…えええ~…」
花「お姉さん、またジャージに戻ったんですか?」
みやこ「これが一番落ち着くんだよね~」
花「私もこの服が一番落ち着きます」
みやこ「花ちゃん、ブレないね」
花「次回『つまりお姉さんのせいです』見てください」

11話 つまりお姉さんのせいです


みやこ「花ちゃんが文化祭でやる劇の主役に選ばれた!?」
花「…はい」
みやこ「大変だ~ビデオ、ビデオカメラ買わなきゃ~」
花「親ですか?」

みやこ「花ちゃんが主役やるなんて意外」
花「はぁ~…ひなたが私を推薦したんです。それで、立候補してたノアやこよりとかと、主役をかけてくじを引くことになって…」
ノア「クジは外れたけど、アタシはヒナタちゃんのお姉さんの役ともうふたつ。三つも役をやるの!ふっふ~ん、すごいでしょ~」
みやこ「っそうなんだ。で、ひなたは、なんで花ちゃんを推薦したの?」
ひなた「主役が天使だからな」
みやこ「ん?」
ひなた「みゃー姉がよく花のこと、『天使』って言ってるからな。だから花がいいと思った」
花「つまり、全部お姉さんのせいってことですね。責任取ってください」
みやこ「ええぇっ、責任ってどうやって取れば…」
花「実は…劇の衣装、学校にあるやつじゃ足りなくて。それでクラスの誰かがこんなこと言いだしたんです。『ひなたのお姉ちゃんなら作れるんじゃないか』って、そしたらひなたが…」
ひなた「大丈夫だぞ!みゃー姉に任せろ!」
みやこ「ひなた!」
ひなた「うっ」
みやこ「そんな勝手なこと言ったの!?」
ひなた「うっ…だ、だって、みゃー姉はすごいってみんなに教えるチャンスだからぁ…」
みやこ「うぅ~~~ぅん…でも私が作るのはなあ…」
花「やっぱりダメですか?」
みやこ「ダメではないけど、どうせなら、自分たちで作ったら?分からないところとか、難しいところは手伝うから」
ノア「アタシたちで?」
みやこ「せっかくのお祭りなんだし、自分たちで作ったほうが楽しいよ」
ノア「ミャーさん…どうしちゃったの?オトナみたいなこと言っちゃって」
みやこ「…そこそこ大人だよ」
ひなた「じゃあ今度の土曜日、うちに泊まりに来ないか?みんなで衣装作ろう!」
花「いいんですか?」
みやこ「いいよ。お母さんに言っとく」
ノア「カノンちゃんとコヨリちゃんにも聞いてみようよ!」
ひなた「そうだな」
鳥「チュンチュンチチチュ~」
かのん「私たちまですみません。今日はよろしくお願いします」
こより「私がいればすぐに終わるわよ。任せて!」
かのん「へへっ」
みやこ「うん、よろしくね」
みやこ「それで~…なんで松本さんも?」
松本「んふっ」
ひなた「私が呼んだんだ!みゃー姉ひとりだと大変だと思って」
松本「初めての共同作業ね!頑張りましょう!」
みやこ「そっ…それ、なんか違う」
松本「それであの…手伝う代わりっていったら何なんだけど…ひとつお願いがあって」
みやこ「なっ…なに?」
みやこ「なんだろう?ちょっと怖い…」
松本「私と連絡先の交換をしてくれないかしら?」
みやこ「そ…それくらいなら、いいけど」
松本「ほんと!?」
みやこ「うっ…うん…」
松本「さぁあ!」
みやこ「ひぃっ!」
松本「みやこさん登録を!」
みやこ「あっぁ…あれ?スマホどこ置いたっけ?」
松本「ここよ!」
みやこ「ひっ!」
松本「私はみやこさんの番号とか全部知ってるから、私の登録だけしちゃうわね」
みやこ「なんで番号知ってるの…?」
松本「これでいつでも連絡取り合えるわね…うふ」
みやこ「う…うん…」
ノア「ミャーさん」
みやこ「ん?」
ノア「そろそろ始めない?」
みやこ「ああっ…そっ、そうだね。みんな、使えそうないらない服、持ってきてくれた?」
こより・かのん・花・ノア「はーい!」
ノア「これ、どう使うの?」
みやこ「全部一から作ると大変だからね。既製品で、そのまま使えそうなところは使うんだよ。これ使えそうかも~」
花「あっ!それ私のお古です」
みやこ「…と思ったけど、やっぱり使えそうにないから私が処分しておくね」
ノア「うぇ~…」
花「そうですか、残念です」
みやこ「必要なのは、花ちゃんの天使の衣装と…」
かのん「私とよりちゃんの天使の衣装もないんです」
こより「かのの分も、私が作ってあげる!」
かのん「ありがとうよりちゃん」
みやこ「他にも天使の衣装と、あとは…」
ノア「ワタシとヒナタちゃんの衣装も必要なの」
みやこ「二人は、何の役?」
ひなた「人間だぞ」
みやこ「ざっくりしすぎだねぇ」
ノア「村で暮らしている、ケーキ屋さんの女の子だよ」
みやこ「ん~…だったらこれがいいかな。じゃあ始めようか!」
松本「わからないところがあったら言ってね~」
みやこ「ひいぃ!」
5人「はーい!」
みやこ「夏音ちゃん上手だねぇ」
松本「ねっ!この子筋がいいわ」
かのん「ありがとうございます!でもお裁縫なら、よりちゃんも上手なんですよ」
ノア「ええ~ウソ~!」
こより「まぁ、見てなさい、私の実力を!」
ひなた「ぅおおおぉ~!」
ノア「ホントに上手だね~」
花「意外…」
こより「ふっふ~ん!当然よ~ふん…ぬわぁあぁ!」
かのん「よりちゃん!」
みやこ「大丈夫?」
かのん「はい、指出して」
こより「かの~」
かのん「大丈夫だよ~」
こより「うぅぅ~…」
みやこ「気をつけてね」
みやこ「ノアちゃんも上手だね」
ノア「このくらいはね」
みやこ「ひなたも~…うん。大丈夫そうだね」
ひなた「みゃー姉の手伝いでたまにやるからな」
みやこ「いつもありがとね。それで花ちゃんは…」
花「ふふん!…どうですか?」
みやこ「んんん~…」
戦力外通告「(こより・花)」
かのん「飾りのお花ってどうしたらいいですか?」
みやこ「そうだな…買ってもいいけど、例えばこういうふうに、フェルトで作ったりもできるよ」
かのん「わぁ!可愛いですね」
こより・花「わぁ~」
みやこ「やり方知ってたらそんなに難しくないから、夏音ちゃんならきっとできるよ」
花「それならできそうな気がします!私、『花』なので」
こより「私もそれやる!」
みやこ「えぇ、う~~~ん…じゃあ試しにやってみて」
こより・花「うん」
再び戦力外通告「(こより・花)」
花「はむ…はむ…はむ…はむ…」
こより「おいしい!」
花「はむ…はむ…はむ…はむ…」
みやこ「このペースなら明日にはできそうだね」
松本「そうね」
はな「んん~んん…」
かのん「お姉さんたちのおかげです」
みやこ「頑張ったのはみんなだよ~」
かのん「いえ。こんなおいしいお菓子が作れて、優しくて、お裁縫も上手で…ひなたちゃんが自慢したくなるのも分かるなぁ」
ひなた「だろ?」
かのん「ふふっ」
こより「私もお姉さんみたいに、色々できるようになりたい!」
松本「ほ~う…あなた素質あるわね」
こより「ほんとぉ?ははっ…」
松本「ええ。ちょっとあっちで話しましょうか」
ノア「コヨリちゃん、そっち行っちゃダメ!」
かのん「よりちゃん、戻ってきて!」
こより「ん?」
松本「また今度ゆっくりね…」
こより「はい!」
みやこ「天使が出る劇って、童話とかそういうの?」
かのん「先生が用意してくれた、オリジナルのお話なんです」
みやこ「へえ~」
ノア「主役は弓を持った天使でね」
花「その子が地上に降りてきて…」
みやこ「ふんふん…」
ひなた「人間を撃ち殺す」
みやこ「えぇ?」
花「んん~…」
ノア「え?」
ノア「死なないよ?刺さったら前にいる人のことを好きになるんだよ」
ひなた「なんだっそれ?」
花「ひなた、台本読んだよね?」
ひなた「う~ん…そうだった!」
みやこ「あぁ~、弓って普通のじゃなくて、こういうやつね」
ノア「そうそう…って、なんであるの?」
みやこ「コスの小道具で昔買った」
花「へぇ~すごい。よくできてますね…あっ」
みやこ「…うぇっ」
ひなた「みゃー姉!」
花「あぁぁ…すっ、すみません。手が滑って…」
みやこ「大丈夫。おもちゃだからそんなに痛くないよ。私が小学生の時もあったな~みんなでやる劇」
ひなた「みゃー姉はどんな役やったんだ?」
みやこ「私?お姫様役に選ばれたことあるよ」
松本「ひゃぁぁぁぁあぁぁっゃはゃはゃ!」
5人「おぉ~!」
松本「みやこさんのお姫様っぁはぁははぁ…はぁはぁぁ~…」
みやこ「まぁ~やるの嫌すぎて熱出たよね。それで学校休んでたら、クビになったけど」
ノア「えぁ~…」
ひなた・花・かのん・こより「あぁ…」
みやこ「だから花ちゃんも、本当に嫌なら休んでクビになるんだよ」
花「大人の言葉とは思えない…別にやりたいわけじゃないですが、絶対に嫌ってほどでもないです」
みやこ「なんか、ちょっと意外かも」
花「はぁ…それに、コスプレして撮られるのは慣れているので。あとは人が多いか少ないかの違いだけです」
みやこ「なるほど、つまり私のおかげだね」
花「つまりお姉さんのせいです」
みやこ「えっ?」
トイレ「ジャー」
みやこ「早くビデオ買わなきゃな~」
春香「ばぁ~!」
みやこ「ひっ!」
春香「どうですか~?怖かった?」
みやこ「あぁぁ…」
春香「えっ、そんなに?ごめんなさいね、みやこちゃん」
みやこ「あっ、花ちゃんの…」
千鶴「今度の文化祭で、保護者はお化け屋敷やるのよ」
みやこ「ん…」
千鶴「んで、今日はその準備」
みやこ「あぁ~」
千鶴「それでみやこ、子供たちの劇の衣装は間に合いそう?」
みやこ「ああぁ~…うん。みんな頑張ってるから大丈夫だよ」
春香「劇、楽しみですね」
エミリー「私は心配でーす」
千鶴「確かにちゃんとできるか心配だねぇ」
エミリー「超かわゆいノアちゃんが舞台に立ってしまったら、きっとスカウトされて、そのままアイドルデビューでーす!どうしましょーう」
みやこ「ノアちゃんはこういうの聞かされて育ったからああなったのか…」
春香「みやこちゃんにお願いがあるんだけど…」
みやこ「何ですか?」
春香「花ちゃんを、お化け屋敷に連れてきてほしいの」
みやこ「えっ?でっ、でも…あ、あの…花ちゃんって…」
春香「そうなの…あの子、お化けとか苦手でホラーとかダメダメ…」
みやこ「ですよね」
春香「でも、せっかく参加するんだから、私も花ちゃんを楽しませたいの」
みやこ「いいお母さんだな」
春香「あと怖がる花ちゃんすごく可愛いから見た~い!」
みやこ「分かりますっ!」
千鶴「えっ?みやこ文化祭来るの?」
みやこ「え?うん」
千鶴「はぁぁ~あの自分の文化祭も休んでたみやこがねぇ~」
みやこ「べ…別にいいでしょ?」
千鶴「いやいやっ、みやこも成長してるんだねぇっ…。なんか泣けてきたよ」
みやこ「ちょっとそういうのやめてよぅ…」
エミリー「よかったですねぇ、チヅル」
春香「おめでとうございます!」
千鶴「ありがとう…」
みやこ「なんなのもう…」
みやこ「文化祭か…確かに昔の私なら絶対行かなかったな。お母さんが言ってたように、私も成長したってことかな?まぁ、今度ある自分の学祭は行かないけどね」
かのん「お風呂、先にありがとうございました」
こより「気持ちよかったぁ~」
みやこ「ひなたたちも入ってきちゃったら?」
ひなた「そうだな」
花「うん」
ノア「おっけー!」
ネッシー「ピープー」
ひなた「劇、楽しみだな!」
ノア「でも、ちょっと緊張しちゃうな」
ひなた「そうか?」
ノア「だって、みんな見に来るんだよ。歌とか踊りとか、ちゃんとできるかなあ?」
花「セリフ忘れたらどうしよう…」
ひなた「大丈夫だぁ!」
花・ノア「わぁ!」
ひなた「その時は、その時だ!」
ノア「もぉ~ヒナタちゃんったら~」
花「練習しよう」
当日とかに音鳴るやつ「ドン、ドンドン」
みやこ「あぁ…やっぱり人多いなぁ…よしっ」

放送「5年3組の星野ひなたさん、至急職員室まで来てください」
ひなた「ん?」
ノア「ヒナタちゃん、何かしたの?」
ひなた「わかんないけど、行ってくる」
ノア「アタシもいく!」
花「私も」
山中先生「怪しい格好で挙動不審な人を捕まえたんだけど…ちょっと、扉の窓から中見てもらえる?」
ひなた「はい」
みやこ「うっ…うっ…うっ…」
ひなた「みゃー姉!」
花・ノア「ええっ!?」
みやこ「うぅぅっ…うぇぇっ…えーん…もう劇はじまるまで隅っこに隠れてるっ…ひっ…うぅぅうぅぅ~…っ…うぅ…」
ひなた「うわぁ!」
ノア「そんなのダメだよミャーさん」
ひなた「みゃー姉も一緒に遊ぼう!」
花「そうですよ。せっかく来たんですから、一緒に見て回りましょう」
みやこ「えっ?うっ、うん!…それじゃあもうちょっと頑張ろうかな」
花「また捕まりたいんですか?」
ひなた「みゃー姉、見て見て!これ全部貯めるんだ!」
みやこ「へぇ~…スタンプカードなんてあるんだ」
ノア「ひとつのお店で遊ぶと、一回押してもらえるの」
花「十個貯まるとなんと…お菓子がもらえるんです!ふふっ」
みやこ「へぇ~、それは楽しみだね」
花「はい!楽しみです」
みやこ「花ちゃん、たぶんそれ1人1枚だよ?」
ひなた「ふんふんふんふんふん~♪」
ひなた「おっ!こよりとかのんだ!おっす~」
かのん「おっす~」
こより「ちょうどいいわ!そこの的当てをやろうと思ってたのよ。勝負しましょ!」
ひなた「いいぞ!」
花「スタンプ、埋める!」
みやこ「うん!」
ひなた「ふんっ…ぅえいっ!」
みやこ「ぅおぉ~」
ノア「ぉぉ~」
ひなた「ぅおっし!真ん中だ!」
ノア「ヒナタちゃんカッコイイー!」
こより「ふん、なかなかやるわね。見てなさい、私もそれくらい…ぎゃはん!」
かのん「よりちゃん!」
みやこ・花・ひなた・ノア「あぁ…」
こより「次はボーリングで勝負よ…花ちゃん!」
花「え~…なんで私?まあ別にいいけど…」
みやこ「花ちゃん、頑張って」
ひなた・ノア「がんばれ!」
花「んっ」
バレーボール「トントントン…」
ペットボトル「ポコォォー…カラカラ…」
花「6本…」
ノア「ビミョーだね」
こより「これなら余裕ね」
かのん「頑張れよりちゃん!」
こより「んっ…ふん!…ふわぁ!」
かのん「よりちゃん!」
みやこ・花・ひなた・ノア「うぁ~…」
ひなた「なかなか楽しかったな」
ノア「うん!」
かのん「私たち、実行委員の当番だから行くね」
ひなた「おう!」
こより「じゃあ、後でね」
ノア「はーい!」
ノア「次どこ行こっか」
ひなた「あっちで魚釣りやってるって」
ノア「なにそれ!やってみたーい!」
花「お姉さん、あと8個ですよ」
みやこ「花ちゃん、お菓子は逃げないから…」
ノア「ハナちゃんホンキだね」
ひなた「おぉ~」
みやこ「へぇ~…こういうのもあるんだ~」
ひなた「フィーッシュ!ん?うおぉ!花すごいな!」
花「ふっふっふ…」
看板「スライム作り体験コーナー」
ノア「うわぁ~!…」
ひなた「ぁはははっうわっはははっうぇへ…」
花「ゎ~…」
みやこ「スライムって作れるんだな~」
花「わあ~…なにこれ気持ち悪…」
みやこ「ん?」
花「ゎぇ~きもちわるい…」
みやこ「もしかして気に入ったのかな?」
看板「〇×クイズ」
モブ「桃太郎が持っていたのは、みたらし団子である」
ノア「はい!キビだんご」
モブ「はい正解」
ノア「イェーイ!」
モブ「でもこれ○×クイズだから、答え言わないでね」
花「スタンプ、あとひとつ!」
みやこ「もうちょっとだね」
千鶴「おぉっ、みやこ!」
みやこ「おっ?お母さん!何やってるの?」
千鶴「私たちが手伝ってるお化け屋敷の宣伝。みんな来てよ」
ノア「オバケ屋敷!?」
ひなた「行く行く!」
みやこ「そういえば、花ちゃんのお母さんに、連れてくるように頼まれたっけ…花ちゃん、お化け屋敷大丈夫?」
花「んっ!…何がですか?余裕ですけど?ぶっ…文化祭のお化け屋敷なんてどうせ子供だましですよ」
みやこ「そりゃ小学校でやってるお化け屋敷だもの」
ひなた「おおぉぁ~ふふ~ふ~…へへ…」
ノア「へへん」
モブ「ニャーッ!」
みやこ「ちっちゃい可愛いお化けで、全然怖くないな」
花「はぁ…ひゅー…はぁ…ひゅー…はぁ…ひゅー…」
みやこ「花ちゃんは結構びっくりしてるけど…」
花「んん?おねっ…おねぉ…お姉さん!あっ…あそこっ!」
みやこ「ちょっ、花ちゃん引っ張らないで」
花「うぅ…うっ…うぅぅ…ひぅ…」
みやこ「脱げるっ…脱げるから…」
花「あ…あそこになっ…なにかいますっ」
みやこ「ん?」
みやこ「あぁ~あれ?花ちゃんのお母さんだ。よく見えないから、もう少し近くに行ってみようか」
花「ちょっ…ちょっと!何するんですか!」
みやこ「大丈夫だから。ほらよく見て」
花「嫌です!なんでですか?バカですか?バカですね!」
みやこ「ほんとによく見れば怖くないから」
花「よく見ればって…」
花「きゃぁぁぁぁぁあ!」
ノア「ん?」
ひなた「あれ、みゃー姉と花は?」
ノア「いない、まだ後ろにいるのかなあ」
エミリー「ばあー!」
ひなた「おお」
ノア「きゃぁー!…ってママ?」
ひなた「ほんとだ、ノアのお母さんこんにちは!」
エミリー「こんにちはデス、ノアちゃんに、ヒナタちゃん」
ノア「なんでコンニャク持ってるの?」
エミリー「よく分からないけど持たされました~きっと非常食ですね」
ノア「そうだママ、さっきの怖がり方どうだった?カワイかった?」
エミリー「チョーかわいかったです!ノアちゃんグッドです!でも、体ごと強く抱きつくより、肩に軽く抱きつく方が、カワイイと思いマ~ス!」
ノア「さっすがママ!」
エミリー「それじゃあ…」
ひなた「ん?」
エミリー「ばぁー!」
ノア「きゃぁ~!」
ひなた「ん?」
ひなた「みゃー姉と花遅いなあ」
ノア「う~ん…」
花「お母さんもお姉さんも嫌いです!」
ひなた・ノア「ん?」
みやこ「ごめんね花ちゃん。わざとじゃないんだよ」
春香「うっふふ…」
花「んん!何笑ってるの!」
春香「だって、花ちゃんが家族以外にそんなふうに接してるの初めて見たから。二人は仲良しなんだなぁ~って」
花「んなっ…」
みやこ「はぁ!」
ノア「ナニナニ?何のお話し?」
春香「花ちゃんに、みやこちゃんみたいな仲良しな人ができて、嬉しいな~ってお話し」
ノア「ああ~そうだね!ミャーさんとハナちゃんは仲良しだね!」
ひなた「それは認める!」
ノア「仲良くないとあんなことしないもんね~!」
みやこ「っはぁっ!」
春香「あんなこと?」
ひなた「でもな…」
みやこ・春香「ん?」
ひなた「みゃー姉だけじゃなくて、私たちも仲良しだぞ!」
ノア「ねーっ!」
みやこ「うん!」
こより「ひなたちゃん、花ちゃんノアちゃん!もうすぐ劇の時間だから、すぐ体育館来て!」
ひなた「こより?」
かのん「っほんとに早く来て!もう時間ギリギリだから!」
花・ひなた・ノア「あっ!集合時間忘れてたー!」
みやこ「えぇぇぇ~っ!」

みやこ「うぷっ…人に酔ったかも…気分悪くなってきた…吐きそう…」
エミリー「大丈夫ですか?」
千鶴「大丈夫?吐く前に外行って休んできな」
みやこ「でももう始まるし…頑張る。んっ…」
千鶴「頑張るのはいいけど、あんまり無理するんじゃないよ」
春香「サングラスをかけたり、ガムを食べたりすると、酔い止めになるみたいですよ。あと、楽な姿勢を取るのもいいらしいです」
千鶴「ガムはあるけど、サングラスなんて持ってきてないでしょう…なんであるの?」
ノア「ヒナタちゃん後ろ前だよ~」
ひなた「うおっ、すまんノア~」
かのん「花ちゃん余裕そうだね」
花「うん」
かのん「よりちゃんは大丈夫?」
こより「まっ…まあね」
かのん「あぁ私緊張してきちゃった」
花「実はドキドキだけど…」
こより「大丈夫よ!一緒に歌うんだから」
花「んん…」
花「うわぁ…人いっぱい。見なきゃよかった…ん?何かガラ悪い人が…って、お姉さん?また被ってる…あっ…あれ?」
みやこ「グラサンガムクッチャクッチャ」
花「まったく…」
モブ「只今より、5年3組による『天使のまなざし』を上演いたします」
拍手「パチパチパチパチパチパチ…」
千鶴「ふっ…」
こより・ノア「(頷く)」
かのん・ひなた「(頷く)」

エミリー「ノアちゃんたちの劇、超楽しみです!」
春香「一生懸命練習してましたものね。きっといい劇になります」
千鶴「問題はみやこだね…次回『天使のまなざし』」
3人「お楽しみに」


12話 天使のまなざし

みやこ「はぁ…」
拍手「パチパチパチパチ…」
観客「わぁ~!」
天使(かのん・こより)「大きな空に天使と人の世界人は大地に天使は空に」
天使(かのん・こより・モブたち)「天使たちは人を愛で結び繋ぐ」
ディジー(ひなた)・カルミア(ノア)「天使たちは人を愛で結び繋ぐ」
一同「新しい花が咲きめぐる世界天使と人の物語」
観客「わぁ~!」
拍手「パチパチパチパチ…」
みやこ「わぁ…っ!はぁ!」
照明のモブ「パッ…」
みやこ「…ん?」
みやこ「…ゎあっ…!」
アネモネ(花)「すぅ…」
アネモネ(花)「声が聞こえるわたしを呼ぶ声不思議な世界が待ってる」
みやこ「…」
アネモネ(花)「たくさんの光に包まれてなんて眩しい世界わたしを呼んでいる穏やかな愛に溢れている素晴らしい世界」
天使(かのん・こより)「(足音)」
アネモネ(花)「…!」
天使(こより)「天使の国へようこそ!」
天使(かのん)「私はスイ」
天使(こより)「私レン!えっと、あなたは確か…」
スイ(かのん)「ぽしょぽしょ…」
レン(こより)「そう!アネモネ!」
アネモネ(花)「アネモネ?」
レン(こより)「私たちが案内してあげるわ!おいでアネモネ!」
レン(こより)「色とりどりの花が咲き誇る 素敵な場所天使の国へ」
スイ・レン「ようこそ!」
スイ「いつでも笑顔の仲間達と一緒幸せに暮らしてる」
レン「初めて薫る風」
スイ「初めて瞳に映る色」
スイ・レン「初めて芽吹いた気持ちは世界をうめつくす愛天使の仕事それはたったひとつ愛を人に届けるのこの弓矢で」
アネモネ「…あっ」
ディジー「おいしいスイーツ」
カルミア「おひとついかが?」
ディジー「クッキー」
カルミア「マカロン
ディジーカルミアカップケーキ」
ディジーカルミア「もうすぐオープン 二人のお店」
ディジーカルミア「この町のみんなに届ける幸せの味」
ディジー「とびっきりのデザート!」
ディジー「はぁ…素敵な出会い、ないかしら」
カルミア「ディジー、恋に恋してないで手伝って」
ディジーカルミアは好きな人、いる?」
カルミア「アタシは…お店が忙しいの!ほら、手伝って!」
ディジー「はーい」
ディジー「弾む心感じたいの」
ディジー「あっ!…綺麗な羽根…ん?」
アネモネ「…」
ディジー「…」
アネモネ「種から芽が出て、花が咲く。天使の心にも愛は芽吹くものなの?」
アネモネ「私は天使。愛を届けなくては…」
スイ「どうしたの?アネモネこんなにいい天気なのに」
レン「そうそう、どうしてそんなに悲しそうなの?」
アネモネ「どうして…」
アネモネ「この胸がしめつけられるのあの人を見たときからずっと」
ディジー「あの子は今何をしてるんだろうこの胸の高鳴り」
アネモネ・ディジー「あの子に会いたい」
アネモネ「私の胸に」
ディジー「芽生えたこの気持ち」
アネモネ・ディジー「確かめたい」
アネモネ「あなたに会いに来たの。私のこの気持ちを確かめるために」
ディジー「私も。君のことを考えてた。ずっと会いたいって」
アネモネ・ディジー「ふふふふっ…」
ディジー「私はディジー。あなたの名前は?」
アネモネ「ディジー…わたし、アネモネ
ディジー「これ、君の羽をモチーフに作ってみたんだ」
カルミア「どうしたのディジー?」
ディジー「ん?」
アネモネ「ん?」
カルミア「こんな時間に外にいたら、風邪をひいてしまうわ」
ディジー「この子、アネモネっていうんだって!」
カルミアアネモネ?お花が咲いていたの?」
ディジー「あっ…」
カルミア「…」
ディジー「ううん、なんでもない」
カルミア「そう?風邪ひかないようにね」
ディジー「私は人間…天使のあなたと結ばれても、先に死んでしまう」
アネモネ「うん?」
ディジー「ごめんなさい…」
アネモネ「…んんっ…」
カルムさま「アネモネ…」
アネモネ「カルムさま…」
カルムさま「あの人間の少女は、そなたの愛を受け入れなかった。それが答えです」
アネモネ「それでも、傍にいたい…ディジーと一緒に」
カルムさま「人間と愛を結ぶ唯一の道は、そなたが人間となり、時の峠を越えること」
アネモネ「あっ…!なれるのですか、人間に!」
カルムさま「(頷く)…しかし、人間となったそなたの愛を、少女が受け入れなければ、そなたは消えてしまうでしょう…」
アネモネ「あっ…」
カルムさま「それでも往くというのなら、試練の門を開きましょう」
アネモネ「んんっ…」
スイ・レン「アネモネ!」
レン「行くのね、止めないわ。悲しいけど…」
スイ「素敵な愛の形ですものね」
アネモネ「うん!」
アネモネ「カルムさま、お願いします」
カルムさま「わかりました、では…!」
エンドマークみたいな杖「(光る)」
試練の門「ガチャ…」
アネモネ「んん…ぁぁ…」
カルムさま「夜明けまでに峠を越え、少女のもとへ往くのです」
カルムさま「急ぎなさい、あまり時間はありません」
アネモネ「はい」
アネモネ「あっ…あぁ…」
アネモネ「踏みしめる冷たい雪足から伝わる痛み」
アネモネ「これが寒さね…」
アネモネ「そう私は決めたの懐かしく優しい天使の国離れあなたのもとへ向かうわこの胸に芽生えた気持ちはもう止められないさあ往こう希望胸に抱いてあなたの元へ愛の花咲かせよう」
ドア「ガチャ…」
マリー「ん?たいへん!」
アネモネ「はあぁぁ…」
マリー「どうしたの、大丈夫?」
アネモネ「ディジー?」
マリー「アタシはマリー。ディジーは私のおばあちゃんだけど、あなた知り合い?」
アネモネ「私…私はアネモネ。ディジーに、会いに来たの」
マリー「アネモネ…!じゃあ、あなたがあの…天使…!」
マリー「…残念だけど…おばあちゃんはもう…」
アネモネ「あぁ…っ!」
アネモネ「ディジーは、いつ?」
マリー「アタシがうんとちっちゃいときに…いつも、天使の話を聞かせてくれたわ」
アネモネ「ふっ…」
マリー「ちょっと待ってて、何か食べるものを持ってくるわ」
アネモネ「ありがとう」
アネモネ「私、消えるはずなのに…」
マリー「お待たせ!はい、ウチの看板商品!」
アネモネ「あっ…!…そう…」
マリー「おばあちゃんがよく言ってた、『いつか天使のような人が来たら、食べさせてあげたい』って」
アネモネ「ふっ…」
アネモネ「この胸に愛が芽生えて気づいたあなたへ届けたいこの気持ち」
マリー「話に聞いた美しい天使」
マリー「憧れていたまるでおとぎ話」
アネモネ・マリー「今二人めぐりあった」
アネモネ・マリー「私たちこのケーキを受け継いでゆくの」
アネモネ・マリー「命尽きるまで」
アネモネ・ディジー・マリー「初めて芽吹いた風を感じる」
アネモネ・ディジー・マリー「初めて目にした鮮やかな色」
アネモネ・ディジー・マリー「初めての愛が世界を包みゆく」
一同「大きな空に天使と人の世界」
一同「人は大地に天使は空に」
一同「天使たちは人を愛で結び繋ぐ」
一同「新しい花が咲きめぐる世界」
一同「天使と人の物語」
観客「わぁ~!」
拍手「パチパチパチパチ…」
みやこ「わぁぁあっ…」
ひなた「みゃー姉!」
みやこ「おぉおおっ…」
ひなた「ひひっ…劇、どうだった?」
みやこ「うんよかったよ!衣装も似合ってて可愛いね」
ノア「でしょー!」
みやこ「花ちゃんはなんで着替えてるの?これから撮影会するのにぃ!」
花「そんな予定ないです」
ひなた「そうだ!先生がみゃー姉連れてこいって言ってた」
みやこ「えっ?何で?やだ行かない」
千鶴「いや…『やだ』じゃなくて行きなさいよ」
みやこ「代わりにお母さん行ってきて?」
千鶴「私はこれからお化け屋敷に戻って、片付けとかいろいろやることあるからムーリー」
みやこ「私もこれから家帰って寝る準備とかいろいろあるからむーりー」
千鶴「暇なら行きな」
ひなた「行くぞ!みゃー姉」
みやこ「うぅぅうぅ~…」
みやこ「何だろう?怒られるのかな?」
山中先生「この度は、衣装作りをお手伝いいただき、ありがとうございました」
みやこ「えっ?あっ、うぅぅんん…どうも」
山中先生「おかげさまで劇も無事に終わり、子供たちのいい思い出になりました」
みやこ「はっ…はい」
山中先生「本当にありがとうございました。みゃー姉さん」
みやこ「みゃっ?」
山中先生「あっ!すっ…すみません。星野さんがいつも『みゃー姉』って言っているから、つい…」
みやこ「あぁあああっいっいぃいいい…いえ」
わたてんのモブA「みゃー姉?」
モブB「あの人がウワサのみゃー姉?」
モブC「ひなたちゃんのお姉ちゃんのみゃー姉?」
クラスの生徒たち「ガヤガヤ」
みやこ「ぃいっぱい出てきたぁ!」
みやこ「ぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ…」
山中先生「はいはいみんなさっき言ったように、お姉さんの前に並んで」
こより「はいっ!せーの!」
生徒たち「みゃー姉さん!劇の衣装作るの手伝ってくれて、ありがとうございました!」
みやこ「うぅぅぇ…!ぁあああっ…どっ!…どう…ぅぅいたしまして…」
ひなた「へへへ…」
ノア「へへ…」
花「ふふっ…」
モブA「はい!今度映画出るらしいですけど、何て映画ですか?」
モブB「はい!友達1000人いるって、本当ですか?」
モブC「帰国子女で、海外の大学卒業してるって本当ですか?」
モブD「飛行機のパイロットって本当ですか?」
クラスの生徒「ガヤガヤ」
みやこ「えぇっ、ちょっ…うっ、えっ…えぇぇ…」
花「また知らない間に噂が大きくなってる」
ノア「アタシ最近、ウワサがどこまで大きくなるか楽しみになってきたよ」
モブE「あっ…握手してください!」
みやこ「えぇぇっ?あっ…はい…」
モブE「ありがとうございます!」
モブF「あっ、私もいいですか?」
モブG「じゃあ私も!」
モブH「私も!」
生徒「ガヤガヤ」
ひなた「おお~っ!すごいぞみゃー姉」
松本「はいはい、並んで~」
友奈「並んで」
みやこ「んん?」
松本「一人十秒ね。はいそこ割り込まないで」
みやこ「松本さん…」
ひなた「松本も、服作るの手伝ってくれたんだぞ」
山中先生「あら」
山中先生「ご挨拶が遅くなってすみません。この度は、本当にありがとうございました」
松本「いえ、私はみやこさんのお手伝いをしただけですから…」
モブ「お姉さん、みゃー姉の友達?」
松本「ん?まあそうね。親友ってとこかしら…」
生徒たち「すごーい!」
松本「はいー次の人どうぞ」
友奈「どうぞぉ~」
花「お姉さん、そろそろ限界っぽいから、助けてあげないと…」
ノア「そうだね。ヒナタちゃん、ミャーさんが大人気なのが嬉しいのか気づいてないし」
花「でも…どうする?」
こより「困っているなら助けてあげようか」
ノア「何かいい考えあるの?」
こより「ふふん…ないわね!」
ノア「なんで出てきたの?」
ノア「カノンちゃんは何かいい案ある?」
かのん「ぅぅ~ん…あっ!こういうのはどうかな?ドッキリでした~実はみゃーお姉さんじゃありませーん…とか!」
花「それはさすがに無理が…」
ノア「う~ん、ちょっとね~」
かのん「ぁぇ~…」
こより「相変わらずかのは冗談が下手ね」
かのん「ぇぇぇ…」
ノア「ああっ!冗談だったの!?ごめんね!」
かのん「んん…」
花「夏音が冗談言うと思わなかったから…」
ひなた「みんなで何話してるんだ?」
ノア「ミャーさん救出計画を…って、あれ?ミャーさんは?」
ひなた「ちょっとトイレ行くって」
花「んん~…」
ノア「え…」
花・ノア「逃げたね」
ノア「手分けして探そう!」
花「うん」
ひなた「ん?おう」
こより「かの!私たちも」
かのん「うん」
モブA「みゃー姉さん、美人だったね~」
モブB「ねっ!でも何か思ってたより地味じゃなかった?」
モブA「思った~。服とか髪とか、地味だったよねぇ」
モブC「ふっ!分かってないねぇ」
モブA・B「ん?」
モブC「あれはオーラを消す変装!芸能人とかはするでしょ?」
モブA・B「なるほど~」
かのん「お姉さん、大人気だったね~」
こより「私が大人になった時は、もっと大人気になってるけどね」
かのん「あれよりもっとって、よりちゃんアイドルでも目指すの?」
こより「それも悪くないけど、もっとたくさんの人に尊敬される人気者よ!」
かのん「アイドルよりもっと?ぅえ~、何だろう?」
こより「ふふん…大統領よっ!」
かのん「…大統領か~」
花「みんなが捜してますよ」
みやこ「ぁあっ…」
花「お姉さん」
みやこ「よ…よくいるところが分かったね」
花「ここは出し物もなくて、人が来ないですから。それにしても、結構頑張ってましたね」
みやこ「ん?」
花「クラスのみんなに囲まれた時、すぐに逃げると思いました」
みやこ「ふふんっ…まぁ私も成長してるから」
花「…結局逃げましたけど」
みやこ「うぅっ…」
花「あぁっ、そういえば…開演前のあれ、何ですか?」
みやこ「ぁ~あれはその…ちょっと人に酔っちゃって…」
花「え~」
みやこ「だってぇ…普段こんな人多いとこ、なかなか来ないし」
花「そんなに劇見たかったんですか?」
みやこ「だって!花ちゃんが主役で天使でっ、ひなたやノアちゃんも出て、みんな私が手伝った衣装着て舞台に立つんだよ!これは絶対見逃せないよ~!」
花「う~ん…」
みやこ「あっ」
みやこ「ちっ…近い…」
花「お姉さんって、普段人見知りでオドオドしてるのに、好きなことになると一生懸命というか、後先考えないですよね」
みやこ「うぅ、ご…ごめんね。それでいつも花ちゃんには迷惑かけて…」
花「そうですね、反省してください。でも、一生懸命なのはいいことだと思いますよ。お姉さんの一生懸命なところは、私、嫌いじゃないですよ」
みやこ「ああ…もにょっとする…あの時と同じ、花ちゃんに初めて会った時、胸がもにょっとした。あの時から、いつの間にか…」
みやこ「ふふっ…!」
花「さて、立ち話もこれくらいにして、もうひと頑張りしましょう」
みやこ「えっ?なっ、何を?」
花「みんな、お姉さんがトイレから戻ってくるの、待ってるので。お姉さんには、戻ってきてもらわないと困ります」
みやこ「ああっ、ああ…うん…じゃっ…じゃあもうちょっと頑張ろうかなっ」
花「なんか、さっきより元気になりましたね。どうしたんですか?」
みやこ「なっ…ん、なんでもないよ」
千鶴「あぁ~終わった終わった~」
春香「お疲れさまでした」
エミリー「チヅル!ハルカ!この後子供たち集めて、打ち上げしましょう」
千鶴「打ち上げ?」
春香「いいですねぇ」
千鶴「なら、うちでやってもいい?」
エミリー「私は隣なので大丈夫です」
春香「私もいいですよ」
千鶴「ありがとねぇ。一人、家じゃないと参加できそうにないバカがいるから」
みやこ「へっぷしゅ…」
みやこ「この後うちでお疲れさま会やるからみんなおいでって」
ひなた「おぉ~う!」
ノア「やったぁ!」
こより・かのん「わぁ~!」
花「わかりました」
花「あぁっ!スタンプカードのお菓子もらい忘れたぁ…」
かのん「あ~」
こより「すっかり忘れてたわね」
花「うぅぅぅ…」
みやこ「それじゃあ私からあげるよ!家に帰ったら、好きなお菓子作ってあげる」
花「ほんとですか?」
ひなた「さすがみゃー姉!」
ノア「ミャーさん優しい!」
コオロギ「リリリリリリリリリ…」
湯舟「チャポ…」
みやこ「はぁ~…」
コオロギ「リリリリリリリリリ…」
みやこ「文化祭、楽しかったな…大学の学園祭も行ってみようかなっ、みんなと一緒に」
ガラガラタイプのドア「ガラガラ」
ひなた「みゃー姉、一緒に入るぞっ!」
ノア「ミャーさ~ん!」
みやこ「ぅえっ…ちょっ」
花「お邪魔します」
みやこ「うっうゎぁああっ!」
湯舟「ザバーッ」